人類が「灯り」を使い始めた起源には様々な説がある。ただ一つ言えるのは、火を活用し始めた時が灯りの起源であるだろうということ。その時から我々は文明の進化とともに、焚き火からキャンドル、ガス灯、電球、そしてLED照明へと生活の中で切ってもきれない存在として今に至っている。そんな中、家電という道具を通して新しい体験を我々に提供するBALMUDA(バルミューダ)から発売された、ポータブルLEDランタン「BALMUDA The Lantern(バルミューダ ザ・ランタン)」に注目。この機会に灯りが持つ本来の意味をもう一度考え直してみようと思う。
ランタンの優しい灯りが、生活に潤いを与える
灯りが心身にもたらす安らぎの効果を意識して照明を選ぶ方が、ここ最近の日本でもかなり増えてきた。直接的な灯りではなく、壁や天井に一度投射することで空間づくりをする間接照明が市民権を得てきたのも一つの証と言えるだろう。
とはいえ、ランタンのように陰影も楽しむことができる照明器具よりも、まだまだ照明たるもの、上から部屋全体を照らすものと思っている方が大半なのも事実。そんな方達に伝えたいのは、穏やかな気持ちでいられるよう、自分好みに灯りもカスタマイズする時代が到来しているということ。快適な灯りと便利な灯りは明らかに違うのである。
場面を選ばずにいつもの雰囲気を変化させる
「BALMUDA The Lantern」の特徴として、削ぎ落とされたデザインの中にある機能美と、簡単に移動ができる利便性の良さが挙げられる。たとえば食卓を囲む時、本や音楽を楽しむ一人の時間、一家団欒の時など、いつもの照明から「BALMUDA The Lantern」に変えるだけで、日々の生活がちょっとだけ幸せに過ごせる気がする。
しかも気軽に、照明の雰囲気を簡単に変えられるならば、ぜひやってみたいと思える。そこで、この製品を使用しているところを具体的にイメージするところから始めてみてはいかがだろう。きっと、わくわくしながら使用している自分の姿が目に浮かぶはずだ。
コードレスだからできる灯りを移動するということは、空間を自分好みの光量と色味とタイミングで演出できるということ。懐中電灯などの移動性とはまた違った意味合いだ。灯りを変えるだけでいつもの雰囲気とは打って変わり、パートナーとの大切なひと時の会話も弾むことだろう。
また寝る前の読書時などにもぴったり。徐々に眠りへと誘ってくれる程よい光量が、快適な睡眠を与えてくれる。また子どもならば家の中でちょっとした探検気分を味わえるようで、夜中のトイレも怖がることなくひとりで行くことができるようになり、ちょっとした自信にも繋がったりするものだ。
秀逸なデザインから読み取れる、BALMUDAの心意気
これまでにも、スチームトースター、電気ケトル、炊飯器、オーブンレンジなど多くの名品を世に送り出してきたBALMUDA。洗練されたデザインのなかに、最小限に抑えられた機能を搭載したシンプルさが売りの製品を作り続けている。かく言う私も、上記の製品を愛用するBALMUDAユーザーである。
もれなく、この「BALMUDA The Lantern」も、扇風機に革新を起こしたDC扇風機や、科学的なアプローチで開発したスチームトースターなどと同様、BALMUDAが得意とする機能性の追求を引き継いだ逸品であることは間違いない。まず目を引くのは、クラシカルなランタンの存在感を現代にアップデートしたデザインだ。インドア、アウトドア問わずに馴染むその佇まいは、有意義な時間を我々に提供してくれる。また、掴みやすい取っ手や持ち運びやすいデザインだけではなく、フックなどでぶら下げられるようにもなっているので、心地よい灯りとともに大切な時間を楽しみたい方には嬉しい限りだ。
その操作方法も実にシンプル。本体の土台部にあるツマミを回すだけで明るさに応じて色温度が変化し、様々なシチュエーションに適した光を選ぶことができる。BALMUDAのこれまでの製品同様、説明書がなくても操作できる簡易さは、使う者にとってはとてもありがたいことなのだ。
気になる駆動方法は充電式バッテリーを採用。約6時間の充電で、連続使用時間も最小照度で50時間、最大照度でも3時間という十分すぎる力を発揮してくれるので、アウトドアへの持ち出しも怖くない。もちろん生活防水レベルの防滴性能は備えているので、水しぶきや雨がかかる程度なら気にせず使用することができる。
「BALMUDA The Lantern」がもたらす味わいの時
人間がもともと持つ本能からなのか、古き時代より灯りの周りには自然と人が集まってきた。暖かな灯りに人は温もりを感じる。その適度な明るさは絶妙な闇とのバランスで、すべてを映し出すことなく視覚から受け取る情報を制限してくれる。
その結果として自分自身の心にもゆとりが生まれてくる。普段では聞き取れない外の音、虫の鳴き声、そしてこころの声と向き合える。それこそがまさに自分だけの時間を楽しむということではなかろうか。すべてを映してしまう蛍光灯ではできないことである。
電気機器の発展とともに、灯りの持つ本来の癒しの力と向き合うことが少なくなった現代人。日々の生活に追われ、ちょっぴり疲れた方は特に灯りを囲む意味をもう一度見つめ直してもいいかもしれない。部屋の隅々まで照らすのではなく、灯りとともに人が動く生活というのも悪くないものだ。そんな商品が今の時代に必要とされていると感じる。
BALMUDA The Lantern
カラー:ブラック/ホワイト ¥13,800(+tax)
公式サイト
https://www.balmuda.com/jp/
CURATION BY
編集者/文筆家。ストリートカルチャー、ファッション、プロダクト、バイク、車、伝統工芸など幅広いジャンルで執筆。多くの趣味をライフスタイルとして持ち、そこを通して経験してきたコトをリアルに表現することを得意とする。