Vol.308

FOOD

28 JAN 2022

気分や体調に合わせてセレクトできる伝統茶{tabel}

水分補給のみならず、リフレッシュしたいときや体を温めたいときなど、一日に何度も口にする飲み物。自宅にいる時間が増えたのに比例してコーヒーや紅茶などを自分で淹れる機会も増えたが飽きてしまい、飲み物がマンネリ化してきたときに出会ったのが「伝統茶{tabel}(タベル)」の薬草茶だ。薬草茶と聞くとドクダミやセンブリなど飲みにくいイメージを持つ方も多いだろう。しかしそんなイメージを覆す、毎日飲みたくなる薬草茶を紹介したい。

日本の文化に根付いた薬草茶

日本各地に息づく薬草と呼ばれる在来種ハーブで作られる伝統茶{tabel}は、管理栄養士であり国際中医薬膳調理師の資格を持つ代表の新田氏が自ら日本各地へフィールドリサーチを行い、そこで暮らしに根付いた薬草文化と出会うところから始まる。天然もの、無農薬、化学肥料不使用栽培にこだわり、さまざまな種類のお茶を展開している。

「日本には約7,000種類以上の植物が自生していますが、どの植物もそれぞれ何百、何千という成分を含みます。あるものは傷を治し、あるものは猫を酔わせ、あるものは疲れを癒やす。どんな植物も、誰かの、もしくは何かの助けになったり、自然の循環の中での大切な役割があったりします。それらを活用して健やかに暮らす智慧を何千年も前の祖先たちが積み重ねて、今の食文化や習慣、風景につながっていることが、どれだけ貴いことかと、いつもいろんな地域へ行くたびに思います。この先人からのギフトを大切に受け取って、ありがたく活用し、未来にちゃんとつなげていきたい。そして、このものづくりやお茶をお届けすることが、作る人も、飲む人も、みんなを何十年も笑顔にできるものであるようにと、真心をこめて続けていきたいと考えています」と新田氏は話す。そんな魅力あふれる薬草茶。

ここでは仕事中や忙しい時でもさっと飲める、ティーバッグタイプの4種類紹介したい。

左からはすの葉茶、グァバ茶、花はぶ茶、月桃茶

さまざまな側面から楽しめるパッケージデザイン

パッケージには薬草のモノクロ写真と鮮やかな色が使われており、伝統茶{tabel}が古き良き文化を研究者のようにリサーチをしているところから「100年前の植物辞典」をテーマにデザインされている。

「薬草=古い文化ではなく、今の私たちも楽しめる生きた文化であること」を体現したデザイン
それぞれ薬草が違えばカラーも違い、集めてキッチンや部屋に並べて飾っておきたくなるようなインテリア性を持つ。側面には薬草茶の産地の地図や生産者の顔が記載されていて、細部まで楽しめる作りになっている。

生産者の顔のかわいいイラストに思わずほっこり
別の側面にはそれぞれおすすめの用途が書いており、花はぶ茶は「おなかをいたわりたい人、パソコンやスマホをよく使う方に」、月桃茶は「美容が気になる方、寒い日に」、グァバ茶は「リセットボタンを押したい時に、すらっとしたい方に」、はすの葉茶は「艶やかな生活をしたい方に、美容の方に」とそれぞれ記載があり、その時の気分で選べるように、おすすめの用途の側面を揃えて飾っておくのも良いだろう。

人類は大昔から自身や周りの人の健康を持続したいと願い、元気のないときには体力がつく食物を選び、体調を改善できるような薬草を求めてきたとされる。古来から受け継がれる人類のDNAに従うように、自らの感情に任せて、今日の体調や気分でお茶をセレクトしてみたい。

「直感で選べば、その人に合うものが届くように」と、色彩心理を取り入れた鮮やかな色合いにしているそうだ

芳醇な香りの月桃茶

月桃(げっとう)はご存知の方も多いのではないだろうか。月桃はショウガやウコンの仲間で、ショウガ科の薬草である。鹿児島県南部から沖縄県にかけて、郷土菓子にも使われるポピュラーな植物だそうで、「石垣島の香り華やか月桃茶」は沖縄県・石垣島産の在来種の月桃を使用している。

沖縄本島から南西約410㎞離れており、豊かな自然あふれる石垣島で収穫
昔は石垣島のように沖縄の離島には医師が常駐できなかったが、その代わりに稀に訪れた医者は医療の智慧を島民に授けたそう。その中で民間医療が発達し、薬草茶も発展していったという。そんな石垣島で太陽をたっぷり浴びて育った月桃に出会った新田氏は、早くから石垣島の在来種の月桃に着目し、研究を重ねている農家さんのハーブ畑で丁寧に育てられこだわり抜いた月桃を使い、薬草茶を作り上げた。

ほんのり薄い黄色に色づく月桃茶
香りは少しスパイシーで、華やかで芳醇。ふわっと香る月桃茶はリフレッシュにも最適で、気分を晴れやかにしてくれる。

異なる魅力を持つはすの葉茶、はぶ茶、グァバ茶

tabelは月桃茶だけでなくさまざまな種類のお茶がある

左のはすの葉茶の色は薄い茶色で、右の花はぶ茶はしっかりと色が出る

【八代の日本古来のはすの葉茶】は、熊本県八代地方のもの。現在日本で栽培されているはすは9割ほどが外来種だそうだが、新田氏は八代地方で貴重な在来種のはすの葉と出会い、そのはすの葉を使用している。

抹茶のような深みのある香りと金木犀のような甘い香りがあり、味もほのかに甘く飲みやすく、すっと体内に入っていく。世界三大美女とされる中国唐代の皇妃・楊貴妃も愛飲していたとされ、古くから美容の健康茶として親しまれてきたという。ベトナムでは日常的に飲まれており、はす茶は美人茶という別名があるのだとか。

【高知・黒潮町の視界すっきり花はぶ茶】は、高知県・黒潮町産。高知県の西南部に位置する町で、黒潮町は温暖な気候と美しい自然が特徴。はぶ茶に使われるハブソウは、あずきや落花生の仲間のマメ科の植物で、黒豆を炒ったような香ばしさを持つ。ほうじ茶のような甘い香りもあり、食事やスイーツにも合わせやすい。

高知県の山間部ではこのはぶ茶が親しまれていたそうだが、とある黒潮町に住む方がハブソウの黄色のお花入りのはぶ茶を作ってみたところ、見た目はもちろん味まで美味しくなったという。「星空も、水も、とっても美しい町でのびのび育ったハブソウを、ぜひお楽しみください」と実際に足を運んだ新田氏は魅力を語っている。

【徳之島の夏越しのリセット南国グァバ茶】は鹿児島県・徳之島産。徳之島は、南西諸島の奄美群島に属する離島の1つであり、海から隆起した栄養素満点の土で育ったグァバの葉を丁寧にお茶葉に仕立てている。

「パワフルな島のお母さんたちが、暑い日も丁寧に摘んでくれているお茶。とことん素材や製法にこだわり、本当に美味しいものを届けたい!と、太陽みたいな笑顔を見せてくれました」と新田氏。果実のようなフレッシュな香りが印象的で、少しの酸味があり、さわやかな気分になれる。

さまざまな淹れ方で茶葉を味わう

ホットでもアイスでも美味しくいただけるのが伝統茶{tabel}の魅力だ。

1.お湯出し

緑茶や紅茶を淹れる時と同じように、カップにティーバック1個を入れて140mlの熱湯を注ぎ、3分〜5分蒸らす。お湯は100度近い熱湯がおすすめだ。フタをするとより美味しくいただける。熱湯を入れると茶葉がさらにふわっと香り、心地よい空間に包まれる。お茶によっては二煎目を楽しむことも可能。

2.水出し

ピッチャーなどに1ℓの水とティーバッグ2個を入れて、6〜8時間ほど待つ。夏場は冷蔵庫で抽出するのが良いそう。お湯で急速に抽出するよりも香り高く、まろやかで優しい味わいに。

好みでレモンを絞ったり、炭酸で割っても美味しい

3.煎じる

時間のある時には、水500-600ccに対してティーバッグを1-2個入れて、20〜40分ほど弱火で煮出す飲み方も。一番薬草茶らしい飲み方であり、もっと濃く楽しみたいときにはティーバッグを2つにして楽しむ。煮出すことで風味や栄養を濃厚に抽出でき、お湯出しや水出しとは違った味わいを楽しむことができる。火にかけすぎると味が飛んでしまうので、香りが立ちはじめた頃に、火から下ろすのがポイント。

月桃茶は煮出すことで熱湯を注ぐだけでは出なかった桃のような甘い香りが立ち、色も綺麗なピンク色に染まり、フルーティな甘みが出る。ロイヤルミルクティーのように、水と牛乳を半々で煮出すのもおすすめだそう。

水と牛乳で煮出した月桃茶。煮出す方法によって色や香りが変化する

4.最後まで味わいきる

飲み終わったらティーバッグのまま冷凍してストックしておき、そのまま入浴剤として、またはまとめて煮出して抽出液をお風呂に入れるやり方も。月桃茶は湯上りがしっかりあたたまり、はすの葉茶はしっとり肌がうるおう。はぶ茶、グァバ茶は湯上りがすっきり爽やかになるとのことで、今年の暑い夏を快適に過ごすためにも冷凍保存しておきたい。

また、紅茶や緑茶に混ぜたり、複数の種類の薬草をブレンドしたりと、飲み方にも幅があり、自分好みの飲み方を楽しみたい。

日々の暮らしに薬草を取り入れる

{tabel}は「植物の力を給ぶ、得る(たぶ+える)」ことに由来する
その日の体調や気分に合わせて、体と心の赴くままに、薬草を選ぶ。産地の豊かな自然の風景を思い浮かべて、穏やかな香りとやわらかい味わいに身と心を委ね、体の中に巡っていく薬草茶を感じ、ほっと一息つく時間は日々の忙しさを忘れさせてくれるだろう。すべてノンカフェインなので時間帯を選ばす、好きなときに飲むことができるのもうれしい。体の声を聞き、ゆったりと自分自身と向き合うことができる薬草茶を、日々の飲み物のレパートリーに加えてみてはいかがだろうか。

伝統茶{tabel}

https://tab-el.net/
10個入り 各864円(税込)

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