いつの頃からか、小麦粉をあまり食べなくなった。健康を気遣ってというよりも、野菜や果物中心の生活の方が胃に負担がないように感じられて気持ち良く過ごせるため、自然と遠のいてしまったのだ。そしてそんな生活を続けていると、お菓子にも気を遣いたくなってくる。そんな時にデパートで目に入ったのが、BONBONS DE K(ボンボン ドゥ カ)の米粉のクッキー。今回は気分の上がる見た目と体への配慮、その両方を兼ね備えたこのクッキーを紹介したい。
グルテンフリーの焼き菓子専門店 BONBONS DE K
BONBONS DE K(ボンボン ドゥ カ)は2021年7月に湘南・茅ヶ崎にオープンした、グルテンフリーの焼き菓子専門店だ。現在はこの店舗のほかに「BONBONS DE K_atelier」、新宿駅構内のイイトルミネにある「BONBONS DE K_shinjuku」の3店舗を構えている。
店舗をオープンさせたのは、女性誌の編集をしていた永島かおりさん。店名のBONBONS DE Kはフランス語の「BON(良いね)」と「BONBONS(お菓子)」に、「かおり」のイニシャルであるKを合わせて考えたそうだ。
BONBONS DE Kの特徴は、愛らしい見た目と体に良い素材。白砂糖は使わずきび砂糖やはちみつを使い、国産米100%の米粉や北海道産のバターを使った35種類のフィナンシェのほか、クッキーなどの焼き菓子を作っている。
永島さんがこうしたお菓子を作ろうと思ったきっかけは、年齢を重ねるにつれて「体は自分自身が選んだ食べ物でできている」と感じるようになったため。小麦を控えた食生活をすると体に負担がかかりにくいことに気が付き、グルテンフリーの焼き菓子店「BONBONS DE K」を開いたそうだ。
私もまた、大人になってから小麦を控えるようになったひとり。デニッシュ生地ももちもち食感の白パンも大好物なためたまに食べることもあるけれど、おやつ程度に控えている。基本の食事は野菜と果物、肉に魚、お豆腐や発酵食品など。そうしたものを食べている方が、体が軽く動きやすいため、仕事に勉強に絵画の制作にと、毎日やりたいことがいっぱいある私にはぴったりなのだ。
グルテンフリーの効果とは?
そもそもグルテンとはなんだろうか。グルテンとはたんぱく質の一種だ。小麦や大麦などの穀物に含まれ、水を加えることで弾力性や粘り気を生み出す。パンの膨らみやコシなどの鍵となる成分がこのグルテンのため、パンやパスタなどには必要不可欠。
このグルテンの摂取を控えるグルテンフリーがなぜ現在フィーチャーされているのかというと、一部にセリアック病など、グルテンによって小腸が強い炎症を起こす病気を持つ人がいるからだ。そのほかの健常者に対しては、グルテンが体に悪い影響を及ぼすという事例は発表されていない。そのためあくまでもグルテンフリーを実践した人たちが「パフォーマンスが上った」「集中力が上った」「ニキビが減った」などのメリットを感じたという個人的な感想を発表しているというのが現状である。
特にテニスプレイヤーのノバク・ジョコビッチが、グルテンフリーへと転換したことでパフォーマンスが向上したと語り、話題を呼んだ。他にも健康や美容への意識が高いセレブなどが実践し「グルテンフリー」という言葉がひろがっていったそうだ。
とはいえ、グルテンを控えた食生活は少なくとも私の体には合っていたようで、私自身もまた体が軽くなったように感じている。また食べなくても特に不都合がなく、その上体重の維持には確実に貢献してくれているので、このまま継続しようと思っている。
BONBONS DE Kで使われている米粉とは、精米した白米を粉砕して粉にしたものだから、もちろんグルテンフリーの材料だ。
グルテンフリーであることに加えて、白砂糖が使われていないのは、私にとって安心できるポイントである。自律神経が乱れやすい体質のせいで、白砂糖のように血糖値が急に跳ね上がる食品は、あとで必ず反動に悩まされる。けれど、はちみつなどなら違う。吸収がゆるやかなため、血糖値の上昇も穏やかで、心身に負担がかかりにくいのだ。
35種類のフィナンシェ
素材にこだわって作られたBONBONS DE Kの焼き菓子。
数ある中でも特徴的なのが、なんと35種類もあるというフィナンシェだ。15種類ほどは月替わりで変わるため、今の季節はどんなフレーバーが揃っているのかつい楽しみにしてしまうフィナンシェである。それぞれのフレーバー毎に配合に違いがあり、焼き時間も異なっているそうで、こだわりの深さが伝わってくる。
甘いフレーバーのほかにも、ワインなどに合いそうな塩系の味も用意されている。例えば「CHIGASAKI(しらすアーモンド)」は表面に茅ケ崎産のしらすと、砕いたアーモンドが入ったフィナンシェ。白ワインなどのお酒のおつまみとしても楽しめそうな、BONBONS DE Kならではのフレーバーだ。
ステキな見た目がくれる高揚感!
ご紹介したようにこだわってセレクトされた素材やオリジナルのフレーバーはさることながら、筆者にとって缶入りのクッキーがくれる最大の喜びはやっぱり蓋を開けた時の高揚感。BONBONS DE Kのクッキーはどれもデザインが凝っていて、毎日を特別なものにしてくれる。
エディブルフラワーがエレガントなデザインのものから、女性のイラストがかわいらしい「La boîte à bonheur」、そして今回筆者が手に取ってみたのは猫好きにはたまらないイラストが彩られた「La boîte à bonheur -chat mignon」だ。
仕事の合間に癒しをくれるクッキー
おしゃれな猫のイラストの缶を開けると、さらに猫型のクッキー2枚が仲睦まじく向き合うようにして納められている。色もピンクにグリーンとカラフルだから眺めているだけで楽しく、抹茶味やパルメザンバジル、セサミ、キャラメリゼ、フランボワーズなどさまざまなフレーバーを味わうことができる。
食感はほろりと口の中で溶けるようなやわらかさで、甘さは控えめ。バターのまろやかな味わいはあるけれど、しつこすぎず、ついつい次の一枚に手が伸びてしまう。
食べた後の缶も、もちろんとっておきたい。モノトーンだからどんなインテリアにも合わせやすく、またカードを入れたり文房具を入れたりしてデスクに置いておけば、いつまでもかわいいイラストが仕事の合間に癒しをくれそうである。
仕事や家事・育児など、日々に追われていると気づけば心が疲弊していることもしばしば。そんなときに見ているだけで心に花やぎをくれ、さらに安心の成分で作られたおいしいクッキーがあれば、毎日がもっと楽しくなるのではないだろうか。
みなさんにもぜひ、BONBONS DE Kのクッキーを試してみてほしい。
BONBONS DE K
CURATION BY
東京都出身。フリーの編集・ライター。フランスと日本を行ったり来たりの生活をしている。