キーボードについて考えてみる
わざわざキーボードを買う人はどんな人だろう。タブレット用として?ゲーム専用として?パソコンマニアが?キーボードはパソコンを買ったらついてくるもの、という認識があるかもしれない。だが、私は寝具と同じように、人生の3分の1を共に過ごすもの、として捉えている。そんな人生の時間の多くを接するキーボードに、もっと目を向けてみたいと思う。
なぜ私はHappy Hacking Keyboardなのか
心地よさとキーボードは結び付きにくいかもしれないが、7時間もの長い時間、なるべくストレスを少なく、心地よく過ごしていたい。そのため、使っていて気持ちの良い道具を使い続けていたい。
まず、「打ちやすさ(打鍵感)」だが、これは“肩こり”と“作業時間短縮”に直結する。近年では、薄いキーボードが流行しているが多くの場合、跳ね返りが少なく長時間使っていると指先が疲れてくる。また、キーを奥まで押し込まないと入力できない。それを解決するためHappy Hacking Keyboard (以下HHKB)では「静電容量無接点方式」を採用している。詳しくは述べないが、長時間キーボードを打つにあたって疲れにくい仕組みでキーボードを作っている。また、配列や角度にも徹底的にこだわって作りこまれていることが分かる。
そして、大事な心地よさだが、キーボードに関する気持ちよさのファクターは実は2つある。「タイプの音」と「キータッチの感触」だ。タイプの音については下の動画を見ていただきたい。一般的なキーボードの場合、パチパチという音になる。だが、HHKBの場合、まるで高級な自動車のドアを閉めるときの音のような、優しくしっとりとした音色だ。奥行きがある音なので、思考のテンションがさらに上がるようなタイプ音が続く。
【公式】HHKB ASMR -キーボードタイピング音(Keyboard Typing Sounds) Happy Hacking Keyboard Type-S
思考のスピードでタイプする
万年筆の場合、万年筆と手がキーボードになり、思考がメモ帳に出力される。
会話の場合、声帯がキーボードとなり、それが声として出力される。
コミュニケーションを行う場合、常に何かしらのインターフェイス/デバイスを使用して思考をアウトプットしているのだ。逆に「気持ちよくないアウトプット」とはなんだろうか?
例えば、アプリケーションの立ち上げが遅い場合、あなたはイライラしないだろうか?
例えば、電話で相手の声がよく聞き取れないとき、あなたはイライラしないだろうか?
思考の流れを追ってみよう。思考は、脳から手に命令が行く。次に手からキーボードやペンに命令が行く。そして、モニターや紙に思考が出力される。これが一般的な流れだ。この流れがスムーズであればあるほど、気持ちよくできているらしい。書きやすいペンで気持ち良さを感じるのは、そういったところにもある。逆にアイデアが浮かんでいるのにインクが切れていたり、パソコンがフリーズしたりすると、不快感を感じることだろう。
どうやら人間は、“思考するスピード”と“コミュニケーションのスピード”がずれている場合、ストレスを感じるようになっているらしい。
本題に戻ると、HHKBは、思考を邪魔しないスピードを持っている。それは、元々コンピュータ科学者で東京大学名誉教授の和田英一氏が開発のスタートとなり、プログラマー向けに設計されていることが起因しているかもしれない。タイプミスの少なさ、キーボード配列の妙、手の移動の少なさ、全てがタイプスピードを上げるために設計されている。HHKBを使うとき、思考がスラスラと文字として表現される感覚に陥る。とは、言い過ぎかもしれないが、そう感じさせるプロダクトである。
いかに機能的に働くか
これはキーボードだけに限ったことではない。人は道具に合わせて生きるべきではない。道具を人に合わせていくことが、ストレスフリーの時間を送ることに繋がるのではないだろうか。私は自分が接する時間の中で、長く接するものほど熟考し最適なものを購入するようにしている。
人生に一度のキーボードとの出会いを
Happy Hacking Keyboard(HHKB)
公式サイト:https://happyhackingkb.com/jp/
ショールーム:https://happyhackingkb.com/jp/showroom/