日本の住宅事情や歴史文化に向いている趣味
今回プラモデル本体だけではなくジオラマを勧めるのは、そもそもプラモデルだけを作ったのでは、メーカーが生産した大量生産品の延長線上にいるだけだからだ。全ての物は空間にそれ単体では存在しえない。その物が存在する情景まで作ることにより、ミニチュアとは言えそこに一つの完結した世界が現れる。その世界観の表現こそ、十人十色のクリエイティビティが発揮される真にオリジナルなものだ。自分がそこにいたら、もしそんな風景に入り込むことができたらと考えるだけでも楽しい。
100円ショップで買えるものを最大限利用する
そもそも最近の日本の100円ショップのクオリティーは凄い。ベースとなる土台や粘土はもちろん、セメントや砂、木の枝から石、水苔に造花用の針金や紙テープまで何でも売っている。模型制作に使えるアートナイフやヤスリもクオリティーが高い。重箱の隅をつついたような品物のバリエーションの豊かさは間違いなく世界トップクラス。こんな物がこの値段で買える店は日本にしかない。プラモデル製造メーカーの豊富さも相まって、ある意味日本は世界で一番ジオラマ作りに向いている国と言えるかも知れない。
現実には難しいこだわりの車も自由に選べる
現代においても世界的に人気は健在で、中古車価格も非常に高いし古い車なので維持も大変。僕も昔から憧れてはいるが、なかなか実際に手に入れるのは難しい。旅を模型で再現するに当たって、この車以上にぴったりなものはなかなかないと思う。自分で世界を作れるジオラマ制作なら、現実では難しいことも自由に表現することができる。
再現する情景は自由自在、どれだけ凝るかは自分次第
赤土の砂浜、生茂る椰子の木などを自作し、仕上げとして岩礁にはインドから持って帰った本物の現地の石を置いてみた。実際に潮が引いたゴアの砂浜は意外と岩場が多かったからだ。砂浜に車で突っ込み、アラビア海に沈む夕陽を見ながら焚き火で仲間たちとキャンプする。そんな最高の情景を再現するためにLEDライト(これももちろん100円ショップのもの)を仕込み、光景でも臨場感を追求してみた。細部に神は宿る。ジオラマ作りはこだわればこだわるほど確実にその手間に応えてくれるのだ。
ジオラマ作りは世界を理解するための最良のツール
ハードルの高い趣味と思われがちだが、今ではネットなどですぐに画像検索もできるし、いざ作り始めると特に決まったルールも無く、思ったより自由なものだとすぐ気付く。最初はうまくいかないこともあるだろうが、手作業の失敗はデジタルの失敗と違って楽しいから不思議だ。さあ、あなたも自由な世界の創造主になろう。