一人暮らし向けで人気な物件タイプのひとつに、ロフト付きの部屋がある。ワンルームや1Kなどの部屋数が少ない物件でも、ロフトという居住スペースと分かれた空間があるのはうれしい。しかし「ロフトをどのように活用すればよいのか分からない」「実際に持て余している」という人は多いだろう。
そこで、ここではロフト空間を上手く活用するための収納術を、整理収納アドバイザーが分かりやすく紹介する。
ロフトの使い方|ロフトを収納スペースとして活用しよう
ロフトの定義とは
ロフトとは、部屋の天井を高くして、一部を2層にした上層空間のこと。建築基準法では「小屋裏物置等」という扱いになり、天井高は最大1.4m、床面積は直下の階の1/2未満と定められている。
ロフトは収納スペースとしての活用がおすすめ
一人暮らしの部屋では、収納スペースが足りないと感じる人も少なくない。居住スペースにはあまりモノを置きたくないという人もいるだろう。そんなときロフトを効果的に使えば、余裕を持たせた収納スペースを確保できるのだ。
ロフトに何を収納するか明確にしておこう
ロフトには、何を収納するか事前に明確にしておこう。収納計画があいまいなままだと、生活していくうちに「いらないモノをとりあえずロフトに置くだけ」になってしまうからだ。ロフトをクローゼット代わりにする、趣味のモノを置く、来客用の布団を置いておく……など、使い方はさまざま。自分の目的に合わせた使い方を決めよう。
一人暮らしの部屋にロフトがあるメリット
収納力が上がる
一人暮らし用の部屋では、十分な収納スペースが確保できないこともあるだろう。仕事や趣味のモノ、衣類などが多いという人にとって、収納スペースの大きさは気になるポイント。また、整理していても、生活しているうちにモノは増えていく。そんなときロフトがあれば、広々とした収納スペースとして活用できる。収納スペースがとにかく欲しい人にはおすすめの空間といえるだろう。
居室スペースを有効活用できる
居室スペースだけだと、収納家具の置き方や大きさによっては場所を取ってしまい、部屋が狭く感じることがある。しかし、ロフトがあれば居室スペースと収納スペースをはっきりと分けることができるのだ。同じ床面積の部屋でもロフトがある場合とない場合では、空間の使い方も変わってくるだろう。
ロフトに移動するには階段かはしごを上る必要があるため、日々よく使うモノは居室スペースにある方が便利ではある。ときどき使うモノや使用頻度が低いモノをロフトに収納しておけば、居室スペースに置くモノの量が限られ、日々よく使うモノもより使いやすくなるのだ。
生活感を隠せる
ロフトは居室スペースからは見えにくいため、生活感がでやすいモノや来客に見られたくないモノを隠しておくのにぴったり。居室スペースを常におしゃれにしておきたい人にとっても、生活感を隠せるのはうれしいポイントだろう。
ロフトにモノを収納する際の注意点
ロフトは、メリットだけではなく注意点や確認事項も知っておく必要がある。
はしごや階段を使って移動できるモノを収納する
ロフトに移動するには、はしごもしくは階段で上り下りする必要がある。そのため、重すぎる、大きすぎるモノは運ぶのが大変だ。また、転落につながる恐れもあるため、ロフトに収納するモノは運びやすさも考慮しよう。
収納グッズは天井の高さに合わせる
ロフトの天井高は最大1.4mと建築基準法で定められている。ロフトに置くハンガーラックやカラーボックスなどは、天井の高さを確認してから購入しなければならない。また、収納家具は軽い素材や組み立てられるタイプを選ぶとロフトにも運びやすいだろう。
気温・湿気の影響を受けやすいモノは避ける
ロフトは、夏は高温多湿、冬は低温になりやすいため、湿気・カビ対策が欠かせない。定期的にサーキュレーターで空気を循環させたり、防湿材を活用したりしよう。また、気温・湿気の影響を受けやすい絵画や楽器、大切な衣類などは、ロフトでの収納を避けた方が安心だ。
目的に合わせたロフトの収納術と便利なアイテム
ロフトに衣類や本などを収納したいとき、直置きは避けたい。直置きしていると、モノが増えていくたびに乱雑になり、ただの物置きのような空間になってしまう。
ロフトに何を収納するか決めたら、目的に合った収納アイテムを取り入れて、スッキリとした整理された空間を目指そう。目的に合わせたロフトの収納術と便利なアイテムについて紹介する。
ハンガーラックを使えば、クローゼット代わりになる
シワになりやすいコートやスーツなどの収納には、ハンガーラックが便利だ。組み立て式のハンガーラックであればロフトで組み立てられるうえに、ロフト内の移動も、掃除も簡単になる。キャスター付きのモノを複数置いて、シーズンごとにラックを分けておけば、衣替えもラクに行えるだろう。
衣類の詳しい収納術は、こちらの記事を参考にしてほしい。
vol.396「一人暮らしのクローゼット収納術。使いやすく整理して洋服選びや衣替えをシンプルに」
https://zoomlife.tokyo/koto/396
衣装ケースを組み合わせれば、ジャンルごとに収納できる
衣装ケースはさまざまな大きさのモノが売られているため、自分のロフトのスペースや目的に合わせて組み合わせて使える。同じメーカーやカラーでそろえると、統一感もアップ。衣装ケースには「ふた付きタイプ」と「引出しタイプ」があるが、引出しタイプが圧倒的に使いやすいだろう。
洋服だけでなく、洗剤類や調味料、非常食などのストック、来客用のタオル・シーツの保管にも便利だ。引出しごとにラベルを貼っておけば、どこに何が入っているかが分かりやすい。
カラーボックスを置けば、本や書類が整理できる
カラーボックスは、天井高のないロフトでは横向きに置くのがおすすめ。キューブ型のボックスであれば、ロフトの高さに合わせて追加購入することも簡単だ。カラーや素材もさまざまなため、収納物や部屋の雰囲気に合わせて選べるのもうれしい。
入れるモノに合わせて、カゴやミニケースを取り付けたり、棚板を調節したりすれば、デッドスペースも減らせる。
ロフトは使い方次第で一人暮らしの救世主になる
ロフトを有効活用すれば単に収納量が増えるだけでなく、備え付けのクローゼットをスッキリさせたり、居室スペースを広く使ったりできる。つい物置き化しがちなロフトは、何を収納するか目的を決めたうえで、収納用品を取り入れて使いやすいように整理しよう。
ロフト付きの部屋は、居室スペースに極力モノを置かない暮らしをしたい人も快適さを感じるはずだ。紹介した収納術を参考に、ぜひロフトの空間を上手に活用してほしい。
CURATION BY
整理収納アドバイザー。講師を務めるセミナーはリピート率90%以上。
メディア出演、コラム執筆、ショールームでの収納コーディネートをはじめ、収納用品の開発や監修なども行っている。