クローゼットを開けたとき、「今すぐには使わないモノ」が大半を占めていると、すこしうんざりした気分になる。季節外れの服やグッズ、ディスプレイしていない収集品、心に残る思い出の本…。どれも大切だけれど、今ここにあっては生活が不自由になる。ならば家ではない別の場所で、大切なままに保管する手段を考えてみる必要があるはずだ。
身動きが取りづらいのは、大切なモノが多すぎるから
一般的に都心部での単身者向け物件は、専有面積25平米が標準と言われ、生活スペースを広々と使うにはある程度の工夫が必要だ。それよりも広い部屋であったとしても、モノが多すぎると部屋の景観が損なわれるうえに、生活スペースが圧迫されてしまう。さらに引っ越しをする際にも、莫大なお金と労力がかかりかねない。ならば断捨離をすればいいと、全てのモノを引っ張り出してひとつひとつ精査したが…。どれも吟味して選んできたモノばかりで、手放すモノはさほど多くない。
今は使わなくても季節が変われば使ったり、時々取り出してはじっくり眺めたりする大切なモノたち。一旦は片付けられたとしても、その全てを部屋に抱え込んでいては、元の木阿弥だ。
思い出のモノ、趣味のモノ、大切なモノだから捨てるわけにはいかないが、それで生活スペースが圧迫されてしまっては苦しいもの。「今必要ではない大切なモノ」をどこか別の場所で保管する。そうすれば、もっと身軽な暮らしができるのではないだろうか。
「サマリーポケット」で、今は使わないモノを預けよう
大切なモノを大切なままに、ストレスなく管理したい。そこで注目したのが、「サマリーポケット」という月額250円から荷物を預けられる、スマホ収納サービスだ。部屋から一歩も出ることなく荷物を預けられるということで、早速アカウントを作成。
預けた荷物の写真を撮影してくれる「スタンダードプラン」、写真撮影なしの「エコノミープラン」、本を点数制限なく管理できる「ブックスプラン」の3つから、最も人気な「スタンダードプラン」を選び、レギュラーボックスを注文した。
「スタンダードプラン」では、幅43cm × 奥行37cm × 高さ33cmのレギュラーボックス(A4ファイル60冊分が入る大きさ)の他に、アパレルボックス(洋服をしまいやすい形状で、Tシャツ100枚分が入る大きさ)、ラージボックス(レギュラー・アパレルの2倍の大きさ)と、3種類のサイズから選ぶことができる。
*都内の場合、午前11時までの注文で、最短翌日にボックスが届く。
あっという間に「今使わないモノ」の箱詰めが終わった。ちなみに、預けた荷物はボックス単位での取り出しはもちろん、荷物を1点だけ取り出すことも可能な、小回りの効くサービスだ。取り出し手数料はかかるが、最短で翌日に届けてもらえるため、急ぎの時も安心である。
まるでクラウド倉庫。トランクルームと差をつける写真データ管理
1箱から預けられる手頃さや、温度・湿度が管理されている場所での保管がサービスの魅力とはいえ、これならばトランクルームでもいいのでは?と思ってしまう。しかし「サマリーポケット」の醍醐味はそれだけではない。注目すべきは、写真を撮影し、データで管理できる点である。
あなたは自分が所有しているものを全て思い出せるだろうか。筆者は思い出せない。引越しの時も、段ボール5箱分ほど詰め終わった時点で、どの箱に何を納めていたか忘れてしまうほどだ。だからこそ、クローゼットなどの収納スペースの整理は定期的に行う。どれだけ大切で、愛着のあるモノでも、しまい込んで見えなくなった瞬間に、「あってもなくてもいい、管理外のモノ」になってしまうからだ。
「サマリーポケット」の場合は、そんな「しまい込んで忘れたくないモノ」を写真管理できる。(*)ボックスの集荷後、預けたすべてのアイテムは、1つひとつ専用スタジオで写真撮影され、データ登録される。登録が完了するのはボックスを集荷してから約1週間後。預けたモノがリスト化され、パソコンやスマホでいつでもどこでも把握できるようになる。写真管理はスタンダードプランのみのサービスとなり、エコノミープランでは個別撮影は対象外。ブックスプランは書籍バーコードからデータを読み取り、リスト登録可能で点数無制限というのは嬉しいポイントだ。
元々、「サマリーポケット」は「Sumally(サマリー)」という自分が欲しいもの(Want)と、自分が持っているもの(Have)を共有するSNSから派生したサービス。自分の持ち物がアプリ上でリスト化され、ビジュアルで確認できること自体が魅力的なサービスなのだ。
*写真の撮影は1箱あたり最大30アイテム分まで。30点を超える分については、スタッフの判断により登録点数が30点以下となるよう適宜アイテムをまとめられ、登録・管理される。
たとえば、「外出先で衝動買いして家に帰ったら、同じモノ・似たようなモノがすでにあった」ということも良くあること。二重に買い物をしないように、預けているモノをチェックしながら買い物ができるのも効率的だ。
大切なモノは、自分で管理できてこそ活きてくる。クラウド倉庫のように利用できるこのサービスは、今までのモノの買い方や管理方法の見直しにもつながるだろう。
サマリーポケットで暮らしはどう変わるのか
暮らしの快適さと、大切なモノの居場所の両立を叶えてくれる「サマリーポケット」。今の暮らしが手狭だと感じる人は、もっと広い部屋へ引っ越す前に、一度このサービスを利用してみてはいかがだろうか。
効率よくモノの管理ができることはもちろん、大切なモノなのに邪魔でストレスを感じてしまうというジレンマからも抜け出せる。季節もののアウトドアグッズ、デイリーで使わないパーティー服や小物、コレクションしている模型やフィギュア、アートなどを預けるのもいいだろう。
サブスクリプションサービスなどが広まり、「所有しない」時代になりつつある今だからこそ、「それでも所有したい大切なモノ」は何かを見つめ直す。それが、自身が求める心地よさの発見にも繋がるはずだ。
サマリーポケット
CURATION BY
フリーライター・エディター。専門はコミュニケーションデザインとサウンドアート。ものづくりとその周辺で起こる出来事に興味あり。ピンときたらまずは体験。そのための旅が好き。