間食がモチベーションになる、子どもらしい一面は、何歳になっても消えることはないのかもしれない。
snaq.me(スナックミー)を知ってから、間食を素直に楽しむことができるようになった。おやつ時間の体験を向上させてくれたサブスクリプションサービスを紹介したい。
おやつのサブスクリプションサービス
1箱あたりに含まれるおやつは8つ。配達の頻度は、2週間に1度か、4週間に1度の2パターンに分けられる。ユーザーのほとんどは4週間に1度のプランを選んでいるそうだ。定期便以外に、お気に入りの商品や期間限定商品を追加注文することもできる。
運営を担う株式会社スナックミーは、サービス開発から商品の企画、発送までを自社内で行なう。社内に在籍する3名のバイヤーが、全国津々浦々の製造者にアプローチし、商品化しているのだが、驚かされるのはそのスピード感だ。おやつは常時150種類くらい用意されており、そのうちの2~3割が、毎月更新されている。
「パイナップルはカンボジア産のものです。あらゆるパイナップルを比較した結果、もっともユーザーさんからの評価が高かったものを残しました。現在も異なった品種のパイナップルを発送してみることもあるのですが、このパイナップルに勝る評価を得るものは他にありません」
発送されたおやつは、ユーザーによるフィードバックを得る。「苦手」「大好き」などの選択肢が用意されており、その統計データをもとにおやつのブラッシュアップをしているというのだ。そのため、snaq.meの商品企画では社内での試食会や議論はあまり行わない。バイヤーの感性でおやつを製品化し、まずはユーザーに食べてもらうということを大切にしているのだとか。
「いただいたフィードバックは、お届けするおやつのセレクトにも反映されます。継続するにつれて、より嗜好に沿ったおやつを楽しんでもらえる仕組みになっています。ユーザーさん自身も、自分の好みを正確に把握していないことがよくありますから、まずはいろんなものを食べていただきたいという思いがあります。このドライパイナップルは、ぜひいろんな人に食べてもらいたいですね」
箱が届くのを待つところから食べ終わるまでが「おやつの時間」
snaq.meのアイデアを生み出した服部さん自身も、おやつを食べる行為の前後までを「おやつ」の時間に含めるべきだと考えている。
「僕たちは、おやつ時間の体験を向上させることをミッションにしているんです。おやつという言葉は、時間を称する言葉が由来しています。近代以前の日本で使われていた時間の表し方でいう、現在の午後2時から午後4時のことを”八つ”というんです。だから僕たちはモノとしての’’お菓子”ではなく、時間としての”おやつ”を売っているつもりで提供させてもらっています」
裏面をみると、原材料が記されている。
ドライパインなら、「パイナップル」としか書かれていない。チョコレートなら「カカオバター」「アガベシュガー」のみ。自分が知っている材料しか使われていないことに驚いた。
「一般的なおかきに使われているお米は、甘みのすくない品種で、食卓に並ぶご飯に比べて安いものであることが多いのですが、このおかきは、ごはんとして食べても美味しくいただける品物を使っています。そのため、お米らしい甘みを感じていただけるようになっています。最低7回は噛んで、味わってみてください」
かみごたえがあり、風味も豊かで、満足感の高い一品。普段、おせんべい系のお菓子を選ばなかった筆者であるが、「おかき揚げずんだ」は一番のお気に入りになった。
どんなおやつが入っているかわからないからこそ、これまで気づいていなかった自分の好みを知ることができるのかもしれない。
筆者は、仕事中や疲れて帰ってきた夜に、口が寂しくて間食をする習慣がある。しかし、ネットの噂や健康を気にするあまり、甘いものを食べる時間を素直に喜べない自分がいた。
砂糖がふんだんに使われたチョコレートや、塩気の効いたポテトチップスをつまむたび、幸福感と罪悪感が混ざり合った不思議な感情を得てしまう。「間食はいけないこと」と、知らないうちに思い込んでいたのだろう。
例えば、珍しい食べ物を知れることについて、喜びを感じているという人。また、元来食品の安全性への意識や健康志向は低かったけれど、snaq.meの利用を通して、食選びにこだわりを持つようになったという人もいるそうだ。
自分の好みに限りなく近いものが届き、その品質も保証されているsnaq.meは、食べることが大好きな人にとってとても有意義なサービスだと思う。仕事や子育てのブレイクタイムに、自分へのご褒美に、スナックミー社が演出する「おやつ時間」を過ごしてみて欲しい。
Photo: Yuki Morita