遊びも暮らしも。ほどよい吉祥寺
吉祥寺は年齢性別関係なく多様な人たちが一日中楽しく過ごせる場所だと思う。近隣住民に自然豊かな散歩スポットとして親しまれている「井の頭恩賜公園」を筆頭に、ほどよい規模感で気軽な動物園「井の頭文化園」、地元の昼飲みおじさん達も観光のお嬢さんたちも一緒くたに並んで昼も夜もワイワイ賑やかな「ハモニカ横丁」などがあり「住みたい街ランキング」で度々上位になる人気の街だ。
高層ビルが林立する都心エリアとは違い、低層の路面店が多く、都会すぎず田舎すぎもしない。ふらっと散歩してみると、飲食店や服飾店、雑貨店など、洒落た店も点在している。
吉祥寺で筆者がついつい入ってしまうのが生活雑貨の店だ。その日の買い物スイッチがオンになってしまえば最後、日没まで雑貨店のハシゴをすることも少なくない。お目当ては、その時々でラインナップが変わる一期一会の食器たち。
ミニマリストがもてはやされるこのご時世に、私は皿の上に盛られた食材よりも皿の方にお金をかけており、買っても買っても、まだ買いたいものがある。そんな器好きの筆者が本気で推す、吉祥寺の生活雑貨の店を紹介させてほしい。
日々を豊かにする道具たち「CINQ」
季節に合わせた上質なアイテムや、海外から買い付けた珍しいキッチンツールも多く、日々のなにげない一コマが豊かになるような、暮らしの道具たちが並ぶ。
CINQ|サンク
ハモニカ横丁の中にひっそりと「octobre」
中へ入ると、暮らしになじむ落ち着いたトーンの商品が並んでおり、ナチュラルで心地良い空間だ。さらに嬉しいのは、手頃な価格帯のモノが多いこと。他では手に入りにくい国内作家の器も扱っており、コレクターも多いという。
octobre|オクトーブル
電話番号 0422-22-6569
営業時間 11:00〜18:00
定休日 不定休
https://www.instagram.com/octobre_zakkashop/
和の古道具の魅力再発見「吉祥寺pukupuku」
骨董と聞くと難しいイメージがあるかもしれないが、店内には商品の年代や特徴を記した手描きポップもあり、初心者も気楽に選ぶことができる。
和食器に盛り付けるのは和食が基本といった固着観念は捨てて、自由に楽しんでみてはいかがだろうか。和食器は、意外とカレーやパスタなどの洋食にも映える。
吉祥寺pukupuku|プクプク
モノのストーリーを聞く「Tsubame Märkt」
小さな店内には、古くてチャーミングなアイテムが心地よく置かれている。旅と歴史が好きなオーナーから、それぞれのアイテムが持つストーリーを聞いてみて。
興味を惹くモノを見つけたら、店主に話を聞いてみよう。きっとそのモノにまつわる素敵なストーリーが聞けるはずだから。
Tsubame Märkt|ツバメ・マルクト
手仕事のゆらぎが魅力の器たち「kahahori」
手仕事のゆらぎが感じられる国内作家のアイテムを扱い、1,000円台から少し高価なモノまで幅広いラインナップが揃う。上品な佇まいの中に、個性が感じられる逸品揃い。
作家モノの食器となると、さぞお高いのかと気構えてしまうが、実はかなり手頃な作品が多い。店のコンセプトは「手に届く身近な贅沢」。まさにそのコンセプトそのままの買い物体験ができる店なのだ。
なお、店の所在地近くの末広通りも散歩道としておすすめ。ギャラリーや喫茶店など、落ち着いた店が点在しているのでぜひ。
kahahori|カハホリ
電話番号 0422-90-7081
営業時間 12:00~19:00
定休日 不定休
https://www.instagram.com/kahahori/
好奇心を刺激する暮らしの道具たち
この取材をしながら、ちゃっかり仕入れにも精を出し、いくつかの器と暮らしの道具をお迎えした。この日の収穫はマッシュルーム専用ナイフ。なぜ、マッシュルーム限定のナイフが存在するのだろうか。そこにはきっと独自のストーリーがあるに違いない。
知らない土地。知らない時代。知らない作り手。好奇心を刺激してくれる実用品たちとの出逢いは一期一会。その佇まいが自分の日常の景色の一部になり、好きなモノに囲まれる多幸感に繋がっていく。
さあ、ここまで書いておいて、私は少し後悔している。本当は人に知られたくないくらい大好きな店ばかりだから。