Vol.448

FOOD

02 JUN 2023

リッチな甘さのスイーツ「バクラヴァ」とは。自宅で楽しめるレシピもご紹介

シロップの甘みがじゅわっと広がる、トルコの伝統菓子の一つバクラヴァ。日本ではまだ馴染みの薄いバクラヴァだが、サクサクのパイ生地とナッツの香ばしさが絶妙で、トレンドスイーツとして注目を集めている。 ここでは、中東・中央アジア・地中海地方で愛され続けているバクラヴァについて紹介するとともに、自宅で作れる簡単レシピをお伝えしたい。

話題の焼き菓子、バクラヴァとは

トルコでは国の食文化の象徴として愛され続けてきたバクラヴァ
バクラヴァは、全国のスイーツ好きの間で知名度が高まり、SNSでも「食感がやみつきになる」「甘いけどクセになる」など気になる声が挙がっている。そんなバクラヴァがどのようなお菓子か紹介しよう。

バクラヴァはトルコの伝統的な焼き菓子

バクラヴァは、極薄のフィロ生地を40層一枚一枚丁寧に重ね、その間に砕いたピスタチオやアーモンドなどの上質なナッツ類をふんだんに挟んで焼き上げた、トルコの伝統的なスイーツ。

フィロ生地とは、酵素を使わずに薄くパリッと仕上がる生地のこと。このサクサクの食感の生地に、香り高いナッツの風味、バターシロップの香りも相まって、スイーツ好きにはたまらない美味しさで多くの人をとりこにしているのだ。

本場のバクラヴァは衝撃的な甘さ

トルコ人にとって、甘いお菓子は幸せの象徴といわれており、砂糖やはちみつをふんだんに使った伝統菓子が多い。なかでもバクラヴァは代表格。甘党の人でも本場のバクラヴァを食べたら、あまりの濃厚さに驚くかもしれない。

そんなバクラヴァは濃いめのコーヒーや紅茶、ハーブティーなどとの相性が抜群。ティータイムはもちろん、朝食や食後のスイーツとしても、一口食べるだけで満足感が満たされるだろう。

材料やレシピは地域によって異なる

バクラヴァは、地域によってナッツの種類やフィロ生地の厚み、シロップの量などが異なる。シロップにはレモン汁やローズウォーター、はちみつなどが入ることも。

生地はフィロを重ねるタイプだけでなく、フィロ生地でナッツを巻いたロール状のモノもある。ナッツも、スタンダードなピスタチオやクルミではなく、アーモンドやペカンが用いられるなどさまざま。スパイスは、シナモンやクローブ、ナツメグ、フェンネル、ローズマリーなどでアレンジできるため、違った味わいを楽しめるだろう。

自宅で挑戦できるバクラヴァの材料

お菓子作り初心者にもおすすめなお手軽レシピ
ここからは自宅で作れるバクラヴァのレシピをお伝えしたい。お菓子作り初心者でも、冷凍パイシートを使えば気軽に挑戦できる。

材料は、冷凍パイシート(100g×2枚)、無塩バター(10g)、ピスタチオやアーモンドなど好みのナッツ類(60g)、トッピング用のナッツ(適量)。

シロップの材料は、水(80ml)、グラニュー糖(50g)、レモン汁(小さじ2分の1)、シナモン(適量)。

まずは下準備として冷凍パイシートを解凍し、ピスタチオやアーモンドなどのナッツ類を保存袋に入れてめん棒で砕いておく。オーブンは予熱ありで200度に設定しておくと、後の工程がスムーズだ。シロップは、水、グラニュー糖を小鍋に入れ、中火で3分ほど煮詰め、レモン汁とシナモンを入れて混ぜる。

下準備が終わったらいよいよパイ生地作り。冷凍パイシート2枚のうち1枚はそのまま、1枚は半分に切り、伸ばしていないパイシートと同じくらいの大きさに伸ばす。耐熱容器にクッキングシートを敷き、伸ばしたパイシートとナッツ類を交互に重ねる。

その上に伸ばしていないパイシートも重ねて3層にしたら、上面に溶かしたバターを塗り、ナイフで切り目を入れる。

余熱しておいたオーブンで15~20分焼いた後、180度に温度を下げてさらに10分間焼く。仕上げにシロップを滴るくらい回しかけ、トッピング用のナッツを上に散らしたらできあがり。

パートフィロを使った本格レシピ

パートフィロを使えば、より本格的なバクラヴァに
より本格なバクラヴァを作るなら、パ―トフィロを使って作るのもおすすめ。

パートフィロとは、小麦粉やコーンスターチ、水、塩、オイルなどで作られた薄いの生地のこと。輸入食品を取り扱うスーパーマーケットやインターネットなどで購入できる。パイ生地は、焼き上げたときにバターが生地を持ち上げて膨らむのに対し、フィロは層が重視されており、春巻きの皮を数枚重ねた状態で焼き上げるイメージだ。

パートフィロは完全に解凍した後に一枚一枚丁寧にはがしていくのがポイント。乾燥しやすいため、使う直前までラップで覆っておくと扱いやすい。

パートフィロを使ったバクラヴァの材料は、パートフィロ(10枚)、無塩バター(70g)、ピスタチオやアーモンドなどのナッツ類(80g)、トッピング用のナッツ(適量)。

シロップの材料と下準備は、冷凍パイシートでのレシピと同様だ。

下準備が終わったらパートフィロを切り、バターを塗った型にパートフィロと溶かしバターを交互に5枚重ね、ナッツを敷く。ナッツの上にもパートフィロ5枚と溶かしバターを重ねたら、表面に溶かしバターを塗って型からはみ出した生地を取り除き、生地を一口サイズに切る。

200度のオーブンで30分程度焼き、シロップを滴るくらい回しかけ、トッピング用のナッツを上に散らしたらできあがり。

バクラヴァを自宅で作る際のコツやポイント

ナッツやシロップをアレンジできるのも、手作りならではの楽しみ方
ここからはバクラヴァを自宅で作る際のコツやポイントを紹介しよう。

ナッツの種類に迷ったら定番のピスタチオがおすすめ

生地の間に挟むナッツの種類に迷ったら、定番のピスタチオを選んでほしい。ピスタチオはコクと香ばしさが非常に強く、小麦粉やシロップとの相性が抜群だ。鮮やかな緑色も印象的で、見た目がパッと華やかになる。

まろやかな風味を楽しみたいときは、ヘーゼルナッツやクルミなどをミックスしてもよいだろう。

オーブンに入れる前に生地をカット

一口サイズが一般的なバクラヴァは、焼き上げてから切ると形が崩れてしまう。そのため、オーブンに入れる前に生地に切り目を入れておくのが、きれいにカットするコツだ。

生地に切れ目を入れておくことで、見た目がきれいになるだけでなく、上から塗ったバターが染み込みやすくより美味しくなる。 

ミルクを使ってシロップをアレンジ

シロップは、基本のシロップにミルクを混ぜてアレンジするのもおすすめ。焼き上がったバクラヴァにミルク入りシロップをかけると、生地がしっとりとするうえにまろやかな風味となる。

たとえば、パートフィロ10枚のバクラヴァに合わせるシロップを作る場合、グラニュー糖100g、水50ml、牛乳50mlが目安。小鍋にグラニュー糖と水を入れて火にかけ、グラニュー糖が完全に溶けたら牛乳を加えて、弱火で5分程度加熱すればミルクシロップの完成だ。

甘さは自分好みに調整

本格的なバクラヴァは日本人には刺激的な甘さに感じるため、必ずしもレシピどおりの分量にこだわらなくてよい。シロップを作るときには味見をしながら、少しずつグラニュー糖を足していこう。

グラニュー糖を減らす、ミルクを加えるなどのアレンジのほかにも、水の代わりにローズウォーターやオレンジブロッサムウォーターを使うと、ほんのりと甘みやフルーティーな味わいを楽しめる。

自宅でも作れるバクラヴァ。自分好みのレシピで楽しんで

バクラヴァはティータイムや朝食にぴったり
トルコをはじめ中東・中央アジア・地中海地方で愛され続けてきたバクラヴァ。本場のモノは刺激的な甘さのため、甘党の人でも苦手と感じるかもしれない。しかし、自分で作れば甘さを調整したり、スパイスを加えたりとアレンジは無限大。紹介したレシピをもとに、ぜひ自宅でバクラヴァを作ってみてはいかがだろうか。