「SAFETY(安全で、安心する)」「SENSE(センスが刺激される)」「PRACTICAL(実用的で使いやすい)」という、3つの価値の追求をコンセプトにし、トーシンパートナーズが提供するマンションブランド「ZOOM」シリーズは、「Gマーク」で広く知られる「グッドデザイン賞」を2014年度より10年連続・計16棟で受賞。そのほかにも、国内外の代表的なデザイン賞や建築賞において次々と受賞・選出を果たしている。今回は2023年に受賞した3棟の物件をご紹介する。
2023年グッドデザイン賞を受賞した3棟のZOOMマンション
グッドデザイン賞とは、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨のしくみで、1957年の創立から60年以上にわたり、デザインによって暮らしや社会をより良くしていくために活動してきた。これまでの受賞総数は約50,000件。有形無形に関わらず、理想や目的を果たすために築いたものごとすべてを「デザイン」の領域とし、人、社会そして未来を豊かにすることを評価基準としている。
グローバルな認知度も高く、世界45の国と地域から応募デザインが集まるほど、国際的なデザイン賞としても注目度が高い。国内外の第一線で活躍するデザイナーや建築家などの専門家、約90名が審査を行い、評価を受けられるため、受賞対象のプロダクトやサービス、企業の信頼性の向上、差別化に繋がっている。
デザインによる課題解決や、人や社会への意義を重視する賞であるため、これからの社会をよりよくするデザインであることの証となる。
ZOOM荻窪
ZOOM荻窪は、賃貸集合住宅の市場として、量産化される住戸の価値を見直し、プランニングと空間表現といった評価軸を与えることを目指してデザインした。
たとえば、隅々までディテールにこだわりミニマルな空間を追求した結果、住む人々の多様な個性を受容できる住戸として価値を高めることを実現している。
周辺環境への配慮も特徴のひとつ。建物周辺の敷地は古くから低層住宅が立ち並ぶ地域であり、大きな建物があることで周囲に対して圧迫感を与えてしまう。この解決策として打ち出したのが、圧迫感を軽減させるスラブデザインだ。外壁面から持ち出された形のスラブによって、大きな建物がそそり立つような見え方にならず、圧迫感を軽減させる効果をもたらした。機能的にもメリットがあり、壁面への汚れがつきにくく、美観を維持しやすくなっている。
ZOOM戸越銀座
ZOOM戸越銀座は、下町情緒が残る戸越銀座商店街にほど近い物件であり、低層住居が立ち並ぶ周辺とのボリューム差を軽減させるための手法を取り入れている。スラブ(*1)と壁色の操作によって水平性を強調し、バルコニーの手すりは階層によって角度を変化させ、プライバシーへの配慮と表情のあるファサード(*2)を形成した。日照計算のために3階〜5階までがくびれており、有機的な形状を利用した間取りのバリエーションを実現している。
*1:鉄筋コンクリート造の建築物における床の荷重を支える構造床
*2:建物を正面から見たときの外観
ZOOM神宮前
国立競技場、神宮外苑のある豊かで都市性あふれる環境にあるZOOM神宮前。1階の共用エントランス周辺の剰余スペースは、ギャラリーや打ち合わせコーナーとして利用できる開放的な空間とし、街に対してそのアクティビティを公開した点が特徴だ。
また、東京の中でもアパレル、出版、アート関係のオフィスが多く、文化を創造する人々の集まる街である環境を加味し、様々なライフスタイルへの対応や、SOHO利用も兼ねた多様な住まいを想定し、プランニングしている。
グッドデザイン賞2023受賞「ZOOM荻窪」へ行ってみた!
2023年度グッドデザイン賞を受賞した物件のひとつ「ZOOM荻窪」は、周辺環境に配慮した外観デザインや、賃貸物件にありがちな細長の住戸を活かす内部プランが審査員に評価された。実際に現地に赴き、居室を見ながらその魅力をご紹介する。
直線的かつ都会的な外観が印象的なZOOM荻窪。エントランス部分は有機物を組み合わせ、素材感にもこだわりを感じられる。グッドデザイン賞のプレートもさりげなく配置されており、出入りする際にもちょっぴり誇らしい気分になりそう。
共用部はミニマルデザイン。すっきりとして無駄がないだけではなく、機能的にも細やかな配慮がなされている。
デザイン性だけでなく機能性も重視されていることが窺える。たとえば、メールボックスの手前には、荷物を置くことができるスペースや、チラシなどの不要な紙類を捨てられるゴミ箱を設置。日々の生活をおくる上で、小さなこだわりを積み重ねるように、さまざまな工夫がなされている。
こちらは1階共用廊下。白い壁にシンプルなドアが並ぶアプローチに、重厚なウォールが宙に浮くようなデザインの仕切壁と間接照明が存在感を放っている。
セキュリティ面も万全だ。エレベーターにはキーをかざさないと入ることができない上に、住居階にしか停まらない仕組みになっている。居室もスマートロックが採用されており、二重の安心感がある。
今回ご紹介するのは1LDK(40.97㎡)タイプのお部屋。入口ドアから居室側を見渡すと、奥の方までかなりの奥行きがあるように感じられる。
写真左奥のドアが入口側通路に繋がっており、部屋に入ると長いキッチンカウンターが中央に設置されている。これは料理好きには嬉しい間取りに違いない。奥に3口ガスコンロ、手前は椅子などを置けばダイニングスペースとして活用することもできる。
こちらはリビングスペース。DKからシームレスにつながっているため、一人暮らしには十分すぎるほどの広さを感じられる。さらに、右手の壁は可動扉になっており———
扉を閉じれば部屋を分けることができ、開けば広々としたSTUDIOタイプにも。
この扉にも嬉しい工夫がなされている。
可動扉は壁の中にすべて収納することができるのだ。DK(ダイニングキッチン)とつながり、さらに広々とした空間として使うことができる。デフォルトで設置されている真っ白のブラインドから差し込む陽の光が心地よい。
さきほどの可動扉を収納した壁には、フラットな扉がついている。開くとWICになっている。これがなかなかの広さで、テレワークの方が書斎として活用する方もいるほど。
住む人のライフスタイルに合わせられる自由な間取りが魅力であるほか、細部のディテールにまでこだわっているのも特徴だ。
天井のライン照明はキッチンからリビングまで一直線に埋め込まれており、リビングスペースとキッチンスペースとで分けて調光が可能。ドアノブもアルミ無垢棒をカット・面取りし、シンプルさを際立たせた。ドアや建具は蝶番などが見えないように配慮し、ミニマルな空間表現が実現している。
これから、この部屋に住む人はどのような人だろうか。
シームレスで直線的なこの部屋は、まるで真っ白なキャンバスのよう。広々とした白い空間は、シンプルor個性的、どんなインテリアスタイルもしっくりと馴染んでくれるに違いない。
ZOOM|LIFE DESIGN APARTMENT
CURATION BY
料理とアートが好きなコラムニスト&写真家。
毎日、都内をぐるぐる歩き回っていますが、本当はインドア派。
映画を観ながら、作品に合わせた外国の料理を楽しむことにハマっています。