自炊メニューにもう一品欲しい時、あると嬉しいのが浅漬けだ。新鮮な野菜の旨味と歯ごたえのある食感、そしてほど良く効いた塩味。口いっぱいに広がる爽やかな風味は食事中の口直しにぴったりで、食欲を増進させてくれる効果もある。自宅で漬けるには億劫に感じてしまう浅漬けだが、実際はカットした野菜に塩やその他の調味料を足し、数時間で完成という簡単な一品。清涼感あふれるKINTOの「浅漬鉢」で、手軽に自家製の浅漬けを楽しんでみたい。
浅漬けは塩を活かした世界最古の保存方法
野菜をたっぷり食卓に。そう心掛けてはいるものの、サラダや野菜炒めなど同じメニューが続いたり、調理に時間がかけられない時もある。おかずが少々物足りないと感じた時に、あると便利な食材が浅漬けだ。フレッシュな野菜を楽しめて、脂っこいメイン料理の丁度良い箸休めとなり、暑い季節でも食欲が湧いてくる。
「浅漬け」と聞くと日本独自のもののような気がするが、塩や酢に食材を浸し保存する「ピクルス」は、名を変え食材を変え世界各地で古くから親しまれてきた。塩に漬けることは最も古い食品保存法のひとつであり、日本では大和時代から始まっていたと言われている。古代メソポタミア人は紀元前2400年に活用していたという説もあり、紀元前2030年にはキュウリがチグリス渓谷で漬けられていたという。
紀元前50年にはクレオパトラが美と健康のためにピクルスを好んでいたと言われ、ジュリアス・シーザーや他のローマ皇帝は軍隊にピクルスを与えていたという説もある。ピクルスは野菜が収穫できない季節の食料品として、また長い航海の際に、ビタミンC不足から引き起こされる壊血病を防ぐためにも重宝されていた。
浅漬けと聞くとキュウリや大根、カブや白菜などの野菜が思い浮かぶが、世界各地のピクルスにはカリフラワーやビートルート、エシャロットや芽キャベツ、パプリカやトマト、ズッキーニ等々、数多くの異なる野菜が使用されている。
塩や酢の他に風味付けとして砂糖や辛子、シナモンやクローブ、クミンやチリなど多種多様の調味料やスパイス、ハーブ類が加えられ、その地域独自の味を生み出している。浅漬けは日本のみならず、ピクルスとして世界の食文化において欠かせない存在であり続けているのだ。
野菜の彩りを美しく映し出す。KINTOの浅漬鉢
スーパーやコンビニなどどこでも気軽に手に入る浅漬けだが、市販品は味が好みではなかったり、化学調味料が気になったりという問題点も。我が家も浅漬けを自宅で漬けているものの、これまではビニール袋を利用しており、その都度捨てるのもこのご時世にどうなのかと感じていた。どこかに良い容器はないかと探していたがプラスチック製が多く、どうも食指が動かない。
そこで見つけたのが、暮らしに役立ち、住まいに彩りと豊かさを与えてくれる上質なプロダクトを生み続けているKINTOの浅漬鉢だ。まず気に入ったのがそのヴィジュアル。KINTOらしさをふんだんに感じさせる、スッキリと飽きの来ない印象的な佇まいが特徴だ。
涼し気な外観と丸みのある柔らかなフォルムはあたたかな雰囲気で、漬ける際や食卓に出す時、収納した姿も美しい。ガラス製のため匂いが付きにくく、シンプルな構造のため洗うのもスムーズだ。曇りガラスの質感は漬けた野菜の色合いを上品に映し出してくれるだろう。
簡単、シンプルな浅漬けレシピ。バリエーションも楽しんで
浅漬けの作り方は手間がかかりそうに思えて実はとても簡単。好きな野菜をカットし、その重量の2〜3%の塩を足すだけというごくシンプルなものだ。まずはベーシックにキュウリを漬けてみよう。
キュウリを食べやすいサイズにカットし、鉢に好みの量を入れる。入れた分のキュウリの重さを量り、その分量の約2〜3%の塩を全体にまんべんなく混ぜて蓋を載せる。漬けてから1〜2時間後は野菜本来の味が楽しめる、すっきりとした味わい。しっかりと味を付けたい時は4時間以上漬けておこう。夕食後や朝食時に好きな野菜を漬けておけば、次の食事の際にはすぐに食べられるはずだ。
もう少し味に深みを持たせたい時には野菜の分量に対し塩3%、砂糖と酢を2%加えてみよう。塩と甘味が絶妙に野菜に浸透してくるはず。もっと味に変化を付けたい時は、唐辛子を細くカットし一緒に漬けたり、ニンニクや生姜、塩昆布などを加えても美味しい。醤油やラー油、出汁などを加えて漬けてオリジナルな味を生み出してみたい。
洋風にしたい時は細かく切ったディルを加えたり、マスタードシードやクミンを軽く混ぜると味ががらりと変わるはずだ。なお、漬けた後は出来るだけ早く食べ切るように。浅漬鉢の蓋は重しとなっているため密封ができないので、冷蔵庫で保存する際にはラップをかぶせておこう。
他のメニューに合わせて楽しむ
和定食には必ずと言っていいほど共に出される浅漬けだが、自宅ではあまり食べないという方もいるかもしれない。毎日和食を食べるわけではなく、浅漬けを漬けても全ては食べ切れないのでは、と思うこともあるだろう。だが浅漬けは色々なレシピに加えて食べても美味しい食材だ。
キュウリの浅漬けはポテトサラダやタルタルソースに加えると他の味を引き立てて食感に変化が生まれる。細切りにした人参の浅漬けは、冷たい麺に合わせてアジアン風にして食べても美味しい。
千切りにしたキャベツや薄切りのラディッシュの浅漬けはサンドイッチに入れてみたり、セロリやカリフラワーの浅漬けはチャーハンに混ぜてアクセントとして楽しんでみても。サラダとの相性も良く、前菜にもメインにもなるパスタサラダにパプリカの浅漬けを加えれば、見た目も鮮やかな一品が完成だ。
もっと気軽に浅漬けを。旬の野菜を自分のレシピで美味しく食す
小鉢や豆皿に盛られた浅漬けは、食事のメニューの中ではメインのおかず、ご飯や味噌汁に比べ控えめで目立たない存在かもしれない。あれば嬉しい、けれどなくても困らない。そんな風に扱われることもある浅漬けだが、さっぱりとした味わいと野菜の風味、食感が楽しめて他の食材との相性も良い、いわば食の名バイプレイヤー的存在だ。
旬の野菜を選び上質の塩を使い、漬ける時間、加える調味料やスパイスを変えてみれば、味や食感は驚くほど変化する。市販品では味に満足できなかったり、今までの浅漬けに在り来たりさを感じていたら、KINTO浅漬鉢でオリジナルなレシピに挑戦してみてはどうだろう。試行錯誤の上に辿り着いた「我が家の浅漬け」は、日々の食卓を彩る欠かせない一品になってくれるに違いない。
KINTO 浅漬鉢
CURATION BY
1992年渡英、2011年よりスコットランドで田舎暮らし中。小さな「好き」に囲まれた生活を求めていたら、夏が短く冬が長い、寒い国にたどり着きました。