その狭さゆえに物が溢れてしまうキッチン。あれもこれも置きたくなってしまうが、スペースの圧迫がかえってストレスを生み、結果的に効率が悪くなることもしばしば。当たり前のように置いている物を無くしてみる、というのも一つの解決方法かもしれない。ジョージ・ジェンセン・ダマスクのティータオルで、水切りかごを無くした生活をしてみよう。
キッチンの狭さは日々のストレスに
毎日キッチンに立っている中で、常々感じるのが、キッチンの狭さだ。特に賃貸のアパート暮らしをしていた時は特にストレスを感じていた。作業台はまな板一枚を置くのが精一杯で、調味料は置くところがない。何品か調理を同時進行する時は、家電や棚の上をボウルや皿の一時置き場にすることもしばしば。洗い物を置くシンクは常にいっぱいだった。日本のキッチンは何故こんなにも狭いのだろうかと嘆きたくなる。
だが、元のキッチンの狭さはもはやどうにもならない。ならば使えるスペースを少しでも広くしようと考えた。壁収納を増やして浮かせる収納もいいが、できるだけ物を減らしたかった。キッチンに物が出ていると生活感が浮き出てしまう。それはどうしても避けたかったのだ。そこで目をつけたのが、水切りかごである。
料理を作らなくとも少量の洗い物は出るため、洗った食器類を置く場所は必要だ。筆者の実家にはもちろん水切りかごがあり、家を出て一人暮らしを始めた時にも他のキッチン用品と同じように水切りかごを購入した。置くことを当たり前に思っていた水切りかごだが、こまめなお手入れが必要でこれもまたストレスを感じていた。
水切りかごの代わりを探していると、使わない時には収納できる吸水マットを発見した。厚みのあるマットは吸水性には優れていたが、折りたたんでもそれなりの大きさであり、且つ収納する場所にも困ってしまった。また大きさが不十分なこともあって結局使わなくなった。収納場所に困らず、且つ吸水力があるものを探して出会ったのが、ジョージ・ジェンセン・ダマスクのティータオルだった。
伝統ある技術と機能性が光る。ジョージ・ジェンセン・ダマスク
Georg Jensen Damask(ジョージ・ジェンセン・ダマスク)は、1756年に設立されたデンマーク王室御用達のデザインブランド。伝統の技術を受け継ぎながら、時代に沿った新鮮さ溢れるデザインを生み出し続け、長年多くの人に愛されている。
数あるキッチンファブリックの中から筆者が使用しているのは、「Egypt(エジプト)ティータオル」。綿100%のティータオルは、コットンの中でも最高級品質といわれているエジプト綿を使用している。生地は厚手で張りがあり、洗った食器の水分をしっかりと吸水してくれる。凸凹のあるワッフル織で、平織のものよりも乾きやすいのも使い勝手がいい。
大判のティータオルは大きめの鍋やフライパンもしっかりと拭き上げられる。厚手で吸水性が良い質の良さは、水切りかご代わりに使えるほど。水切りかごが必要でなくなれば、キッチンをより広く使えるようになる。筆者が目をつけたのはここである。
また、”厚い布”というなんとも原始的なスタイルでありつつも洗練されたデザインは目を引く物がある。カラーバリエーションも豊富で、使うたびにうきうきしてしまうような魅力がある。これが普遍的なデザインだったなら食指が動かなかっただろう。毎日使う物だからこそ、機能性にもデザインにもこだわりたい。そんなわがままもさらっと叶えてくれるアイテムだ。
ティータオルがもたらした、QOLの向上
筆者はティータオルの中でもハーフサイズを使用しているのだが、これがまた日本のキッチンのサイズに合っているのだ。通常サイズは約50×80cmと広げるとかなりの大判サイズ。二つ折りにして使うことも考えたが、乾かすにも場所が取られる上に筆者には扱いづらい大きさだと感じた。食洗機と併用しての使用な為、50×40cmとコンパクトなハーフサイズで十分事足りる。フックにかけて乾かす際にも邪魔にならず、大きく広げていても作業スペースの圧迫が少ないのも嬉しい。
意外な変化もあった。水切りかごがある時は、洗った食器をそのままにしておく事が多かった。だが、ティータオルを水切りかご代わりに使い出してからは、食器を洗ったらすぐ拭きあげ棚に仕舞う癖がついた。片付けないと調理の邪魔になるのがその理由だが、いつでもキッチンがすっきりするようになったのはティータオルのおかげである。
先述で手入れの手間に苦言を呈したが、ティータオルは洗濯機で簡単に洗うだけでいつでも清潔にしておける手軽さ。水切りかごを使っていた際には手入れを疎かにしていて衛生面に不安があったが、もうその不安はない。洗い替えで何枚か持っていれば事足りる。時短が重視される今のご時世に最適解ではなかろうか。
ティータオルは食器を拭く、乾かすだけに留まらない。折り畳めば鍋敷きや鍋つかみになるし、ランチョンマット代わりにも使える。汚してもすぐに洗えるから使い勝手が良い。パッケージで生活感が気になる食品に被せて目隠しや埃よけにもなる。ティータオルのデザイン性の良さは生活空間に上質さを含ませてくれる。
必要なものを必要なだけ。生活も心もすっきりと。
水切りかごを無くした生活は、すっきりとしたキッチン、生活のハリ、余裕が生まれた心、うきうきと心弾む高揚感まで与えてくれた。思い切ってものを減らしてみたことで、生活も心もすっきり晴れ晴れした。
物が溢れ便利になっていく時代に生きている私たち。欲しいもの、手に入れたいものは募る一方で、本当に必要なものはごく僅かだろう。その中で私たちはそれぞれ選択を委ねられている。今の時代だからこそ、必要なものを必要なだけ、そんなサステナブルな暮らしをしていこう。
ジョージ・ジェンセン・ダマスク
CURATION BY
北国で暮らすフリーのWebライター。お酒と猫に目がない。