Vol.636

MONO

21 MAR 2025

お湯をコントロールしておいしくドリップ。KINTOのプアオーバーケトル

自宅でおいしいコーヒーが飲みたい時は、ハンドドリップで淹れることが多い。このハンドドリップでは、お湯の注ぎ方が味わいを決める大切な要素になる。注ぐお湯の量やスピードによって、同じコーヒー豆でも味に違いが生まれるのだ。「KINTO」の「プアオーバーケトル」は、お湯の調節がしやすいドリップポット。こだわりの形状が注ぎやすさを向上させている。そんなプアオーバーケトルの魅力とおいしく淹れるコツを紹介したい。

おいしくハンドドリップするにはお湯のコントロールが欠かせない

コーヒーを抽出する時間も楽しめるハンドドリップ
淹れたてのおいしいコーヒーを自宅で好きな時に味わえるハンドドリップ。インスタントコーヒーのように「サッと粉を溶かせばすぐに飲める」のではなく、ゆっくりじっくりお湯を注いでいく時間そのものを楽しめるのも魅力だ。

そもそもハンドドリップとは、ドリッパーにフィルターをセットし、挽いたコーヒー豆を入れたらお湯を注いで抽出する方法。その過程によって味わいに変化をつけられるのが特徴で、特にテクニックが問われるのはお湯の注ぎ方だろう。

ドリップする際に注ぎ入れるお湯の量やスピードが変わることによって、コーヒーとお湯の触れ方が変わる。そうすると、抜き出される成分にも変化が生まれ、その結果できあがりの味が変わってくるのだ。もちろん、コーヒー豆の種類や挽き方によっても味に違いが生じるが、ハンドドリップの上達を目指すなら、お湯の注ぎ方に注目するのがおすすめだ。

注ぎ口の太いやかんだとお湯がドバっと出てしまう
ハンドドリップはドリッパーとフィルターさえあれば、気軽に始めることができる。そのため、初心者は普段使いのやかんや電気ケトルからそのままお湯を注いでいるかもしれない。実際、筆者もハンドドリップを始めたころは電気ケトルからドリッパーに直接お湯を注いでいた。

しかし、注ぎ口の太い電気ケトルや大きなやかんは、お湯がドバっと出てしまったり、狙った場所にお湯を注げなかったりとハンドドリップでは使いにくい。お湯の注ぎ方を失敗してしまうと、せっかくのコーヒー成分が抽出しきれず、味が薄くなってしまうこともある。

コーヒー本来の味わいを引き出すためには、少しずつ丁寧にお湯を注いでいくことが大切。そのためには、ぜひともドリップポットを揃えておきたい。

お湯を上手に注ぐためにドリップポットを揃えよう

いろいろなコーヒー道具を集めるのも楽しみの1つ
ハンドドリップで使う道具には、ドリッパーやサーバー、フィルターなどさまざまな種類があり、これらを集めるのもまた楽しみの1つといえるだろう。筆者もハンドドリップを始めたきっかけの1つは、おしゃれなコーヒー道具を揃えたくなったからだ。その中でも、コーヒーのおいしさを求めるならドリップポットにこだわりたい。

先にお伝えした通り、ハンドドリップではお湯の注ぎ方でコーヒーの味わいが変わる。お湯を上手にコントロールして注ぐためには、ドリップポットがあると便利だ。

ドリップポットとは、注ぎ口が細くてお湯を少量ずつ注げるコーヒーのためのポット。本体を傾けるとお湯が途切れず出てくるようになっていて、注ぎたいお湯の量やスピードを手元で調整しやすい特徴がある。やかんや電気ケトルに比べて軽量なので、取り回しやすいのもメリットだ。

電気ケトルで沸かしたお湯はドリップポットに移し替えることで適温に
コーヒーをおいしく抽出するのに最適な湯温は約90~95℃で、沸騰したてでは温度が高すぎる。この時、沸かしたお湯をドリップポットに移すことで適温に下げられるのも大きなポイントだ。ハンドドリップでいつも電気ケトルから直接お湯を注いでいる人は、ぜひドリップポットに移し替えてみてほしい。

KINTO|プアオーバーケトルならお湯が扱いやすい

手にフィットするハンドルとお湯を細く注げるノズルが魅力
ドリップポットと一言でいってもいろいろな商品がある。その中で、筆者が愛用しているのが「KINTO」の「プアオーバーケトル」。キッチン雑貨メーカーであるKINTOは、スタイリッシュで機能的なコーヒーウェアやティーウェアを多く取り扱っている。そんなKINTOのプアオーバーケトルは、ステンレス製のコンパクトなドリップポットだ。

フラットな形状のハンドルは独特のカーブを描いていることで手にフィットして握りやすく、熱湯を入れてもハンドルは熱くならないので安心。そして、ゆるやかに伸びる注ぎ口は湯量やスピードをコントロールしやすく、狙った位置にお湯が途切れることなく落とせるよう設計されている。

本体を少し傾けるだけでお湯を細く落とすことができ、湯切れもスマートで垂れることがない。そのため、特別な技術がなくてもお湯がコントロールしやすくなり、ハンドドリップ初心者にもおすすめのポットともいえるだろう。

コンパクトサイズで手が疲れることなくお湯を注げる
容量430mlとコーヒー1~2杯分のお湯が入るサイズで、手のひらに乗るほどのコンパクトさも特徴。初めて見た時は筆者もとても小さいと感じた。しかし、実際に使ってみるとこの容量がとても扱いやすい。

まず普段の生活で、3~4杯のコーヒーを一気にハンドドリップすることがないため、容量不足は感じない。また、2杯分のお湯を入れたとしても重たくならないので、手元がブレることなく注げて、手や腕も疲れない。

コンパクトなサイズは収納場所にも困りにくく、軽量なのでS字フックなどに引っかけて収納することもできる。ステンレス製のシンプルながらスタイリッシュなデザインなので、「見せる収納」としてキッチンのオープン棚などに置くだけでもサマになる。

ハンドドリップ以外にも観葉植物の水やりに便利
また、筆者は観葉植物に水やりする時のジョウロとしても活用している。水を思ったところに狙って注げるため、周囲にこぼさずに済んでとても便利だ。室内管理している植物に水やりする際は、周りにこぼしてしまうと拭き取り掃除が手間になるため、水を細く静かに注げるこちらのポットはとても使いやすい。小さい鉢の場合は、水を与えすぎることもない。

プアオーバーケトルでハンドドリップしてみよう

ハンドドリップに必要な道具を揃えてみよう
実際にプアオーバーケトルを使ってハンドドリップする様子を紹介したい。コーヒーミルを持っていない場合は、ペーパードリップ用に挽いた粉を準備しよう。用意する道具は以下の通り。

ドリップポット(プアオーバーケトル)・ドリッパー・ペーパーフィルター・サーバー・カップ・コーヒー豆・コーヒーメジャー

ペーパーフィルターの接着面を折ってからドリッパーにセット

フィルターをドリッパーにセットする

ドリッパーとフィルターの間に隙間ができるとコーヒーが均一に抽出されにくくなる。そのため、ドリッパーの形状に合ったフィルターを使うのが大切。こちらは円錐形だ。また、セットする時はフィルターの接着面を折って、しっかりフィットさせるのがポイント。

トントンと落として粉の表面を平らにする

ペーパーフィルターにコーヒー粉を入れる

コーヒーメジャーを使ってコーヒー粉を測り、フィルターに入れる。そのままの状態だと粉が山なりになってコーヒーが均一に抽出されにくいので、トントンと静かにドリッパーごと落として粉の表面を平らにならす。

沸かしたお湯はドリップポットへ移し替える

お湯を沸かしたらドリップポットに移す

やかんや電気ケトルで沸かしたお湯をドリップポットへ移し替え、抽出に適温な90~95℃程度にする。この時、サーバーやコーヒーカップにもお湯を入れて温めておくと、コーヒーを注いだ時に冷めにくい。

最初にお湯を少しだけ注いで粉を蒸らすのがポイント

少量のお湯を注いでコーヒー粉を蒸らす

ドリッパーをサーバーの上に乗せ、粉全体にお湯が含まれる程度の量をそっと注ぐ。粉が膨らんだら20秒ほど蒸らす。コーヒーに含まれるガスが抜け、成分を引き出しやすい状態にする。

「の」の字を書くようにゆっくりと細くお湯を注いでいく

お湯をゆっくり注いで抽出する

フィルターの中心あたりで「の」の字を書くようにお湯を注ぐ。低い位置からゆっくりと静かに注ぎ、粉をかき回して荒れないようにするのがポイント。

ドリップが終わったらカップに注いでコーヒータイムへ

コーヒーカップに注いで、できあがり

抽出が終わったら温めておいたカップにコーヒーを注げば完成。至福のコーヒータイムを味わおう。

お気に入りの道具でコーヒーを淹れる時間をもっと楽しみたい

ドリップポットでおいしいコーヒーを淹れよう
ハンドドリップは、広がるコーヒーの香りや水滴がポタポタ落ちる音など、五感で楽しめるのも魅力だ。お湯を細く静かに注いでいく時間もまた、普段の忙しさを忘れさせてくれる。そんなコーヒータイムを作るために、ぜひお気に入りのドリップポットを見つけてみてほしい。筆者はこれからもこのプアオーバーケトルで、思いのままにドリップする時間を楽しんでいきたい。

KINTO|プアオーバーケトル

430ml ステンレス ¥3,850(税込)
https://kinto.co.jp/products/20364