香港で行列が絶えない新感覚レストランが日本に初出店した。2021年の東京オリンピック会場になった国立競技場や原宿・表参道へも徒歩圏内でありながら、昔ながらの建物や住宅が並ぶ神宮寺前にCENSU TOKYOがある。店前を通る人は、のれんや木目が日本の美を感じさせる建物に興味津々の様子だ。店内では華やかな料理が並び、どれも新しい味覚・食感への好奇心と満足感を与えてくれる。
表参道や原宿から徒歩圏内ながらも、落ち着いた雰囲気
神宮寺前は人通りが少ないながらも、人気の飲食店やファッションブランドが存在する場所。徒歩10分以内でアクセスできる最寄り駅が多いのが魅力的。
大通りを離れると、昔ながらの建物や住宅が並び、落ち着いた雰囲気に。この日は、国立競技場や明治神宮野球場などのレジャー施設へ向かう人々で賑わっていた。
CENSU TOKYOは国立競技場から約300mのところにある。都心の近代的なビルとは対照的に、木材とのれんが印象深い店構え。
確かな味と技術があるからこそ、生み出せる「遊び心」
CENSU TOKYOでは、フランス料理をベースに、和洋中の食材や技法を取り入れた創作料理を提供する。星付きレストランを経験した2人のシェフが協力して、メニュー開発や店舗プロデュースを行っている。
オーナーシェフの金須(きんす)さんは、フレンチの星付きレストランなどで修行を重ねた後、香港に渡り、CENSU 香港にジョインした。代表の佐藤さんのもとで腕を磨くも、しばらくしてコロナ禍の影響で止むを得ず日本に帰国することに。しかし、そこで歩みを止めることはせず、帰国後はCENSUの日本店オープンに向けて準備を進め、街に活気が戻り始めた2023年にCENSU TOKYOをオープンした。
店の外観や内装は木の温もりと日本の「侘び寂び」を感じさせる造りになっている。都会の喧騒から離れ、落ち着いた雰囲気に身を置きたい人にはぴったりの場所だ。全てのテーブルに一枚板が使われており、迫力のある空間で贅沢な時間を過ごすことができるのもまた特徴である。
店の中をよく見るとカジュアルな要素も取り入れられているのに気づく。例えば、吊り天井に施された唐草模様や千鳥格子クッションのドクロ模様には遊び心があり、厳かな店内の雰囲気にほどよい緩和をもたらしている。
多様性から生まれる合理性、人も料理も高みを目指す
1階のカウンター席はキッチンの臨場感を体感できる空間だ。スタッフはそれぞれ世界各地にバックグラウンドを持つため、英語での指示も飛び交う。お互いが理解できれば言語は日本語でも英語でもかまわないという柔軟さと合理性もCENSUらしさだといえる。
多様性があるのは言語だけではない。料理も同様だ。日本の旬の食材を使用しているが、決して和食の枠にはとどまらない。今よりももっと美味しいものをつくるために必要であれば、既存の枠組みも取り払う。その高みを目指す姿勢にやはり柔軟さと合理的な印象を受けた。
各国の食文化を吸収してきたシェフがつくる創作料理を、私が既存の和洋中の枠にはめようとしても結局無粋なだけである。そんな野暮なことをするよりも、自分の中にある固定概念を取り払い、目の前の料理の味を楽しむことだけに集中した。
フランス料理をベースに、和洋中の食材や技法を取り入れた創作料理
今回いただいたのは、旬のイチジクを使った「ドランケンダック」。レバーパテと鴨肉をウイスキーやオレンジリキュールで味付けしているので「酔っぱらった鴨(ドランケンダック)」と名付けられた。生まれて初めて食べる組み合わせに最初は味の見当が全くつかなかったが、イチジクの爽やかさと柔らかい鴨肉、レバーの苦味の相性が抜群だった。おつまみとしてもおすすめしたい一品。
他にも定番商品として人気だというチキンパエリア。まず見た目のインパクトがすごい。3日間寝かせた鶏肉はしっとりとジューシーに仕上がっており、外はカリカリ、中はふっくらとした食感で、見た目、食感、香りの全てが新感覚なのだという。
唯一無二の料理は楽しい驚きを与えてくれた。CENSU TOKYOであれば、食へのこだわりが強い友人にも自信を持っておすすめできる。
新しい食文化を発信する
人も、料理も既存の型にとらわれないCENSU TOKYO。柔軟で合理的な彼らの姿から、コロナ禍の苦難を乗り越えたたくましさと新しい時代の生き方が垣間見えた。最先端トレンドの発信地としても知られる表参道・神宮前を拠点に、新しい食文化を発信する彼らの今後の活躍が楽しみである。ぜひ一度はCENSU TOKYOに足を運んでほしい。
CENSU TOKYO|センストーキョー
CURATION BY
宮城県仙台市。中学受験の受付事務を退職後、仙台にて行政関係の事務職や、東京・仙台を拠点とするWeb系の広告制作会社を経て、現在はフリーランス。行政でのWebメディア企画運営やWeb制作会社での経験を基に活動中。Webメディアで執筆、Web制作、SNSの運用、PR業務など。