Vol.455

FOOD

27 JUN 2023

全米No.1トレンド調味料「クラフトホットソース」の魅力

世界中でいま「クラフト◯◯」がアツい。日本でもクラフトビール、クラフトジン、クラフトコーラといった、クラフト系の商品が脚光を浴びている。その中から今回ご紹介するのは「クラフトホットソース」だ。「クラフトホットソース」は、昨今のトレンド調味料といわれるもののひとつで、日本国内でも目にすることが多くなった。ここ数年で自宅で食事する機会が増え、マンネリ化しがちなメニューにひと工夫したいという方にもおすすめしたい。今回は、クラフトホットソースを専門に扱う「HOT SAUCE BAR」ご協力のもと、おすすめの商品やペアリングを紹介する。

クラフトホットソースとは?

マルシェで販売されるクラフトホットソース
辛いソースといえば、辛くて酸っぱい「タバスコ」を思い浮かべる人がほとんどかもしれない。しかし、世界にはそのほかにも多くのホットソースが存在し、その中でも個性豊かな「クラフトホットソース」が一大ブームとなっている。とくに米国ではその人気ぶりは凄まじく、全米で1000社以上ものクラフトホットソースメーカーが存在するといわれるほど。

ホットソースとは、原材料に唐辛子、酢、塩を使った辛味調味料である。この基本の原材料を独自にアレンジし、ハーブやスパイス、フルーツ、野菜などをブレンドしてオリジナリティを引き出したものがクラフトホットソースだ。

ホットソースには凄まじく辛いものもあれば、子どもでも味わえるくらいにまろやかで甘味のあるものも存在する。辛さのレベルだけではなく、風味やテクスチャーもそれぞれ異なるため、料理とのペアリングをあれこれ試すのも楽しい。

日本初クラフトホットソース専門店「HOT SAUCE BAR」

洒落た瓶に詰められたクラフトホットソース
筆者がクラフトホットソースと出逢ったのは、都内で開催されていたオーガニックマルシェだ。スタイリッシュなソース瓶をずらりと並べた、無添加クラフトホットソース専門店「HOT SAUCE BAR」の基村(きむら)氏から、ホットソースにまつわる多様なブランドストーリーをお聞きした。

「これは、製造者のおばあちゃんが作っていたホットソースの味を再現したもの」「動物ラベルのものは、元々デザイナーだった女性が独学で作り始めたものが評判になって、たくさんの賞を獲得しているんです——」

そういった話を聞きながらホットソースをテイスティングするのは刺激的な体験だった。調味料としては比較的高価なものが大半であっても、好奇心がそそられるようなエピソードを聞いていると、つい手が伸びる。

マルシェで試食販売する「HOT SAUCE BAR」オーナーの基村氏
試食して一番驚いたのは、その美味しさと個性的な味わいだ。筆者は元々辛いものが好きなのだが、単純な辛さだけではない奥深い味わいに一瞬で魅了された。その日以来、自宅の冷蔵庫には数種類のホットソースが常備されている。

クラフトホットソースはネット購入も可能

洗練されたボックスデザイン
「HOT SAUCE BAR」の商品はインターネットで取り寄せることもできる。取り扱うのは、添加物を一切使わず、各ブランドが独自のレシピのもと少量生産する「無添加クラフトホットソース」だ。ストーリー性豊かなブランドをキュレーションし、無添加に加え、ビーガン、グルテンフリー、そして白砂糖不使用のホットソースを厳選しているという。化粧箱入りで、ギフトにも最適だ。

https://hot-sauce-bar.myshopify.com/

グルメな方への贈り物にも最適

ホットソースの使い方

さまざまな料理に合うホットソース
ホットソースは、料理にかけて風味を加えたり味を変えたりするのが基本だが、マヨネーズなどに混ぜて食品をディップしたり、料理工程の味付けに活用したりすることもできる。そのままでも味がキマりやすいものは、肉や魚の下味として使ってみると良いだろう。

また、ホットソースの色に注目すると、どんな料理に合うのかを簡単に見分けることも可能なのだそう。例えば、赤い色のホットソースは万能タイプ。緑は野菜やシーフードに。黄色や茶色は肉料理に合わせやすい。(一部例外あり)

「HOT SAUCE BAR」おすすめホットソース3選

数あるホットソースの中から、普段の料理に使いやすいホットソースをピックアップ。それぞれ、辛さのレベルや味わいの特徴などをご紹介する。

不動の人気No.1「Red Habanero & Black Coffee」

クイーンマジェスティーホットソース ・レッドハバネロ&ブラックコーヒー

レッドハバネロ&ブラックコーヒー

辛さレベル:★★★★★★★☆☆☆
https://onl.bz/htiTy7f

【原材料】
ホワイトビネガー、玉ねぎ 、赤ピーマン、赤ハバネロ、アップルサイダービネガー 、ニンニク、オリーブオイル、コーヒー豆、塩、スパイス

”世界で最も美味しいホットソース” と称されたクイーン・マジェスティのホットソース。口に入れた瞬間、野菜の旨み・甘みが広がり、その美味しさに感動を覚えるほど至高の1本。原材料にコーヒーが使われているが、コーヒーの味がするわけではなく、ソースのコクとレッドハバネロのしっかりとした辛さを際立たせる隠し味的な存在。比較的どんな料理にも合わせやすい。

【ペアリング】
タコス、タコライス、卵焼き、ポテトサラダ、ハンバーガー、ホットドッグ、トマトソース or ミートソースパスタ、シチュー、チリコンカン、カレー、ミネストローネ、焼き鳥、ステーキ、鶏の唐揚げ、焼肉、煮魚、コロッケや豚カツなどの揚げ物、ブラッディーメアリー(カクテル)、マヨネーズと混ぜてスパイシーマヨネーズに、ケチャップと混ぜてスパイシーケチャップに。

酸っぱ爽やかな一本「Dill Pickle Serrano」

ハートビートホットソース・ディルピクルスセラーノ

ディルピクルスセラーノ

辛さレベル:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
https://onl.bz/htiTy7f

【原材料】
酢、玉ねぎ、トウガラシ(ハラペーニョ、セラーノ)、きゅうり、塩、ニンニク、ディル、キャノーラオイル、スパイス、マスタードシード

酸味とニンニクが効いたディルピクルスに、ほどよい辛味を加えた、ピクルス好きのためのマイルドなホットソース。定番のハンバーガーにサンドウィッチ、ポテトサラダ、ソーセージ、唐揚げなど、相性の良いメニューもいろいろ。マヨネーズと茹で卵を混ぜると即席タルタルソースになる。

【ペアリング】
ハンバーガー、フライドポテト、唐揚げ、タコス、グリルサーモン、アボカドトースト、フライドチキン、ポークステーキ、チャーハン、サラダ、ガーリックシュリンプ

濃厚メキシカンスタイル「Chipotle」

フォルモサ ・チポトレ

チポトレ

辛さレベル:★★★★☆☆☆☆☆☆
https://onl.bz/EbqfEgE

【原材料】
チポトレ、酢 、水 、トマティーヨ 、サラダ油 、ペッパー、クミン、スパイス、塩

ハラペーニョを燻製したトウガラシ チポトレを使用し、クミンの風味が効いたメキシコスタイルのホットソース。カリフォルニアの老舗メーカー「フォルモサ」のフレーバー4種類の中で人気No.1。味がしっかりしていて濃厚なのが特徴。シンプルに肉、野菜、シーフードなどにかけるだけでオシャレなメキシコ風料理に大変身。

【ペアリング】
バーベキュー (肉、ソーセージなど)、焼き野菜、フレッシュサラダ、ハンバーガー、サンドウィッチ、フライドポテト、ジャーマンポテト、お好み焼き、たこ焼き、唐揚げ、コロッケなどの揚げ物、餃子

ホットソースと料理とのペアリングを楽しむ

個性的なクラフトホットソースの味わいによって、定番料理のイメージががらりと変わる。今回取り寄せした3本のクラフトホットソースを実際に使ってみた。

Red Habanero & Black Coffee × マルゲリータ

定番のマルゲリータが大人の味わいに
どんな料理にもよく合う「Red Habanero & Black Coffee」。特にトマトを使った料理は相性抜群。テイクアウトしてきたマルゲリータピザに一振りすると、パンチのある辛さの後に独特な風味とコクが重なり、奥深い味わいに。独特な風味が後を引き、手が止まらなくなる美味しさだ。そして、辛い!

トマト系のピザのほかに、パスタ、ミネストローネにもおすすめ。ほかの調味料と合わせて、スパイシーマヨネーズ、スパイシーケチャップなどにも最適だ。

Dill Pickle Serrano+マヨネーズ × からあげ

マヨネーズと混ぜるとタルタルソースの味に
「Dill Pickle Serrano」はマヨネーズと茹で卵を混ぜてタルタルソースのような味わいになる。筆者の好みで甘味も少し加えてみたところ、よりタルタルソースらしくなるように感じた。からあげにディップすれば、まるでチキン南蛮。エビフライでも試したくなった。

ブレンドせず、そのままでもいろいろな料理に使えそうなイマジネーションが広がる爽やかな味。ディルの風味と酸味を活かして、エビやサーモンなどのシーフードにかけても◎。

Chipotle x ビーフステーキ

牛肉料理が一気にメキシカンな味わいに
味がしっかりとしている「Chipotle」は、肉、魚、野菜など、食材そのものの味を活かした料理に合いそうだ。ステーキソースとして使ってみたところ、ピリリとパンチのあるメキシカンな味わいに大変身。ソースの色も◎。パンに挟んでガブっと齧りつきたくなるワイルドな味。そのほか、タコスやケバブ、ガーリックシュリンプ、餃子、唐揚げなどにおすすめ。

強烈な個性がファンを魅了するクラフトホットソース

食卓にクラフトホットソースを
クラフト系ブームの背景には、安価で均一な量産品ではなく、品質の良さやデザイン、ストーリー性が重視されるといった近年の消費傾向が起因しているといわれている。

「クラフトホットソース」の魅力は、万人ウケする分かりやすさとは対極にある、強烈な個性。その個性こそが、多くのファンを獲得している理由のひとつといえるだろう。

世界各地から日本にやってきた辛味調味料といえば、中国の辣油や豆板醤、韓国のコチュジャンやカプサイシンソース、メキシコのサルサソース、タイのシラチャーソース、インドネシアのサンバルソース……挙げればキリがないが、いずれも国の食文化を代表する調味料である。それらと一線を画するのが、個々のユニークなバックグラウンドを持つ「クラフトホットソース」なのだ。

「クラフトホットソース」といっても激辛のもの、マイルドなもの、甘いもの、酸っぱいもの、多様な味わいがある。ぜひ、好みのものを見つけていただきたい。

ENJOY “SPICY” LIFE!

HOT SAUCE BAR