Vol.104

MONO

14 FEB 2020

手書き体験をデジタルで拡張する「Neo smartpen」

あなたは、覚えておきたいことを記録したい時や思いついたことを残したい時、どのようにしているだろうか? キーボードに打ち込んでパソコンに入力したり、スマートフォンに入力したり、録音機器を使って音声で入力したり。どれも素早く記録できる方法だが、なんだかんだ「ノートにペンで手書きする」というアナログな方法で記録することも多々ある。しかもノートに書いたことこそ有用な情報だったりするものだから、「これをデジタル化できたらいいのに…」と思うこともしばしば。そんな手書きの情報を即時にデジタル化したいという思いに応えてくれる、画期的なツール「Neo smartpen(ネオスマートペン)」に出会った

手書きをしなくなったことで消えた「余白」

会議で話し合った内容やセミナーでの講義をメモする時、タスクやスケジュールの管理、アイデアを膨らませる時…「仕事の効率化」を図る人々の多くは、これらのほとんどを、パソコンやスマートフォンに入力する。

それは執筆業を営む筆者も然り。インタビューした内容を直接パソコンに打ち込むことも多々ある。なぜなら、そちらの方が圧倒的に速く多くの情報を残せるからだ。もともと手書きでアイデアを考えることが多かったが、ここ数年はもっぱらパソコン入力ばかり。そんな生活を続けるうちに、行き詰まりを感じるようになってきた。どこか創造の余白がなくなったような感覚。これは今一度、「手で書く」という原点に戻った方がいいのかもしれない。

手書きをすることは、脳にどのような影響を与えるのか

手書きは、自分の内側で起こる思考を外の世界にアウトプットしながら、新しい情報をインプットする作業もシームレスに行うことができる方法だ。

実際に現時点でも多くの研究で手書きの有用性が指摘されている。例えば2014年のプリンストン大学とカリフォルニア大学の共同研究(※)によると、学習において、パソコンを使ったメモは記述速度が速いぶん、講義の内容を一語一句、忠実に書き写す傾向がある一方で、手書きのメモは書くことに時間がかかるため、情報を一度脳内で処理し自分の言葉で再構成する傾向があったそうだ。

このように手書きのプロセスは意外にも複雑で、脳の複数領域を同時に活性化させる。そのため情報を深いレベルで脳にインプットすることができ、なおかつ長く記憶にとどまるのだ。

普段の生活を振り返ってみると、カバンの中にパソコンやボイスレコーダー、スマートフォンが入っていて、それだけで十分なはずなのに、なんだかんだノートとペンを入れてしまっている。しかしそこにメモした情報やアイデアは振り返る時もアクセスしやすく、端的な内容しか書かれていなくても前後関係が思い出しやすい。結果的に重要な内容が詰まったものになる。だからノートとペンは手放せないのだ。
※参考文献:Pam A. Mueller and Daniel M.Oppenheimer, “The Pen Is Mightier Than the Keyboard,” Psychological Science 25, no. 6 (April 2014)

アナログとデジタルのいいとこ取りを叶えた「Neo smartpen」

いくら片付けをしても、10年分のスケッチブックは捨てられない
一見非効率な手書きが人間の脳に良いことは解ったものの、やはり現代において便利さは欠かせない。筆者がデジタル化を図った理由は、単に速さを求めていたからではない。アイデアや学習内容を書き溜めた大量のノートが捨てられず、収納空間を圧迫していたからだ。

手書きで書き残しながら、データでも残す。そんな創造性を高めながらスマートな暮らしの両方を叶えてくれるアイテムこそが、「Neo smartpen」である。

ペンのカラーは5色から選べる。「Neo smartpen M1」パッケージ

「Neo smartpen M1」と無地タイプの専用ノート「Nドローイングブック デジタルノート」
「Neo smartpen M1」はデジタルペンでありながら、「ペンらしさ」が追求されたペンだ。重さはやや重めのようだが、全く気にならない。太さや長さといった形状は一般のペンとほぼ同じ。そしてペン先に独自に開発した高感度のイメージセンサーが搭載されているため、手書きの文字を瞬時にアプリ内に読み取ることができる。

実際に触れてみると、ペン自体はかなりシンプルな作りだ。これを「Neo smartpen」に対応した専用ノートに書き込む。ノート自体も普通のノートに見えるが、よく見ると細かいドットがランダムにプリントされ、それがバーコードの役割を果たしている。

専用のアプリケーション「Neo Notes」と同期し、さっそく書き込んでみる。

アプリを立ち上げないオフラインモードでも、A4サイズ約1,000枚分のデータを保存することができる
ノートに書いた内容が瞬時に、そして書いたままにアプリ画面上に反映された。特に難しい作業をすることなく、簡単に手書きのメモをデジタル化することができた。

今まで通りノートに書いているのに、可能性は大きく広がる

実際に「Neo smartpen」は日常にどのような変化をもたらしてくれるのだろうか? そこでペンとA5の専用ノートを1週間持ち歩いてみた。

この週は、旅行取材で得たコメント、週末に受けたセミナーでの気づき、打ち合わせ内容の要点など、意外にもノートに書き留める機会が多かった。振り返ると、たった1週間で18ページも書き込んでいた。

専用ノートの種類は幅広く、小ぶりのメモ帳から薄めのA4ノート、手帳まで様々。日付や文字がテキスト化されるので、検索をかけることも可能
特に可能性を感じたのは、同時録音機能だ。「Neo Notes」を立ち上げて録音ボタンを押した状態でメモを取れば、その場の音声をアプリ内に記録しながらメモを取ることができる。さらに、メモを取ったタイミングと音声がリンクしているので、メモを取った言葉の前後関係を確認したい時も非常に役立つ。

筆者は取材先でその機能の利点を感じたが、そのほかの仕事の場にも、学びの場にも、この機能が応用できることは想像に難くない。

どれだけデジタルデバイスが発達して便利になったとしても、手で書くことの手軽さと心地の良さは手放せないものだ。一方で、書いた内容をアプリに同期しておけば、ノートを持ち歩かない日もメモした内容を振り返ることができる。今まで通りなのにもっと便利になる。その先に広がる多様な可能性を感じ、心が躍った。

スマートペンでクリエイティビティが加速する

罫線のないスケッチブックを使えば、より自由に思考を広げることができるだろう。さらにペン先のカスタマイズも可能。自分なりの使い方を見つけよう
人間は日々必ずしも言葉だけで論理的に考え、思考しているわけではない。ビジュアル的なイメージや概念で思考していることも多々ある。

それらはキーボードやスマートフォンには打ち込めないが、ノートに手書きすれば表出させることができる。ペン先の触感や音を聞きながら言葉や線を紡ぎだし、自分自身が導き出した思考は、いつまでも残しておきたい大切な宝物だ。

記述した思考の記録をありのままの形でデジタル化し、残すことができる「Neo smartpen」は、手書きで記述したものをデータとしても自然と扱いやすくしてくれる。人間の営みと道具の心地よい関係を改めて認識させられた。

Neo smartpen M1

[全5色] ¥15,100
サイズ重量 / Length 149mm, High 10.4mm 17.4g
通信方法 : Bluetooth 4.2(CLASSIC/BLE)
充電時間 : 約90分
連続使用 : 6時間
オフラインモード : A4サイズ約1,000枚保存可能

公式サイト:https://www.neosmartpen.com/jp/neosmartpen-m1/