Vol.155

FOOD

11 AUG 2020

一人暮らしのおもてなしを格別にする『Dew Rose Cordial』

大切な人を招いて過ごすおもてなしの家時間。居心地の良い空間をセッティングして、料理の腕を垣間見せる一皿を用意して。そして仕上げに飲み物を出す、その瞬間。そんな瞬間をぱっと華やかせ、いつものおもてなしをちょっぴり刺激的に、格別なものにするために。薔薇のコーディアル(ハーブや果物などをシロップに漬け込んで作る濃縮ドリンク)という新鮮なアイテムで、美しいオリジナルカクテルをサーブしてみるのはどうだろう。
薔薇の持つその特別な芳香と美しい色を楽しむことのできる『Dew Rose Cordial』は、自然豊かな小さな集落で、サステナブルな環境のもと育てられた薔薇を用いて作られた、国内でも他に類を見ない商品。その背景に想いを馳せつつ、カクテルを作り楽しむ行為はそれまで経験したことのない美的体験になるだろう。

今回は、Agarato(あがらと)の『Dew Rose Cordial』を紹介し、一人暮らしのおもてなしのメニューに薔薇のオリジナルカクテルを提案しようと思う。

山と川に囲まれた小さな集落から世界へ。世界一の”食用薔薇”農園を目指して

竹で作られたハウスが緑豊かな三尾川の美しい風景に馴染んでいる。
和歌山県の古座川町は人口わずか2,600人程度、コンビニも信号機も存在しない、面積の96パーセントが山林という緑豊かな小さな町。そんな小さな町の、さらに小さな集落、三尾川に食用薔薇農園のAgaratoはある。

Agaratoは、荒れ果てた耕作放棄地を開墾することからその歩みを始めた。


Agarato創業者の土井新悟さん。農業が盛んだった父の郷里、三尾川がどんどん寂れていくのをはじめは仕方がないと思っていたという。
土井さんが自ら立ち上げた電気工事会社の事業が成功を修めたころ。社員たちと今後について語り合う機会を持った。すると、会社の発展を考えるだけじゃ物足りない、100年後にどうありたいかを考えよう、という流れになったという。その後様々語り合う中で、人と自然とエネルギーの未来に繋がるような事業をするべきではないか、という共通の想いに至った。

自分の子供時代の休暇や、お子さんを連れての帰郷の際に毎年のように訪れていた三尾川。その美しい清流や土地、失われようとしている農の歴史と、土井さんたちの想いがつながった。

三尾川で新しい、農を中心とした事業を開始する。そのことは決まったが、じゃあ誰が行く?ということになった。

「無いものを形にするのは社長が一番得意でしょ!」と社員たち。話が決まってすぐに単身、三尾川へやってきた。そこからひたすら草刈り、開墾の日々。そして竹を利用した農業用ハウスを建てる独自の試みに挑戦。試行錯誤の末、現在の工法にたどり着いた。

竹は成長が早いため、刈り取っても環境への負荷が少ない。竹を覆うシートには通常なら廃棄を待つだけの使用済み建築用シートを利用している。
そんな世界でも珍しい竹ハウスの中で育てられているのが日本国内ではまだあまり知られていない、エディブルローズ(食用薔薇)だ。

朝のハウスの中に入ると薔薇の芳香に包まれる。

ファームディレクターの久山秋星さん。フローリストでもある。「植物をアレンジする時には曲がりくねったような、自然のエネルギーを感じられるようなものに心惹かれます」
三尾川に来てから初めて本格的に花の栽培を始めた久山さん。Agaratoで栽培するものは初めから薔薇と決まっていたわけではなかった。

「どうせなら一番難しいものに挑戦しよう」ということになったのだ。「ヨーロッパのぶどう園では昔から周りに薔薇を植えていたんです。薔薇はぶどうよりも先に病気や虫にやられる。それを目印にしていたんだそうです」と言うほど薔薇は育てにくい花だ。

久山さんは薔薇の持つ美しさや香り、その効能だけではなく、人々と薔薇との特別な関係性にも注目しているという。

「古くはクレオパトラの時代から愛されて、改良を加えられつつ、長い歴史を人間とともに生き抜いてきた薔薇は単なる花ではなく、人間の持つ高次な欲求を刺激してくれる特別な存在だと思うんです」

今や国内最大級の食用薔薇園であるAgarato。農薬・化学肥料・動物性肥料を使わない植物性自然栽培で育てられた薔薇をひと目見たいと県外からも人が訪ねてくる。

「やるからには世界一の薔薇園を目指します」と創業者の土井さんは語る。

Agaratoの歩みはまだまだ続く。

その格別な香り、色、エッセンスをそのままに閉じ込めた『Dew Rose Cordial』

まずその色に、蓋を開けるとその香りに魅せられる。かき氷やアイスクリームなど、このコーディアルをかけるだけで何にでも薔薇の香りと風味を加えることができる。
薔薇はリラックス効果や老化防止に効果のある成分などが含まれていることでも知られている。農薬や化学肥料を使うことなく、古座川の清流の水で育てた瑞々しい薔薇を朝摘みし、そのエッセンスをギュッと閉じ込めて作られたコーディアルが『Dew Rose Cordial』だ。

通常の栽培方法ではハウスを加温して冬でも花を収穫するのだが、Agaratoでは加温はあえて行わず、薔薇は冬の時期には葉を枯らし、半年ほどをきちんと休む。きちんと休んだ薔薇は春になるとまたあらたに生命力を蓄えた質の良い花を咲かす。

朝露をまとった薔薇が最も芳香を放つ。一輪一輪丁寧に摘み取ることでその色と香りとエッセンスを逃さない。

薔薇の鮮やかな赤と香りを残すために一年ほどかけて製法を確立していったのだそう。
薔薇が最もその芳香を放つのは朝の開花時だ。朝摘みの薔薇の色や香り、エッセンスを存分に抽出するため、薔薇の花びらを丁寧に素材と揉み込み、手作りの雑味のないシロップにじっくりと漬け込んで作られる。

その色と香りを存分に生かして。薔薇のオリジナルカクテルでおもてなしのテーブルを華やかに。

特別な日に大切な人と過ごす家時間に、この薔薇のコーディアルで作るオリジナルカクテルを提案したい。

鮮やかな赤をカクテルに加えるリキュールは様々あるが、『Dew Rose Cordial』のように薔薇を使い、しかも天然素材だけで美しい赤と香りを楽しめるものは唯一無二と言っていいだろう。

爽やかなミントと薔薇の色や香りを同時に楽しむことのできる薔薇のモヒートはこれからの季節にぴったりのカクテルだ。

薔薇のモヒート

四つ切りしたライム1/2とミントを20枚程グラスに入れて軽く潰し、 Dew Rose Cordial30ml、氷、ラム50ml、炭酸水50mlの順で入れてよく混ぜる。
卵白のクリーミーさが薔薇の香りと色をまろやかにしてくれる、薔薇のクローバークラブは、マイルドさと高揚感を兼ね備えた飲み心地。

薔薇のクローバークラブ

ドライ・ジン30ml、 Dew Rose Cordial30ml、レモンジュース15ml、卵白1個分を強くシェイクし、カクテルグラスに注ぐ。

アルコールフリーのカクテルも 『Dew Rose Cordial』で

アルコール不使用のコーディアルならアルコールフリーのカクテルにもぴったり。薔薇のレモネードはレモンのビタミンCと薔薇の抗酸化作用で美容にもうれしい一杯だ。

薔薇のレモネード

Dew Rose Cordial30ml、レモンジュース30mlをグラスに注いで氷を入れ、炭酸水100mlを注いで軽く混ぜる
牛乳と『 Dew Rose Cordial』で作るローズ・ミルクはマットなピンクが可愛らしい一杯。デザート感覚で楽しめる。マリブを加えてカクテルにしても美味しい。

ローズ・ミルク

グラスに氷を入れて Dew Rose Cordial30ml、牛乳を80mlほど注いで混ぜる。

薔薇を飲み物として楽しむ、という体験が開く新たな扉。

遊びにきてもらった人にどんな飲みものを出すのか、そして合わせる一皿は何がいいだろう、ピンチョスかな、などと頭を巡らすというのはおもてなし好きにとっては大きな楽しみの一つだと思う。

薔薇を使った飲みものに何を合わせるのか、という問いに取り組むことは非常に新鮮な遊びになるのではないだろうか。 天然素材だけで作られた『Dew Rose Cordial』の色と繊細な風味を楽しむということはこれもまた新たな感覚の遊びになりうる。

『Dew Rose Cordial』でいつものおもてなしに新しい楽しみ方をプラスし、より魅力的で新鮮な時間を過ごしてもらいたい。

Agarato/Dew Rose