Vol.239

KOTO

01 JUN 2021

ファスティングには「やり方」がある。カラダを内側から整えるメソッドとは

近年、多くのメディアで「ファスティング」という言葉が取り上げられている。詳しいやり方は知らなくても、言葉だけ聞いたことがある人も多いのではないだろうか。ファスティングのことを、修行僧がおこなう断食と同じだと捉えている人もいるが、実際はそうではない。ここではファスティングを健康的なダイエット方法の1つと捉え、ファスティングの取り組み方やメリットを紹介する。さらに、健康的な「オプティマム・ファスティング」のやり方にも触れたい。

まずはファスティングの正しいやり方を確認

断食とは異なり、ファスティングでは飲み物で栄養を摂れる

「断食」とは違う「ファスティング」の方法とは

ファスティング(fasting)とは日本語で「断食」を意味するが、ここで紹介するファスティングは、水以外は何も口にしない断食とは少々異なる。ファスティングには明瞭な定義はないとされているが、固形物を口にせず、飲み物で必要な栄養を摂取するのが基本的なやり方だ。

ファスティングの主な目的は「内臓を休めること」であるため、準備期間や回復期間をきちんと設定する必要がある。準備期間とは、カラダがファスティングに慣れるように整える期間のことだ。その後、ファスティング期間は固形物を避け、飲み物だけを口にして過ごす。そして回復期間には、少しずつ元の食事に戻していく。

一般的に、3日間以上おこなうファスティングは「ロングファスティング」と呼ばれており、体内のデトックスのために年4回おこなうことが推奨されている。「プチ断食」と呼ばれることも多い1日のみのファスティングは、月に1回ほどおこなうのが好ましい。プチ断食はデトックスというよりは、内臓を休ませるのに効果的だ。

失敗しない、ファスティングの正しい取り組み方

ファスティング中は水や酵素ドリンク、野菜スムージーなどを飲んで過ごすことができるので、空腹を感じにくく、水しか摂取しない絶食に比べて成功しやすいといわれている。食べ物を飲み物に置き換えて栄養摂取ができるので、普段通りの生活を続けられるのがうれしいポイントだ。後述するがファスティング中は飲んでよいものが多くあり、体質にあうものを選ぶことができる。

ファスティングは糖質を最低限に抑えながらも、必要な栄養素は摂取する。そのため断食とは違い、筋肉の減少や低血糖などの防止ができる。自身にあう栄養素の摂り方を見つけて、健康的に取り組みたい。

ファスティングはカラダのためにおこなうこと

ファスティング中は、頭痛・吐き気・めまい・だるさなどの症状が出る場合がある。人それぞれ症状の程度は異なるが、自分自身の体調をしっかり観察することが何より大切だ。あまりにも体調変化が著しい場合は、無理をせず中断しよう。

酵素ドリンクの選び方も大切

酵素ドリンクは人間の体内で酵素を作るための材料となるものであり、酵母菌をはじめとした微生物によって野菜や果物などのエキスを発酵させたものをさす。酵素ドリンクはファスティングする際の定番の飲み物とされており、必要な栄養素をしっかりと補えるものなので、慎重に選んで健康を気遣いたい。添加物が多いものや、人工甘味料を使用しているものを避け、酵素自体の原材料が多いものを選ぶとよいだろう。

健康のためについたくさん飲みたくなってしまうが、酵素ドリンクは商品によって摂取量が決められているので、必ず確認しておこう。

ファスティングの効果でカラダを内側からリセット

デトックスにはカラダのためのプラス面がたくさんある

ファスティングのデトックス効果は肌に現れる

ファスティング中に食べる量が減少して消化機能を休ませると、排出機能が活発になり体内をデトックスすることができるといわれている。デトックスすることによって腸内環境が整い、むくみの解消やさまざまな健康への効果が期待できるという。また、肌のダメージが回復したり、ターンオーバーの乱れが改善したりするなど、肌の状態が安定する効果にも期待できる。

固形物を摂らないことで内臓にも休息期間を

意識して内臓を休ませようと思う人は少ないだろう。しかし健康のためには、毎日働き続ける内臓を少しでも休ませて回復させたい。ファスティングをおこなえば、日々の食事で働きづめの消化管に固形物が入ってこない期間を作れるため、消化機能を正常な状態に整えることができる。また、内臓が健康になれば基礎体温が上昇し、代謝がよくなる。代謝を改善して脂肪燃焼しやすいカラダになれば、ダイエットにも大きく影響してくる。このように、ファスティングをおこなえば健康によい反応が連鎖的に起こるのだ。

カラダの中がすっきりすれば、睡眠の質や集中力が高まる

睡眠の質を高めて、毎日を健康的に過ごしたい
満腹状態で眠ると、睡眠中も胃腸は活発に働かなければならない。そのためカラダが完全に休まらず、翌日に疲労感が残ってしまう。ファスティング中は空腹状態で眠るため、内臓が十分に休息することができ、睡眠の質を高めることにつながる。

また、ファスティングは集中力を高める効果も期待できる。食後は胃腸に血液が集まって眠くなる傾向にある。ファスティングをしていれば脳に血液がよく回るようになり、集中力が上がるといわれている。

しっかりと睡眠をとって物事に臨みたいときや、集中力が必要な場面にあわせてファスティングをおこなえば、よい結果につながる可能性が高いといえるだろう。

ファスティング中の飲み物は酵素ドリンク以外にも

水はカロリーゼロ、適切な量なら飲んでも構わない

ファスティング中の飲み物は低カロリー・低カフェインが基本

ファスティング中は飲み物を飲むことが推奨されているが、なんでも飲んでよいわけではない。酵素ドリンク以外の飲み物であれば、最もよいのは水や炭酸水といわれている。コーヒーを飲む場合はブラックにし、砂糖やミルクは入れないようにすること。ファスティングで空っぽの胃にカフェインを摂りすぎると体調不良になりやすいため、コーヒーは1日1杯程度に抑えるのがポイントだ。どうしても飲みたい場合は、ノンカフェインやカフェイン含有量の少ないコーヒーに置き換えるとよいだろう。

ハーブティーはカフェインの含有がないものが多くあり、リラックス効果を得られるものも多いのでおすすめ。特にカモミールティーやミントティーなどは、空腹のイライラを抑えるのに効果的だ。

砂糖のたくさん入っているジュースやアルコールは摂ってはいけない。「ゼロカロリー」と記載されている炭酸飲料にも注意が必要だ。ゼロカロリーをうたう商品のほとんどは人工甘味料を使用しており、カロリーや糖類は基準値以下であれば「ゼロ」と表示できるため、 糖質がゼロとは限らない。

「味噌汁」はファスティング中の飲み物におすすめ

味噌汁は満足感と健康の両方を手に入れられる
ファスティング中の飲み物としてぜひおすすめしたいのが、味噌汁。人間は常に塩分を排出しており、ファスティング中でも適切な量の塩分を摂らなければならない。そんなときに味噌汁を飲めば、十分に塩分を摂取できる。味噌汁が塩分の摂りすぎになるといわれていた時期もあるが、現在は高血圧の人でも飲んでよいとされている。

味噌汁は、ただ単に食事の置き換えに便利な飲み物というだけではない。味噌汁の味噌に含まれている乳酸菌や麹菌は、腸内環境を整えてくれる。ファスティング中に飲むなら赤味噌か豆味噌を使用し、昆布で出汁をとった具材なしの味噌汁がよいだろう。

プロテインに甘酒。注目の「オプティマム・ファスティング」とは

プロテイン・豆乳・甘酒の特製ドリンクをぜひ作ってみたい

プロテイン・豆乳・甘酒をミックスしたドリンクで過ごす4日間

オプティマム・ファスティングとは、「薬をすすめない薬剤師」として知られる株式会社サムライフの坂田武士氏が提唱するファスティングであり、特製ドリンクを使用するのが特徴だ。

オプティマム・ファスティングは4日間のみのファスティングであり、特製ドリンクで過ごすのは2日間のみ。1日目は「準備期」、2~3日目は「断食期」、4日目は「回復期」となっており、断食期の2日間だけ3食を特製ドリンクに置き換える。「準備期」は朝昼に和食、夕食のみ特製ドリンクにし、「回復期」は朝食に野菜と果物、昼食はおかゆ、夕方は特製ドリンクを摂ればよい。

ここで、特製ドリンクの作り方を紹介しよう。

材料はプロテイン、豆乳、米麹の甘酒。プロテインは最もカラダに吸収されやすい、動物性の「ホエイプロテイン」を選ぶ。豆乳は砂糖の入っていない無調整豆乳にし、米麹の甘酒は砂糖不使用の米麹甘酒を選ぶ。砂糖で甘みがつけられた酒粕の甘酒は避けよう。

作り方は、プロテインシェイカーに豆乳、甘酒を入れ、プロテインを加える。豆乳は、温めてから加えてもよい。甘酒も温めてよいが、加熱しすぎると麹菌が失われるので注意し、飲んだとき心地よい程度の温度に抑えよう。プロテインシェイカーの蓋をしっかり閉じ、よく振って混ぜればできあがり。

タンパク質と乳酸菌がカラダをやさしく整えてくれる

水分だけで栄養を摂らない一般的な断食では、タンパク質が不足して筋肉量が落ちてしまう。しかしオプティマム・ファスティングはタンパク質を摂取しながらおこなうため、栄養不足や筋肉量の減少につながりにくい。

また、ファスティング中にもかかわらず、豆乳や乳酸菌をしっかり摂取できるため、腸内環境を整えることができるのも魅力だ。固形物を摂らないため腸を休ませることもでき、代謝が活発化して痩せやすいカラダを目指せる。

オプティマム・ファスティングはファスティングの中でも特に空腹になりにくいため、精神的なストレスが軽減されるのもうれしい。固形物を摂らないことで胃腸を休ませつつ、プロテインなどの特製ドリンクで栄養を補う、健康的なファスティングの方法といえる。

「やり方」にこだわるファスティングでカラダをいたわる習慣を

無理せず健康なカラダを手に入れよう
ファスティングは単に食事を摂らない断食ではなく、正しいやり方を知って計画的に取り組むことが大切だ。水はもちろん、酵素ドリンクやプロテインなどを適切に摂り、活動に必要な栄養を補いながらおこなおう。

ファスティングの一番の魅力は、ダイエットが最大の目的である「断食」とは異なり、無理なくカラダの健康状態を整えられるところ。忙しい毎日で働きづめのカラダをいたわる習慣として、ファスティングを始めてみてはどうだろうか。