Vol.747

14 APR 2026

〔ZOOM in 渋谷富ヶ谷〕選ぶ時間すら愛おしい。日常を輝かせる『HELEN HEIJI』のジュエリー

渋谷区富ヶ谷は、渋谷の中心地に近く、代々木公園や代々木上原に隣接するエリア。鎌倉時代からその歴史を紡ぐ代々木八幡宮があり、緑豊かな杜の麓には今、感度の高いショップやカフェが軒を連ねている。神聖な澄んだ空気と、都会的な感性が融合するこの街には、つい訪れたくなる不思議な引力があるように思う。今回ご紹介するのは、そんなエリアにある、ジュエリーや小物のセレクトショップ『HELEN HEIJI(ヘレン ヘイジ)』。そこには、「ジュエリーは豪華絢爛で華やかなもの」という既成概念をさらりと覆す、美しいジュエリーが並んでいた。

不思議な静寂に包まれる街、代々木八幡

渋谷富ヶ谷の最寄り駅 小田急線「代々木八幡駅」。東京メトロ「代々木公園駅」も隣接
渋谷や新宿の目と鼻の先にあり、すぐ傍らを山手通りが走る代々木八幡。都会の喧騒に飲み込まれそうな立地にありながら、この街はどこか不思議な静寂に包まれている。

代々木一帯の氏神様として住民から愛される「代々木八幡宮」
静けさの核となっているのは、やはり「代々木八幡宮」の存在だろう。1212年に創建されて以来、目まぐるしく変わる東京の姿を見守り続けてきた。スダジイやクスノキ、ケヤキ、イチョウといった多層的な樹々に覆われた境内は、季節ごとに違った表情を見せてくれる。

すぐ横に山手通りが走っているとは思えない、静寂な空気に包まれている
さらに、代々木八幡宮から少し歩くと見えてくるのが、都内でも有数の規模を誇る代々木公園。東京ドーム約11個分という広大な敷地には、芝生広場や約1万8000本もの樹木、大小さまざまな噴水地が備えられ、都心の生態系を支える森林地帯として機能している。

一方で、都会らしい洗練された店々も、代々木八幡周辺や代々木上原駅方面に続く道沿いにかけて、多く立ち並ぶ。独自の製法とこだわりの素材が人気のパン屋『365日』、心地よい音楽と豆の薫りが溶け合うコーヒースタンド『Little Nap COFFEE ROASTERS』、“桃源郷のお土産菓子”がコンセプトの鮮やかな和洋菓子店『小楽園』、普遍的な日用品の美しさを説く雑貨店『LOST AND FOUND TOKYO STORE』など挙げればきりがない。独自の美学を貫く名店が、ジャンルを超えて共存しているのだ。

感度の高い10代・20代から注目を集める和洋菓子店『小楽園』
圧倒的な利便性を誇りながら、代々木八幡宮の麓の恩恵なのか澄んだ空気も味わえる。穏やかでゆとりある雰囲気と、清らかな静寂を兼ね揃えた街。歳を重ねて本質的な豊かさを知った大人たちが、このエリアに移り住んでくるというのも納得のいく話だ。

住宅街に潜むセレクトショップ『HELEN HEIJI』

数多くのジュエリーや小物が並ぶ、『HELEN HEIJI』の店内
セレクトショップ『HELEN HEIJI』は、代々木上原駅から徒歩約1分の場所にある。代々木八幡駅からも、街の空気を愉しみながら10分も歩けばたどり着く。周辺の小道を散策しながら向かうのも、この街らしい贅沢な選択だ。

地元の方しか通らなさそうな小さな路地を抜けると、ひっそりと掲げられた控えめな看板が見えてくる。マンションの一室で静かに営まれているため、気を引き締めていないと通り過ぎてしまいそうなほど、周囲の景色に溶け込んでいる。

閑静な住宅街を進むと、『HELEN HEIJI』の小さな看板が見えてくる
扉を開けた先に広がるのは、店主の確かな審美眼によって選び抜かれたジュエリーや小物たち。什器一つひとつにも店主のこだわりが感じられる店内は、まるで美しい箱庭を覗き込んでいるかのようだ。

いつもの装いをさりげなく格上げしてくれるジュエリーが並ぶ
店主の須佐見さんは、文房具メーカー直営の雑貨店で販売員として働いてきたキャリアの持ち主。オーナーである友人から声をかけてもらったのがきっかけで、オープンしたのが『HELEN HEIJI』だ。「2015年に開業して、おかげさまでこの夏で11周年になります」とのこと。

歳を重ねても愛用しつづけたい、普段着に馴染むジュエリー

店主がセレクトした『ro-ji』のジュエリー。しっくりと肌に溶け込む
『HELEN HEIJI』に並ぶジュエリーは、いわゆる“煌びやかな装飾品”といったイメージとは一線を画している。あえて艶消しされたシルバーピアス、シンプルなデザインが潔いネックレス、宝石が控えめに埋め込まれたリングなど、どこか素朴ささえ感じる洗練されたアイテムが多いのだ。

そのセレクトの背景を尋ねると、須佐見さんは自身のルーツを語ってくれた。

「ジュエリーというと、どちらかといえばフェミニンな印象のアイテムが多いもの。しかし私は昔から、メンズライクなファッションが大好きでした。私のようなタイプでも、普段着のまま自分らしく楽しめるジュエリーを提案したい。そんな思いから友人とこの店を始めました。今は1人で切り盛りしていますが、根底にあるコンセプトは今も変わりません」

カジュアルなファッションと相性のいいアイテムが多くセレクトされている
さらに須佐見さんは「ジュエリーは歳を重ねるほどに愉しみが増していくもの」だと言葉を続ける。

「大好きなメンズライクな格好も、年齢を重ねると似合わなくなることが多くなります。自分の容姿とカジュアルさが、チグハグなギャップを生んでしまうんですね。そんな時、非常に心強い味方になってくれるのがジュエリーの存在。ラフな格好をしていても、大人にふさわしい上品な印象へと仕立ててくれるんです」

店主の須佐見さんが愛用するジュエリー
ジュエリーは単なる飾りではなく、「歳を重ねても自分らしいファッションを諦めたくない」と願う人の背中を、そっと支えてくれる存在なのだ。

「自分にフィットする輝き」をじっくり選ぶ時間にこそ、贅沢がある。

店主との会話に花を咲かせながら、一つひとつ肌にのせてみる
『HELEN HEIJI』では、作家の個性に触れられる展示会やオーダー会といったイベントも定期的に開催されている。筆者が訪れた日は、京都にアトリエを持つジュエリーブランド『ro-ji』の展示会が開催されていた。

繊細でありながら、芯の強さも感じる『ro-ji』の作品
リング、ネックレス、イヤーカフ…と、手元のルーペも使いながら一つひとつ眺めてみる。すべて手作業で生み出されるという『ro-ji』の作品には、アームに刻まれた槌目(金づちで叩きながら入れる模様)や、石の表情を活かしたカッティングなど、細部に職人の体温を感じる。

『ro-ji』はイヤカフやフックピアスのバリエーションも豊富
気になったものを手に取り、肌に乗せてみる。自分の手にしっくりと馴染むひと品を迷いながら選び取る過程は、何物にも代えがたい贅沢な時間だ。「商品を選ぶ、この時間」にこそ、価値がある。そんなことを感じてしまうのも、『HELEN HEIJI』の魅力なのだと思う。

最終的に選んだのは、シルバーのアームに、継ぎ目のような18Kの飾りが施されたリング。太めのアームが存在感を放つデザインは、女性だけでなく男性にも人気だという。

購入したジュエリー。存在感のあるデザインで、夏の服装にもよく似合うとのこと
ジュエリーは、この先何年も、何十年も生活を共にする「相棒」のような存在。手元に宿った輝きを眺めていると、これからの日々が少し特別になるような高揚感に包まれた。

『HELEN HEIJI』は、2026年4月15日(水)から20日(月)まで、松屋銀座8階で開催される「銀座・暮らしの商店街」にも出店されるとのこと。この機会に、足を運んでみるのもいいかもしれない。

『HELEN HEIJI』のジュエリーは、選ぶ時間も尊く感じられる

日々の装いに自信を添える、凛としたジュエリーを身につけて

ジュエリーは決して安い買い物ではない。だからこそ、心から納得できる一品を選びたい。けれど、「格式高い百貨店のカウンターには、少し気後れしてしまう」という方も少なくないはずだ。

日々の装いにそっと自信を添える、凛としたジュエリーを身につけて
そんな時こそ、ぜひ深緑の杜に抱かれた代々木八幡を訪れてみてほしい。『HELEN HEIJI』なら、日々の装いに自信を添えてくれる、お守りのようなジュエリーに出会えるはず。この街の静かな空気の中で選び抜いたジュエリーは、長くあなたの日常に寄り添い続けてくれるだろう。

HELEN HEIJI|ヘレン ヘイジ

東京都渋谷区西原3-18-4 1F-B
TEL:03-5453-2160
営業時間:12:00~20:00
定休日:火曜日、第2・第4水曜日 ※変更の場合も有り。インスタグラムでご確認ください

https://www.instagram.com/helenheiji/