Vol.143

KOTO

30 JUN 2020

自然の力でクリーンな空気へ。Cul de Sacの青森ヒバプロダクト

じめじめとした梅雨が終わったかと思えば、すぐに暑い夏が訪れる。日本の夏は湿度が高く、室内で過ごしていても、暑さが体にまとわりついてくるような感覚を覚える。この蒸し暑さが煩わしくて窓を開けていると虫が入ってくるし、換気の悪い場所は菌も繁殖しやすくなるため、においやカビも発生しやすい。これらの夏特有の悩みを防ぎ、こだわりの一人暮らしを快適なものにするために、今回はシンプルかつナチュラルに使える「Cul de Sac(カルデサック)」の青森ヒバのプロダクトを紹介する。

Cul de Sacが提案する、青森ヒバの心地よさと機能性

青森ヒバのチップ。芳香性が高いのが特徴だ
国土の67パーセントを森林が占めている日本。その森林率の高さは世界有数で、生育している樹木の種類も1,000種類以上と多様だ。人が介入し手入れや伐採を行う人工林も多く、そのほとんどがスギやヒノキなどの針葉樹だ。そういった豊かな森林資源を木材として利用するとき、質の良し悪しは重要な問題となる。同じ種類の樹木でも、産地によって大きな違いがあることから、「日本三大美林」という国内で特に美しく優れた木材を産出する産地が讃えられている。それが「木曽ヒノキ」「秋田スギ」「青森ヒバ」である。

今回注目するのは、日本三大美林のひとつ「青森ヒバ」。ヒバというのはヒノキ科の植物で、アスナロとも呼ばれる。スギやヒノキは全国各地で生息しているが、ヒバの場合は青森県に生息地域が集中している。これらの「青森ヒバ」と呼ばれるものすべてが、天然林で育っている。

ヒバはスギやヒノキと比べると、初期成長の速度が遅い。しかし耐陰性があり、日の光が当たらない暗い森林でも生き続ける生命力の強い樹木なのだ。成木になるまでに100年かかり、かかる年月はスギの約3倍。特に北国の冬の厳しい寒さにも耐え、ゆっくりと育った青森ヒバの木目は緻密で、しなやかで丈夫な木材となる。

そんな青森ヒバの特徴といえば、スッとした爽やかで独特な香りがあり、水や湿気に強く、朽ちにくいということだ。これは「ヒノキチオール」と「β一ドラブリン」という、強力な抗菌成分を豊富に含んでいるためである。この2種類の成分を持ち合わせる、ヒバ特有の高機能性に注目したブランドがCul de Sacなのだ。

Cul de Sacのロゴマークは、ヒノキチオールの化学構造式とよく似た形をしていて、ヒバの成分に着目したブランドであることを伝えている
先代から青森ヒバ専門店を営んでいたというCul de Sacでは、製材時に発生する曲がった木材や端材、廃材を有効活用する形で商品を展開している。端材とはいえ、大切な資源だ。青森ヒバ特有の抗菌、防虫、消臭、リラックス効果は充分に発揮される。加工しすぎずに本来の形を残しながら、自然をより身近に感じられるオーガニックプロダクトを幅広く展開している。

左から「FOR CLOSET 3BAGS」「HIBA BLOCKS +HIBA WOOD OIL」「HIBA CHIP」
数あるプロダクトの中から今回選んだのは、こちらの3つだ。クローゼット用消臭・防虫剤、ヒバブロックとヒバ精油オイルのセット、そしてシンプルなヒバチップである。

封を開けた瞬間から、ヒバの豊かな香りが溢れ出す
木材は一般的に樹皮側にある白太(しらた)と呼ばれる辺材と、中心部にある赤身と呼ばれる芯材に別れるが、こちらのヒバチップは、ヒバの有効成分が多く含まれている赤身の部分だけでできている。インテリアになじむ器やポーチなどに入れて、ナチュラルなヒバの香りを楽しむことができる

湿気が気になる季節に。「FOR CLOSET 3BAGS」

「FOR CLOSET 3BAGS」は、チップではなく薄く削り出された青森ヒバを使用しているため、ふんわりと軽い
湿度が高い時期は、クローゼット内の環境も気になるところ。しまってあるセーターに虫がついていないか、いやなにおいがついていないか、カビが発生していないか。それらのリスクに防虫・消臭・防カビ効果のある「FOR CLOSET 3BAGS」は効果的だ。対策をすることで、大切な服も長く着ることができるだろう。

クローゼットの引き出しの中へ
小袋のひとつを、大切な衣類と一緒に引き出しにしまう。ヒバは薄く削られ不織布に入っているため、芳香性はそこまで強くない。優しい香りとともに、衣類を守ってくれるだろう。使用環境によって有効期限が異なり、3〜6ヶ月使うことができる。香りが薄くなってきたら交換のタイミングだ。

香りを楽しみながら、消臭・防虫。インテリアとして使える「HIBA BLOCKS +HIBA WOOD OIL」

青森ヒバのブロックと青森ヒバ精油がセットになった「HIBA BLOCKS +HIBA WOOD OIL」
こちらは5つのヒバのブロックに精油をたらして使うアイテム。角が丸く削られ、柔らかな雰囲気のブロックは、1つで置いてもまとめておいてもインテリアになじむ。一方で精油は、青森ヒバの赤身の部分から水蒸気蒸留し抽出。使用する木材の総量のうち、たった1%が精油に変わる希少なものだ。

ブロックに精油を数滴垂らして使おう
ブロックはそのままでも心地よいヒバの香りがするが、香り成分たっぷりの青森ヒバ精油を垂らせば、より豊かに香りを楽しむことができる。おすすめの置き場所は、バスルームやシューズクローク、車の中など。ナチュラルかつ高機能なので汎用性が高く、リラックスしたい場所やにおいが気になる場所など、好きな場所に置いて活用するといいだろう。

自然の力を身近に使う

青森ヒバという、木が持つ力を感じられるアイテムだ
化学が発展する遥か昔から、青森ヒバの耐久性や防虫性の高さに人々は気付き、城や寺社仏閣などの歴史的建造物や文化財に利用されてきた。実際に青森ヒバを使って建てられた世界遺産中尊寺の金色堂は、800年以上の時を刻んでいるにもかかわらず、ほとんどが朽ちずに現在も使われ続けているという。

近年は防カビや防虫のための様々なアイテムが溢れているが、一度立ち止まって原点に戻ってみてもいいかもしれない。先人たちが活用していた青森ヒバを使うことで、天然の香りの豊かさとともに、あらためて自然が持つ力の凄さを発見することができるだろう。快適な暮らしを求めるとき、一度自然の知恵に立ち返ってみてもいいのかもしれない。

Cul de Sac

「HIBA CHIP」650g ¥2,400(税別)

「FOR CLOSET 3BAGS」 3袋入り ¥1,200(税別)

「HIBA BLOCKS +HIBA WOOD OIL」ヒバブロック5個+青森ヒバ精油12ml ¥2,600(税別)

公式サイト:http://culdesac.jp/wp/