静と動のコントラストを感じる、横浜元町
粋な暮らしを叶える、うつわのセレクトショップ「altoyo」
「生活に取り入れることで満足度が上がるような、そして人から見ても『あか抜けている』と思ってもらえるようなものを選んでいます。基本的には自分の好みも入っていますが、偏りすぎないよう幅広く、作り手の技がしっかり感じられるものを取り扱っています」
「うつわって、同じ商品であっても、色や表情がそれぞれ違うんです。灰を被って模様ができたり、焼成時に色の変化が出ていたり…。なので、お客さんが一枚一枚を落ち着いて、じっくり見られる空間になるようにと考えています」
4月20日~28日には、「藤原純のうつわ展」が開催される。うつわ好きには言わずと知れた陶芸作家である藤原純さんの、独創的でエネルギッシュなうつわが店いっぱいに並ぶ予定だ。
うつわから受け取る、心地よい“余白”
あらゆるものが効率化している今、私たちは何かに対して自由に取り組むことから遠ざけられ、その環境を窮屈に感じることもある。そのような時代だからこそ「altoyo」では、生活や心の”余白”を届けることを1つのテーマにしている。
「もともと父がうつわの卸業をしていたんですが、僕は全く別の業界で働いていました。ある日、父がうつわの産地へ行くのについて行ってみたんです。その時、張り詰めた生活を送っていた当時の自分に、何か入ってくるものがあったんですよね」
「うつわの産地って、何だかゆったりしているんですよ。作家さんたちも、心に余裕がしっかりとあって、生活自体を楽しんでいるような方が多くて。人って生き方や仕事はそれぞれですが、そういった”余白”は全てにおいて大事なことだと思うんです。でも、ただ『余裕をもって生きましょう』と言われても、なかなか難しい。なので、そのような作家さんが作ったものを通して、ちょっとした”余白”を届けられたらと思っています」
うつわを選ぶポイントとは?
「僕が重要視しているのは、“手馴染み”です。持った時にそのうつわが馴染むかどうかは、手の大きさや柔らかさなどによるので、人によって違います。手馴染みが良くないものって、だんだん使う頻度が下がって、結局は食器棚の奥にしまわれがちなんですよ」
「オンラインストアもやっているので、こんなこと言うのも何なんですが(笑)、うつわを選ぶときには実際に触ってほしいですね。気になったものを、両手でしっかり持って、触ってみて…そのうえで『これがいい!』と感じたものを買っていただきたいです」
うつわに心惹かれ始めている人へ
「あまり難しく考えずに、どんどん触って使ってみてほしいですね。決して安くはないし、軽々しく使えるものではないですが、とは言え上手に使えば一生付き合えるものなので」
「そして、ぜひ生産しているところも見てみてほしいです。今は物があふれていることもあり、簡単にできているように思われがちですが…実際は流れ作業ではない、信じられないくらい難しいことをされているんですよ。Instagram で生産過程を発信している作家さんもいらっしゃるので、うつわを使って興味がでてきたら、ぜひ見てみてください」
うつわに触れ、使う。自分に立ち返るひととき
しかし、今回「altoyo」で作り手のこだわりや遊び心に触れた時間、そして悩みぬいて購入したうつわを家で使うひとときは、慌ただしい毎日の中でないがしろにしてきた私自身の感性や欲求を取り戻す感覚を教えてくれたように思う。
お気に入りのマグカップを日々使いながら、これからも自分に立ち返るための”余白”を大切にしていきたい。
altoyo|アルトヨ
営業時間:水木金 11:30〜16:00 / 土日祝 11:00〜18:00
定休日:月・火
https://altoyo.com/
https://www.instagram.com/altoyo__store/