Vol.759

MONO

26 MAY 2026

飲むだけではないお茶の楽しみ方。香りで味わうMariage Frères

紅茶は、私たちにとってコーヒーや日本茶と並んで親しまれている存在だ。朝の一杯や、ひと息つきたい午後の時間。カップの中にひろがる香りとともに、その時間を味わう。Mariage Frèresが提案するのは、紅茶を“飲む”だけにとどまらない楽しみ方。茶葉の香りのイメージを元に作られたお香は、味覚ではなく嗅覚を通して、お茶の世界を空間へとひろげていく。

フランスを代表する紅茶ブランド Mariage Frèresとは?

食卓に気品を与えてくれる黒い缶が特徴的なMariage Frères
Mariage Frèresは、1854年にフランス・パリで創業した、フランスを代表する老舗紅茶ブランドである。世界35か国以上から厳選した茶葉を取り扱い、“フランス流紅茶芸術”を築いた存在としても知られている。

おやつとともにMariage Frèresのお茶を楽しむ
黒を基調としたシックな店舗デザインや、クラシカルな茶缶のデザインもブランドの象徴のひとつであり、紅茶を“飲み物”としてだけではなく、美意識を伴う文化として提案してきた。また、紅茶販売にとどまらず、サロン ド テ文化を展開している点も特徴だ。

MARCO POLO
そのMariage Frèresを代表する銘柄が「MARCO POLO(マルコ ポーロ)」である。500種類を超える紅茶を展開する同ブランドの中でも、特に人気の高いフレーバード ティーとして知られており「マリアージュ フレールといえばマルコ ポーロ」と言われるほどの看板商品。

マルコポーロは、ベリーや花、果物を思わせる甘く華やかな香りが特徴の紅茶である。アジアの花や果実の香りに、ハチミツやバニラ、キャラメルを想起させるなめらかで優しい香りが重なり、“香りを楽しむ紅茶”として世界中の紅茶愛好家を魅了してきた。

その名の由来となったのは、かつてフビライ・ハンに仕えた探検家マルコ・ポーロ。異国への憧れや旅の記憶を思わせる幻想的な香りは、フレーバード ティーの神話とも称されている。

お茶を“香り”として楽しむという発想

Mariage Frèresのお香
Mariage Frèresでは、紅茶だけではなく、お茶の香りをもとにしたお香も展開している。
その特徴は、お茶をイメージして調香された優雅で穏やかな香りである。香水のような自己主張は強くなく、空間に静かに溶け込むような優しい香りを立ち昇らせる。

左・「THÉ DE LUNE(テ ドゥ ルヌ)」、右・「THÉ APRÈS L’ORAGE(テ アプレ ロラージュ)」
Mariage Frèresのお香は、それぞれに“物語”が込められているのも魅力のひとつだ。

今回手に取ったのは、「THÉ DE LUNE(テ ドゥ ルヌ)」と「THÉ APRÈS L’ORAGE(テ アプレ ロラージュ)」の2種類。

「THÉ DE LUNE(テ ドゥ ルヌ)」は、“月光のお茶”と名づけられたお香で、満月に照らされた茶畑をイメージしている。湿った大地やお茶の木の樹皮の深み、そこにほのかに甘いこはくの香りが重なることで、神秘的で洗練された空気感を生み出しているそうだ。少し華やかさがありつつも、お香らしく、神経を鎮めてくれる落ち着きも感じさせる香りだ。

一方の「THÉ APRÈS L’ORAGE(テ アプレ ロラージュ)」は、“雨上がり”をテーマにした香りである。雨を含んだ大地の香りが感覚をゆっくりと呼び覚まし、空間をみずみずしく心地よい香りで満たしていく。

思わず一本一本大切に楽しみたくなる、美しいパッケージ
他にも、“禁断のお茶”をテーマにした「THÉ INTERDIT(テ アンテルディ)」や、“墨跡のお茶”を意味する「ENCRE DE THÉ(アンクル ド テ)」など、さまざまな香りが展開されている。それぞれ紫禁城の記憶や絹の光沢を思わせる官能的な香りや、熱いお茶と濃密な墨を重ねた静かな書斎のような香りなど、異なる物語性が込められている。

どのお香にも共通しているのは、“はるか異国の地への旅”を思わせるロマンのある世界観。さまざまな木々の芳香と茶葉の香りを重ね合わせることで、Mariage Frèresが追い求める壮大なお茶の世界が表現されている。

穏やかな香りが、忙しない毎日に余白をくれる

気持ちを落ち着けてくれるお香の香り
キャンドル、ルームスプレー、ルームフレグランスなど、部屋を香りで満たしてくれるアイテムはさまざま存在している。けれども、お香にしかない良さがあるように思う。

まず、火を灯した後、香りが立ち昇るまでの間。ゆっくりと昇ってゆく繊細で細い香煙に、つい目を奪われる。この儀式のような時間に、心は静けさを取り戻すことができるのだ。

また、華やかさや清々しい香りの奥に静かに佇むように存在しているお香ならではの香りは、どこか懐かしさを感じさせる。忙しない日々で疲れた神経を日常の雑念から遠ざけてくれるとともに、不思議な安心感ももたらしてくれるのだ。


玄関にお気に入りの香りを置いて、自分を出迎える

玄関で焚けば、自分を出迎える最高の時間に
仕事の終わりや都会の雑踏に疲れて帰宅したとき、Mariage Frèresのお香は、お茶を飲む時間とはまた違った形でリラックスタイムを与えてくれる。ダイニングやリビングでゆったりと香りを楽しむのはもちろん、玄関や洗面台などに取り入れるのもおすすめだ。

例えば玄関にお気に入りの香りを置けば、ドアを開けた瞬間にやわらかな香りがひろがり、自分自身を静かに出迎えてくれる空間に。外の空気から気持ちを切り替え、家で過ごす時間へと自然に意識を戻してくれる。

湿気がこもりがちな洗面台で焚くと、気持ちをリフレッシュさせてくれる

また、洗面台まわりで香りを楽しむのもおすすめだ。朝の身支度や夜のスキンケアの時間にお香を焚くことで、何気ない日常の動作にも静かな余白が生まれる。

雨上がりを詩的に彩る香りとお茶

グリーンともクリーム色とも言い切れない、淡く繊細な色が美しい
お茶とともに香りを楽しめるのも、Mariage Frèresならでは。例えば「THÉ APRÈS L’ORAGE(テ アプレ ロラージュ)」は、同じ名前のお茶も販売されている。

お香と同じく “雨上がり” を意味するこのお茶は、雨の後に漂う湿度や澄んだ空気感を思わせる繊細な香りが特徴。フレッシュな香りを持つ白茶「インゼン」をベースに、メンソールや白い花、オレンジの花の香りが重なり合い、静かで透明感のある余韻を生み出している。やさしい飲み心地でありながら、後味はすっきりとしており、雨の日の憂鬱な気持ちを気持ちよく洗い流してくれる。

「THÉ APRÈS L’ORAGE(テ アプレ ロラージュ)」とお茶と「THÉ DE LUNE」のお香
さらにおすすめしたいのが、「THE APRES L’ORAGE」のお茶とお香をセットで楽しむこと。同じ香りを“飲む”だけではなく、“空間にもひろげる”ことで、より深い没入感を味わうことができる。

カップから立ち上る湯気と、お香が静かにひろがる空気が重なり合うことで、まるで雨上がりの庭園にいるような感覚に包まれる。“飲む香り”と“空間の香り”が響き合う体験は、Mariage Frèresならではの楽しみ方と言えるだろう。

雨で塞ぎ込んだ気持ちをすっきりさせてくれる

お茶の楽しみ方は、ただ“飲むもの”だけではない。その奥行きある香りを通して、空間や気分を整え、暮らしそのものに静かな余白を与えてくれる。

だからこそ、一度 “香りを楽しむため” にMariage Frèresのお香を手にとってみてほしい。優雅で落ち着いた香りを玄関やリビングに漂わせるだけで、家で過ごすいつもの時間が、少し特別なものへと変わっていく。

お香を通して、お茶の時間をさらに豊かなものへとひろげていく。Mariage Frèresは、そんな新しいお茶の楽しみ方を提案してくれるのだ。

Mariage Frères

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