プラントベースとは?ちょっとした置き換えからはじめる生活改善
プラントベースとは「植物由来」を選び取る生活のこと
ライフスタイルを指す言葉としては、かつては植物由来の食事法だけではなく、衣食住のすべてで植物由来のものを選択することを意味していた。しかし、時代を追うごとに「プラントベース」は植物由来の食べ物を中心とした食事法を指す言葉として使用されることが多くなり、2010年代にはアメリカで「野菜、果物、全粉穀物、ナッツ、種子、豆類などの植物由来の食べ物から作られるもの」と、より詳しく定義された。
近年では健康志向の高まりから、プラントベースの食事法を取り入れる人が増えている。
プラントベース=「ダイエット」や「食事改善」という考え方も
1980年代には、プラントベースはアメリカの栄養学の観点から「低脂肪であり繊維質を多く含む植物由来の健康的な食事」と定義された。また近年では、「植物由来の食品を選ぶダイエット法」のイメージが定着し、健康志向の人に支持されている。
こうした背景から、現在プラントベースを取り入れる人の中には「健康的な体型になりたい」「ヘルシーな食生活を目指したい」など、精神面ではなくカラダにやさしい食生活を第一に考えている人も多いのだ。
プラントベースとは起点が違う「ベジタリアン」「ヴィーガン」とは
ベジタリアンの定義
ベジタリアンと一言でいっても、卵や乳製品も食べる人、魚介類も食べる人など、食材を選ぶ基準はさまざまだ。「植物性食品に加えて何を食するか」によって、ベジタリアンは複数に分類されている。
ヴィーガンの定義
ヴィーガンはベジタリアンの中でも食材を選ぶ基準が最も厳しく、動物由来の食品を一切摂らない。動物“由来”の食品には、卵・乳製品・はちみつといった「動物によってもたらされる食品」も含まれる。さらに、食品以外の毛皮や革製品などの使用も避けるという。これは、ヴィーガンのなかには完全な「人間のエゴイズムによる動物性食品・製品の使用の排除」を掲げている人が多いからだ。「脱動物搾取」という精神的目標の達成に重きを置くのが、ヴィーガンの考え方といえるだろう。
これらの言葉に定着してしまった「イメージ」とは
また、宗教や健康、環境問題のための取り組みという側面を持つ一方で、一部の人が主張する強圧的な動物愛護などの精神的側面が特に注目を集めたことにより、マイナスのイメージだけが一人歩きして誤解を生んでいるという実情もある。
プラントベースとは健康的な食事を目的とした「日々の心がけ」
プラントベースフードは、完璧な菜食主義ではない
植物性食品への置き換えで、健康とおいしい食事を両立する
プラントベースを実践するために必要なのは、食事内容をがらりと変えることではなく、まずは食品の一部を植物由来のものに置き換えること。個人のペースで実践できるため、これまで当たり前に口にしてきた食品が今後一切摂れなくなるといった心配もない。
プラントベースの考え方が食品を選ぶ基準の一つに
プラントベースの考え方は日々のちょっとした心がけや、食品を選ぶ際の着眼点の一つだ。すでにアメリカではスーパーマーケットにプラントベース食品が多く並んでおり、取り入れやすい環境が整っている。
そしてその風潮は、海外発祥の外食チェーン店などを中心に日本でも広まりつつある。例えば人気のコーヒーショップでは、牛乳を豆乳やアーモンドミルクに置き換えるカスタムメニューが取り入れられているのに加え、オーツ麦由来のオーツミルクが期間限定で使われたこともあるという。「カラダによさそうだから」「新しいメニューが気になるから」とチョイスしたことがある人もいるのではないだろうか。それこそが、プラントベースの発想の起点なのだ。
プラントベース食にひと工夫。ホールフードのすすめ
プラントベースと一緒に取り入れたい「ホールフード」とは?
食品ロスをなくして身体にいい。地球の健康にも配慮した食生活
プラントベースの食事法を取り入れて体調を整えるだけではなく、植物性食品への置き換えと同時に環境への配慮まで行えるのは、なんとうれしいことだろう。
原点は「もったいない」。栄養素を無駄なくまるごと食べる
日本には「もったいない」文化が浸透している。ホールフードという言葉自体は新しいが、日本人は古くから食べ物を無駄にしないよう工夫してきた。たとえば漬物や切り干し大根など、食材の皮を剥かずそのまま調理したものもホールフードといえるだろう。
プラントベースを取り入れて菜食中心の暮らしをはじめるなら、ホールフードの考えを意識して効果的に新しい食生活を楽しみたい。
プラントベースミートに植物性ミルク。広がりを見せる植物由来の暮らし
プラントベースは自分主体ではじめられる食生活であり、取り組む理由も方法も人それぞれ自由だ。ていねいな食生活を手軽にはじめたい人や、エコロジーに貢献したい人、健康第一と考える人など、さまざまな考えの人がいるだろう。
どんな目的でも構わない。プラントベースの暮らしに興味がある人は、まずは身の回りのちょっとしたことを植物由来のものに置き換えることからはじめてみてほしい。
【間取り】1K〜1LDK(25.64㎡〜40.8㎡)