Vol.333

KOTO

26 APR 2022

緊急時もすぐ持ち出せる。ミニマルな防災セット「MINIM+AID」

地震、豪雨、活火山の噴火、津波、洪水、土砂崩れなど、自然災害が起こりやすい日本。世界的に見ても、マグニチュード6.0以上の地震のうち、およそ2割が日本で発生している。このように災害リスクが高いぶん、日本では国家規模で防災や減災のための対策やインフラメンテナンスが行われているが、同時に私たち1人ひとりが備えを確認し、防災意識を高めていくことも重要だ。そこで改めて防災グッズを見直し、手に入れたのが「MINIM+AID(ミニメイド)」という防災セット。収められているのは、災害によって避難所へ行く場合に欠かせない、必要最低限のアイテムだという。今回改めて災害時に必要な備えをチェックしながら、その内容を紹介しよう。

防災に欠かせない、日常の「備え」とは?

「災害があった時のために備えましょう」と言われても、具体的に何をどう備えればいいのか、イメージしにくいものだ。筆者も非常食や水、防災グッズなど、最低限をストックしている程度。しかし本当に大きな災害が起きた時、これだけの備えで対処できるとは到底思えない。そこで改めて、実際に何を備えておくべきなのか確認してみた。

まずは地域の防災情報ポータルサイト、「東京都防災」などの防災アプリをチェックしよう

備えておく「こと」

・居住地域の危険箇所や避難場所の確認
・家具の置き方、避難経路などの見直し
・ライフラインが絶たれた時など、もしもの時のマニュアル確認

「災害時の備え」と聞くと、備蓄品などの「もの」をイメージしがちだが、それ以前に災害時や災害直後にどう行動するかという「こと」を押さえ、シミュレーションしておくことが大切だ。まずは災害が起きた時に、自分の地域にどのような被害がどの程度起こる可能性があるのか、避難すべき時はどこに避難するといいのか、地域の情報をチェックするところからはじめよう。

さらに、家の中の家具は背の低いもの中心にする、背の高い大型家具は固定する、倒れても部屋の出入り口などを塞がないように家具を配置する、アパートやマンションの避難経路や消火器の位置を確認するといったことも大切だ。また大きな災害が起きた場合、ライフラインが絶たれる場合もある。どのような困りごとが起こりうるのか、応急処置はどのようにするのかにも目を通しておくといいだろう。

消費期限切れは大丈夫? 食料や日用品の備蓄も見直そう

備えておく「もの」

・在宅避難に備えた、食料、水、日用品のローリングストック
・各自必要なもの。常備薬(持病がある場合)、生理用品(女性の場合)、おむつやミルク(乳幼児がいる場合など)
・カセットコンロ・ボンベ、懐中電灯、乾電池、充電式ラジオ、ラテックス手袋、ポリ袋、簡易トイレ、非常用持ち出し袋など、避難生活に最低限必要なもの

備蓄品については、消費期限の長い乾パンなどの非常食を持っておくのもいいが、普段の食料や日用品、各自必要なものを少し多めに備蓄し、古いものから消費、減った分を補充していくという、ローリングストックに切り替えよう。これにより日常的に備蓄でき、「気づいたら消費期限が切れていた」ということも防ぐことができる。

備蓄品を見直してみると、避難用のグッズが揃っていないことに気づく
改めて自宅の収納を見直してみると、備えるべきものが不足していることに気が付く。特に、避難生活に必要な懐中電灯や充電式ラジオが無い。また、倒壊や火災、浸水などの危険がある場合は、速やかに自宅から避難所に移動する必要があるため、避難生活に最低限必要なものはすばやく持ち出せることも重要だ。

そこで今回の見直しを機に、日常に馴染むミニマルな防災セット「MINIM+AID(ミニメイド)」を手に入れることにした。

避難グッズこそ、アクセスしやすい場所に

「MINIM+AID」19,800円(税込)
非常用持ち出しバッグを用意していたとしても、目に見える場所に置いてしまうと部屋の景観を損なうため、ついつい収納の奥に押しやってしまう。しかし災害が起きて一刻も早く避難しなければならない時に、必要なものをすぐに持ち出せなければ意味がない。今回手に入れた「MINIM+AID」は、建築金物や建築資材などを扱う杉田エースと、佐藤オオキ率いるデザインオフィスnendoが共同開発した、ロングセラーの防災セットだ。

高さ60cm弱の筒状のケースの中には、4つの筒状のパーツが格納されており、災害が起きてから避難所へ行くまでに必要な最低限のものが入っているというが、パッと見ただけでは防災セットとはわからないほど非常にシンプルな見た目。インテリアの邪魔をしないため、普段から玄関先など手に取りやすい場所に立てかけておくことができるアイテムだ。取り外し可能なベルトもついているため、いざという時は肩にかけて楽に持ち運ぶこともできる。

持ち運びも簡単

蓋には呼出用の笛も付いている

シンプルでフレキシブル。「MINIM+AID」の機能

シンプルな4つのパーツには、機能がたくさん
「MINIM+AID」の4つのパーツには、それぞれ01〜04のナンバーが割り当てられている。それぞれの内容をみてみよう。

01 LANTERN(ランタン・懐中電灯)

01 LANTERN

足下や目先を照らす懐中電灯として

固定してその場を明るく灯すランタンとして
01は、懐中電灯とランタンの2WAYで使うことができるアイテム。給電方法も電池式と充電式の両方が備わり、使い勝手の良い設計だ。使用する電池も単4型乾電池1つなので、片手で軽々と持つことができ、ストラップが付いているので持ち運びもしやすい。ライトの上部を上げると光が横に広がり、その場を明るく灯す。日が暮れても安心して身を守ることができるはずだ

02 CASE(多目的ケース)

02 CASE

付属のラジオ用イヤホンもこちらに入れておこう
ハード素材で衝撃から中身を守る02のケースは、メガネや常備薬、絆創膏など、細々とした備品を入れるのにピッタリなアイテムだ。ほかにも、爪切りや筆記具など、避難所での生活にあると良さそうなものを入れておこう。

03 RADIO(手回し充電ラジオ)

03 RADIO

ラジオとしてはもちろん、付属のUSBケーブルを通してランタンへの充電も可能

手動のハンドルを回しながらの充電も可能
ラジオは家から避難所に行くまでの間、あなたを守る大切な情報源になるが、バッテリー切れしてしまうと使い物にならない。そんな時に活躍してくれるのが03の手回し充電ラジオだ。こちらは手動のハンドルを回すことで、USBケーブルを通して、01のランタンへ接続して充電することができる。またラジオは環境に合わせて、スピーカーとイヤフォンどちらからでも聴くことができるようになっている。(*USBケーブル同梱)

04 PONCHO(ポンチョ・蓋つきコップ)

04 PONCHO

ポンチョを取り出せば、ケースをコップとして使うことができる
04に入っているのはポンチョ。災害時に雨が降っている場合、避難所までの道のりで身体を濡らしてしまうと、避難所に着いてから体調を崩してしまう可能性がある。そのような二次被害を防ぐアイテムだ。特に近年は大雨により被災する場合も多いため、あると便利だと言える。また、ポンチョケースはコップとしても使うことができ、こちらも無駄のない設計になっている。

スタイリッシュかつ安全に暮らす

インテリアにこだわると、ついつい災害時の安全に対する意識が抜けがちになってしまうものだ。今回改めて防災のために備えるべきこと・ものを見直してみたことで、足りないものが明確になった人も多いはず。

「MINIM+AID」のように、シンプルでインテリアに馴染み、防災機能もしっかりと備えたセットを取り入れることで、日常ともしもの時、両方で安心と心地よさを叶えられるはずだ。

左:「denqul」 11,000円(税込)、右「minimLET」22,000円(税込)
さらに杉田エースとnendoは、他の防災アイテムも開発。手動発電式バッテリー「denqul(デンクル)」や簡易トイレ「minimLET(ミニムレット)」など、プラスαの防災グッズが欲しい方は、ぜひそちらもチェックしよう。

MINIM+AID