Vol.592

MONO

18 OCT 2024

私とMAMBO。毎日愛でたいMAMBOの魅力

どことなく力の抜けたようなこちらのキャラクターをご存知だろうか。MAMBOは、ライフスタイルショップを全国展開する「CLASKA」のオリジナルキャラクターだ。ビション・フリーゼという犬種をモデルに、イラストレーターの塩川いづみさんが描き下ろしたものだ。白黒で描かれ、シンプルでありながら印象的なこちらのキャラクターは、様々な生活雑貨やインテリア雑貨、アパレルなどに描かれている。毎日の生活、いつもの部屋の中で、ちょっと視線をやる場所にMAMBOがいる。その存在にふと癒されてみてはどうだろう。

デスクワークの視線の先に

犬と人間。ヒトとMAMBO。

Photo:Yuichi Noguchi
塩川いづみさんは、広告、 書籍、 雑誌、 プロダクトのイラストレーションを中心に活動するほか、作品の展示発表も行っておられるイラストレーター。対象の内面や背景に思いを巡らせて描かれる率直な表現が、 幅広く好まれている。

イラストレーターの塩川いづみさん photo:Eri Kawamura

シンプルで味のあるイラストばかり
塩川さんが描くMAMBOは犬のキャラクターである。犬は人にとってどのような存在なのだろうか。

犬は歴史上、人間が初めて家畜として飼育した動物であるとされている。犬と人間との関わりの歴史は驚くほど古く、約40万年前~15万年前の旧石器時代の遺跡から、人間の骨と共に発掘されたという説がある。現代においても、犬は多くの家庭で人と共に暮らし、心の支えや友人として重要な存在となっている。

「犬って 「関係性」 を強く感じさせる動物だな、 と思ったんですね。 視線の先や隣に誰かがいることだったり、 何かとコミュニケーションしていることを想定して描かないと、 犬らしくならない。 精神的にも身体的にも "誰かと共にいる" 動物なんだということを意識することで犬らしさが表現できる。」

───塩川いづみさん(CLASKA ONLINE SHOPのインタビュー記事より一部引用)

生活の所々で、さりげなくこちらを見ている

MAMBOの魅力とインテリア

MAMBO は 「ビション・フリーゼ」 という犬種がモデルになっているということ以外に、性別や年齢、 性格などについて具体的な情報を発信していない。

通常、キャラクターなどは細かく情報が設定されていることが多いが、MAMBOについては、名前が「MAMBO」ということ。ただそれだけである。受け取り手が自由な解釈で楽しむことができる不思議な存在だ。

まるで本物の犬が日向ぼっこをするように
キャラものといえば、可愛いとは思っても、カラフルであったり見た目がポップすぎたりして、部屋の景観を損なってしまうと敬遠されがち。

ただ、MAMBOはそのシンプルなデザインから、インテリア全体に馴染みやすく、部屋の統一感を損なわない。シンプルな部屋ではアクセントとして活躍し、個性を加えながらも主張しすぎず、程よいバランスを保ってくれる。

また、こうしたデザインは、年齢や性別を問わず幅広い層に受け入れられるため、家族全員が「毎日ちょっと愛でるもの」として一役買ってくれるのだ。キャラクター好きでありながら、インテリアの統一感を大切にしたい人にとって、MAMBOを家に置くことは理想的な選択と言える。

Photo:Yuichi Noguchi

「キャラもの」は難しい?

私自身はいわゆる「キャラもの」を持つことに抵抗がある人間だ。

もちろん可愛いと思うキャラクターはいるのだが、シンプルな服や生活雑貨が好きだと、どうしてもキャラものは買えなくなってしまうのである。落ち着いたデザインが好みであると、カラフルで主張が強いキャラクターものは合わないと感じられるからだ。今まで揃えた服、雑貨、インテリアのバランスがガラッと崩れてしまうのを恐れて、取り入れにくくなるのである。

おもちゃやキャラクターグッズはシンプルな部屋では悪目立ちしてしまう
そんな私が、MAMBOのグッズについてはもう10年も愛用している。

当時飼っていた愛犬にそっくりな顔で、「あの子にそっくり!」と思わず衝動買いしたのがきっかけだ。亡くなってしまった今でも、MAMBOを見ると可愛かったあの子の姿、仕草、においまでも鮮明に思い出せる。

MAMBOの関連商品は「大人が持てるキャラもの」というテーマで作られるのだそうだ。イラスト以外の要素は極力シンプルに。色合いも原色よりも中間色を選び、大人っぽさを意識しているとのこと。それにより、MAMBO の愛らしさ、ちょっととぼけた表情が際立つようになっている 。シックな色味で、大人でも抵抗なく持てる雰囲気をまとっているのが、MAMBOなのだ。

主張しすぎないデザイン

ふとした視線の先にいる存在

「MAMBOは、性別や年齢、性格などパーソナルな部分の情報を一切発信していません。 それ故、ファンの皆様がそれぞれの解釈で愛着を持って接していてくださる印象があります。癒しを与えてくれる存在でもあり、笑いを運んでくれる存在でもあり…。皆様の日々の生活に潤いを与えてくれるものとして存在してくれていたとしたら、とても嬉しく思います。」

ーーーCLASKA 広報 落合さん

Photo:Yuichi Noguchi
私は幼い頃から、ずっと犬と共に生活してきた。

犬から受ける癒しのパワー、触れ合いの瞬間や一緒に過ごす時間は、安心感や幸福感を感じさせると言われている。

犬と一緒に生活してきた人なら分かると思うが、彼らにも家の中にお気に入りの場所や定位置があったりして、その場所に視線をやるといつもそこでゴロリと転がって静かに息をしているのだ。

悲しいことがあれば抱きしめて、嬉しいことがあっても抱きしめていた。

鬱陶しがられることもあれば、喜んで寄り添ってくれることもあって、お互いが自由な感情を持って接していた。改めて考えると、対人であればできない、なかなかに絶妙な存在だ。

一緒に寝たり、散歩をしたり、甘えてきたり
私たちは安定してそこにいてくれる存在に日々安心しながら生活している。

一見何を考えているか分からない表情でチラリと目が合うと、ふふっと笑いが込み上げてくる。MAMBOはそんな犬との生活を体現するかのように、置いておくとちらりと目があったりして、なんだかよく分からない表情で佇まい、私たちの生活に馴染んでいる。

Photo:Yuichi Noguchi

あなたの生活にちょっとのMAMBO

お尻をあげて、犬らしく
大人になってから、ぬいぐるみをぎゅっと抱きしめたことがある人はどのくらいいるだろう。

ぬいぐるみを抱きしめると、なんとなくノスタルジックな気持ちになる。子どもの頃にお気に入りのぬいぐるみを抱きしめて寝た時のような純粋な気持ちが思い起こされて、キュンとするような切ないような気持ちになるのだ。

日々の暮らしにちょっと笑顔を届けてくれる存在で、私たちの生活に心地よい変化をもたらしてくれるMAMBO。お家の片隅に、普段使いのアイテムに、ふふっと笑顔を呼んでくれるMAMBOを今、お迎えしてみてほしい。

MAMBO