Vol.383

KOTO

18 OCT 2022

花手水とは何?おすすめの寺社6選と自宅での作り方も紹介

「花手水」という言葉を聞いたことがあるだろうか?「はなちょうず」や「はなてみず」と呼ばれるこの言葉の「手水」とは、もともとは寺社で手を清める行為の1つであった。花手水は感染症予防や写真映えする花々の美しさが絡んで、新たな癒やしスポットとして注目を集めている。ここでは、花手水に関する基本情報とともに、花手水を見られるおすすめの寺社と自宅での作り方について解説する。

花手水とは?概要や発祥などの基本情報を紹介

手水舎の水に花を浮かべた花手水
まずは、花手水に関する概要や歴史、発祥について解説する。

花手水の概要

花手水とは、寺社にある手を清めるための施設「手水舎(ちょうずや・ちょうずしゃ・てみずしゃ・てみずや)」の水が入った鉢に、色とりどりの花を浮かべることだ。といっても、こうした意味になったのは最近のことで、歴史をさかのぼると、もとは「近くに手水舎がないときに、草花や葉についた朝露で手を清めること」を指していた。

一般的に、手水舎には水を溜めた鉢と柄杓(ひしゃく)が置かれており、参拝者は参拝前に自分の手や口を清める。基本的なマナーは以下の通り。

1. 右手に持った柄杓で水をくみ、左手を清める
2. 左手に持ち替えた柄杓で右手を清める
3. 右手に持ち替えた柄杓から、左手に水を溜めて口を清める
4. もう一度左手を清める
5. 柄杓の持ち手を清める

このように、手や口を清めるために設けられた手水舎だが、感染症予防のために参拝者の使用を控える寺社が出てきた。見た目の美しさだけでなく、手水舎が使えないという背景もあり、花手水を行う寺社が増えている。

花手水の発祥

手水舎に花を浮かべる花手水の発祥は、京都の柳谷観音楊谷寺(やなぎだにかんのんようこくじ)である。2017年から、手水舎に紫陽花をはじめとする季節の花々を浮かべたところ、その美しさが評判となり、次第にほかの寺社にも広まっていった。

花手水発祥のお寺として知られる柳谷観音楊谷寺では、毎月17日に「押し花朱印つくり」が開催されている。押し花をあしらった、世界で1つだけの御朱印をつくれると人気のイベントだ。

住所:京都府長岡京市浄土谷堂ノ谷2
参拝時間:9~17時(最終受付時間:16時30分)
拝観料:通常期500円、ウイーク開催時700円(高校生以下は無料)
公式サイト:https://yanagidani.jp/

花手水が見られる関東の寺社3選

色鮮やかな花が浮かんだ様子がSNSで人気に
花手水が見られる寺社は全国各地にあるが、まずは関東でおすすめの寺社を3つ紹介する。

鶴岡八幡宮(神奈川)

鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝とゆかりがあり、鎌倉の有名スポットの1つである鶴岡八幡宮。桜や紅葉の名所として知られ、鳥居や太鼓橋などの見どころがたくさんある。コロナ禍のみ不定期に花手水を行っており、これまでに紫陽花・ひまわり・ガーベラなどが使用されていた。タイミングが合えば、歴史を感じられる寺社の中で花々の彩りも楽しめるだろう。

住所:神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-31
参拝時間:6~20時30分
拝観料:無料(境内)、大人200円・小人100円(宝物殿)
公式サイト:https://www.hachimangu.or.jp/

行田八幡神社(埼玉)

癌やぼけ、虫などさまざまなものを封じるご利益があると有名な行田八幡神社。こちらでは、2020年4月から境内での花手水がスタートした。さらに、神社がある行田市内の商店や民家の軒下でも花手水が飾られる「行田花手水week」というイベントも、毎月期間限定(11月と1月:15日~末日 それ以外:1日~14日)で開催されている。「行田花手水week」とタイミングを合わせて参拝すれば、さまざまなタイプの花手水が見られるだろう。

住所:埼玉県行田市行田16-23
社務受付時間:参拝は終日可能(祈願受付時間:10~12時、13~16時)
拝観料:無料
公式サイト:https://www.gyodahachiman.jp/

下谷神社(東京)

奈良時代の730年に創建され、都内で最も古い「お稲荷様」として知られる下谷神社。毎月1日に新しい花に入れ替わっており、四季折々の花はもちろん、夏には七夕の短冊やヨーヨーを浮かべるなどの遊び心もある花手水が見られるのが特徴だ。さらに、下谷神社では季節に合わせた限定御朱印をいただけるため、訪れた記念にもなる。花手水や限定御朱印については、公式Instagramで確認できる。

住所:東京都台東区東上野3-29-8
参拝時間:9~16時
拝観料:無料
公式サイト:https://shitayajinja.or.jp/
公式Instagram:https://www.instagram.com/shitayajinja/?hl=ja

花手水が見られる関西の寺社3選

紫陽花は絶妙なグラデーションを生み出す
ここでは、関西にある花手水を見るのにおすすめの寺社3つを紹介する。

野見神社(大阪)

10世紀末に高槻城内の守護として尊崇を受けた「牛頭天社」が、明治時代に「野見宿禰命(のみのすくね)」を合祀し、現在の野見神社となった。現在は高槻の鎮守様として参拝される野見神社では、近くの商店街に店を構える「石田花店」からの奉納を受けて花手水が行われている。花のプロが整えているだけに、その美しさと配色は圧巻だ。

住所:大阪府高槻市野見町6-6
参拝時間:参拝は終日可能
拝観料:無料
公式サイト:https://www.nomijinja.jp/

般若寺(奈良)

飛鳥時代に高句麗の法師によって開かれた般若寺。平家による焼討や室町・戦国時代の戦火、明治時代の廃仏毀釈などの苦難を乗り越え、現在では四季折々の花が咲く寺として知られるようになる。特にコスモスが有名で、「コスモス寺」という愛称がつくほど。このように花との縁が深い般若寺では、コスモスや紫陽花、スイセンなどの花手水を楽しむことができる。紫陽花の花手水はガラスの鉢に生けるという珍しいタイプで、「紫陽花ガラスボール」と呼ばれている。

住所:奈良市般若寺町221
参拝時間:9~17時(1・2・7・8・12月:9~16時)
拝観料:大人500円、中・高生200円、小学生100円
公式サイト:http://www.hannyaji.com/

藤竝神社(和歌山)

水主の神(泣沢女神)と、学問・出世の神様菅原道朝臣を主祭神とする藤竝(ふじなみ)神社。弥生時代後期(西暦147年)武内宿称が勅命を奉じて水主神を勧請、平安時代(西暦980年)紀伊国司菅原有忠郷が霊夢を感得され、山城国の北野天満宮から菅原道真の霊を勧請・合祀。明治時代に藤竝村内の34社を合祀することで、現在の藤竝神社となった。この神社では、毎年6月1日から紫陽花の花手水が約1ヵ月行われる。水に浮かぶ色とりどりの紫陽花が、季節を感じさせてくれるだろう。鳥居を入ってすぐ右側には、県指定文化財の泣沢女古墳もあるため、そこも見どころの1つ。

住所:和歌山県有田郡有田川町天満722
参拝時間:-
拝観料:無料
公式Instagram:https://www.instagram.com/fujinamijinja_official/?hl=ja

花手水は自分でも作れる?

花手水を自分で作れば、自宅でも楽しめる
花手水を行っている寺社はいくつもあるものの、自宅の近くにはない場合もあるだろう。そのときは、自分で作ってみるのがおすすめ。色鮮やかな花々を自分の手で自由に飾るのも1つの楽しみ方といえる。

自宅で花手水を作るのに必要なものは、以下の通り。

●好きな切り花
●ハサミ
●好きな器
●水

作り方は水を入れた器に切り花を浮かべるだけ。花の色やサイズなどのバランスを見ながら調整しよう。見栄えを良くするのにおすすめの花は、色鮮やかで花びらが大きく開き、花の形が丸く見えるものだ。このように難しい工程はないため、誰でも簡単に好きな花手水を作れる。

花手水とは何かを知り、癒しを求めてはいかがだろうか

季節の花を楽しめる花手水
花手水は、もとは寺社で手を清める行為の1つであった。しかし、手水舎が感染症予防の観点から使えなくなったため、花を浮かべることでSNS映えするスポットとして注目を集めている。

どこへ花手水を見に行こうか迷ったのなら、この記事で紹介した寺社を参考にしてほしい。もし、近くに花手水を行っている寺社がない場合は、自宅で自作してみるのがおすすめだ。季節ごとの花を見たり触れたりすることで、心を癒やしてみてはいかがだろうか。