Vol.609

FOOD

17 DEC 2024

今日はごちそうだけど、カンタンに。「NISHIKIYA KITCHEN」の華麗なレトルトカレーの世界。

久しぶりに会う友達に、何かちょっとした贈り物をしたい。一人でもみんなでも楽しめるおいしいもの。そんな時、私が選ぶのは「NISHIKIYA KITCHEN(ニシキヤキッチン)」のレトルトカレーだ。「レモンクリームチキンカレー」の黄色いパッケージがかわいらしく、目を引かれたのがきっかけだが、味はレトルトとは思えないおいしさだ。そのおいしさの秘密を探るため、宮城県岩沼市の工場を訪ねた。

「レモンクリームチキンカレー」で元気を贈りたい

インパクトのあるレモンのイラストとビタミンカラーのパッケージ
お世話になった東京の方へ、何かお礼をしたい。でも、カジュアルで気を使わせないようなものがいい。そんな時、最初に手に取ったのが「レモンクリームチキンカレー」だった。このおしゃれなパッケージに目を奪われ、鮮やかな黄色から元気をもらえる気がした。何より「レモンのカレーって、どんな味だろう?」と興味をそそられたのだ。「おいしくてもおいしくなくても、話題になるかも」という気持ちで渡したところ、「とてもおいしかった!」と喜ばれ、私も嬉しくなった。

大きなチキンがゴロゴロと入っていて、テンションが上がる……!
「レモンクリームチキンカレー」は、レモンの爽やかな風味と生クリームのまろやかさが特徴のカレー。白っぽいルーはどこかシチューのようだが、食べてみるとスパイスとレモンがマッチした、まさにカレーそのものだ。大きなチキンが入っていて、食べ応えも十分。甘口なので、子供からお年寄りまで幅広く愛されるのも納得の味わい。いつものカレーとは一味違うクセになる味で、気づけば私の定番のお土産になっている。

世界の料理を「カンタン」に、「NISHIKIYA KITCHEN」

宮城県岩沼市の空港南工場。工場見学を毎月開催している
NISHIKIYA KITCHENは、宮城県岩沼市にあるレトルト食品専門メーカー。カレーやスープ、パスタソースなど、約120種類もの商品を製造・販売している。定番の「ベーシックシリーズ」や「インドカレーシリーズ」、そして「キッズシリーズ」など、多彩なラインアップが揃う。きっとあなたの“推しカレー”が見つかるはずだ。

種類が豊富だから、お土産や自分の好みに合ったカレーにきっと出会えるはず
NISHIKIYA KITCHENは、2021年3月にリブランドを行い、コンセプトやパッケージを一新した。コロナ禍で生活様式が変化したことが、リブランドのきっかけとなったという。お子さんがいる家庭の親や、気軽に食事を楽しみたい一人暮らしの方など、キッチンに立つ人の負担を減らしたい。そんな使命感から、世界中の料理を手軽に楽しめるように商品開発に取り組んでいる。

思わず手にとって見たくなるパッケージ。選ぶのが楽しくて、つい時間を忘れてしまう
NISHIKIYA KITCHENのカレーは8つのカテゴリーに分類されている。例えば「ベーシックシリーズ」は、ビーフカレーやポークカレーなど我々にも馴染みのある味が並び、「クリエイティブシリーズ」は、レモンやゴルゴンゾーラなど、少し変わった食材が並ぶ。

パッケージもシリーズごとに分かれており、「レモンクリームチキンカレー」に代表されるクリエイティブシリーズの場合、食材のイラストがメインに使われている。他にも、辛さや商品名をわかりやすく表示したり、盛り付け写真を採用したりと、初めての人でも手に取りやすい工夫がされている。

レトルトパウチは「小さな圧力鍋」、手間をかけた料理を温めるだけ

食材にこだわった特別なカレーが温めるだけで楽しめる
NISHIKIYA KITCHENでは、レトルトパウチを「小さな圧力鍋」と呼んでいるそうだ。温めて気軽に食べられる商品も、実は相当な手間ひまがかかっている。そして、商品開発にかける情熱も並大抵ではない。

まず、食材やスパイスは厳選したものだけを使用している。インド料理でよく使われる「パニール(フレッシュチーズ)」と「カレーリーフ」は、フレッシュな生のものが国内では入手困難だった。そこで、宮城県蔵王地方の生産者と共同で開発し、製造・栽培を始めたという。

また、水は蔵王山系と甲子旭岳を水源とする水を丁寧にろ過して使用し、塩はミネラル豊富な海水を煮詰めた沖縄の塩「シママース」など、選び抜いたものを料理に合わせて使い分けている。

絶えず新商品を生み出す開発力がNISHIKIYA KITCHENの強みだ
特に主力商品であるカレーは、研究に力を入れている。カレーの本場であるインドには10年以上通い、ホテルやレストランなどの名店だけでなく、現地の家庭料理や料理教室でも味づくりを学んでいるそうだ。試作を重ね、0.1gの分量にもこだわりながら、レシピ開発を進めている。

大きな釜で煮込んだ後のカレーソース。レモンクリームチキンカレーは1回の製造で約7,600食つくることができる
製造現場を見学して驚いたのは、正確に計算された生産工程だ。具材や材料の分量を正確に計り、それぞれを別々に大きな釜で煮込んでいく。パウチされる際に、具材とソースが合わさるため、具材に偏りが出ることもない。釜は毎回清掃されており、作業の丁寧さが伺えた。パウチされた商品は、高い圧力が加えられ、100°C以上の熱で殺菌される。

「レモンクリームチキンカレー」の具材とソースを機械でつめる。この後、高い圧力を加え100℃以上の熱で殺菌する

箱詰め作業も機械で行う。NISHIKIYA KITCHENではDXも積極的に進めている

レトルト室には大きな機械が並ぶ。工場内部はどこも整理整頓され、清潔な環境が徹底されていた
NISHIKIYA KITCHENでは、毎月、工場見学を開催している。NISHIKIYA KITCHENの歴史を動画で学び、製造の様子をガラス越しに見ることができる。工場限定のグッズもあるので、旅行のついでに立ち寄るのも良さそうだ。

工場見学では、オリジナルグッズを購入することもできる

みんなが大好きなカレー、おすすめ商品をご紹介!

最初に紹介したレモンチキンクリームカレーは、人気No.1の商品となっている。他にもたくさん種類があるので、おすすめのカレーを紹介したい。

(左)豚の角煮カレー、(右)ハニージンジャーポークカレー
どなたにも喜んでもらえるカレーを選ぶなら、この2品がおすすめだ。テレビ番組で紹介され、爆発的な人気を誇るのが、「豚の角煮カレー」と「ハニージンジャーポークカレー」だ。どちらもゴロゴロと大きなお肉が入っているが、やわらかく煮込まれている。ぜひ、一度は召し上がっていただきたい逸品だ。

「豚の角煮カレー」は、ゴロッと入った国産豚バラ肉を旨みたっぷり醤油ベースの甘辛カレー

「ハニージンジャーポークカレー」は、ソースと具材のどちらにも国産の生姜を使用し、より生姜の香りと食感が楽しめる

(左)こどもカレー、(中)10種のお野菜キーマカレー、(右)ポークカレー
お子さんがいるご家庭にぴったりなのが、キッズシリーズ。左から、1歳向け、2歳向け、3歳向けと、子どもの年齢に合わせて選べるキッズどんぶりとカレーが揃っている。なかなか2歳向けの食事が見つからない、というお客様の声を受けて、各年齢に合わせたレトルト食品が開発された。野菜をたっぷり使用していたり、8大アレルゲンを使用しない商品もあるなど、やさしい配慮が施されている。

こどもカレーは柔らかく煮込まれた野菜の甘みを感じる。辛いものが苦手な大人も楽しめるおいしさ

(左)南インドの豆と野菜のスープカレー、(中)チキンビリヤニ、(右)野菜ビリヤニ
カレー通な人におすすめなのが「ビリヤニ」だ。ビリヤニはインドの炊き込みご飯で、NISHIKIYA KITCHENのビリヤニは、インドのお米・バスマティライスを使用している本格的な商品となっている。オンラインショップのランキングで常に上位にランクインしている商品で、人気過ぎて売り切れてしまうこともあるそうだ。「南インドの豆と野菜のスープカレー」との相性がバッチリなので一緒に食べるのがおすすめ。

チキンの旨みとスパイスの香りがたっぷり染み込んだ「チキンビリヤニ」

野菜に合う爽やかなスパイスの香りが染み込んだ風味豊かな「野菜ビリヤニ」

華麗なレトルトカレーの世界を体験しよう

NISHIKIYA KITCHEN 仙台パルコ店
NISHIKIYA KITCHENは現在、宮城県内や東京の自由が丘に店舗を構えている。仙台パルコ店は仙台駅からも近く、全商品を揃えている。イートインスペースも併設されているので、観光にもおすすめだ。

イートインスペースでいただくカレー。レトルトとは思えない盛り付けに気分も高揚する
贈り物やお土産に「レトルトカレー?」と不思議に思われるかもしれない。ただ、NISHIKIYA KITCHENのカレーを食べてもらえれば、その不思議が確信に変わるだろう。

辛さだけでなく、野菜のカレーやアレルギーフリーのカレーなど、好みや体質に合わせて選ぶことができるのも、「世界中の料理を手軽に楽しめるようにすること」「キッチンにいる人の負担を軽くすること」というNISHIKIYA KITCHENのミッションへのコミットメントが感じられる。

今日も、大切な人を思いながら、贈り物を選ぶ。温かいご飯とカレーで笑顔になってくれたら嬉しい。

宮城の素材シリーズは、観光のお土産としてもおすすめ

NISHIKIYA KITCHEN