江坂(大阪府吹田市)は、新大阪や梅田へのアクセスが良く、便利で住みやすい街として人気のエリア。駅前には商業施設が充実し、少し歩けば閑静な住宅街や公園が広がる。しかし、「便利な街」というだけでは少し物足りない気もする。忙しい毎日の疲れを癒してくれるグルメやくつろげる空間があればもっと魅力的ではないだろうか。実は江坂には、おしゃれなカフェやレストランが点在し、ゆったりとグルメを楽しめるスポットが豊富にある。そこで今回は、ランチとスイーツを堪能しながら、街歩きを楽しめる休日プランをご紹介したい。
適度な賑わいと静けさが共存する、心地よい街
江坂駅は、Osaka Metroと北大阪急行電鉄が乗り入れる駅で、大阪の中心地・梅田駅まで約10分、新大阪駅まではわずか5分と交通の利便性が高い。Osaka Metro御堂筋線は大阪を南北に走行する主要路線で、梅田からさらに南へ進むと、ビジネス街の淀屋橋・本町、活気あふれるミナミエリアの心斎橋・なんばへも乗り換えなしでアクセスできる。近年は人口が増加傾向にあり、若年層や働き盛りの世代、子育てファミリーからも人気がある。
駅を出るとすぐに繁華街が広がる。有名なのは「江坂ウエストサイドストリート」で、大型商業施設が立ち並び、日常の買い物はほとんどここで完結する。スーパーの数も多く、中には24時間営業の店舗もあり、仕事で帰りが遅くなった日も安心だ。
繁華街を離れて数分も歩くと、静かな住宅街になり、落ち着いた環境で生活できそうだ。適度な賑わいと静けさが共存する、心地よい街だという印象を受ける。
街並みを少し散策したところで、さっそく本日の本題の一つであるランチに向かおう。
江坂公園の緑を感じながら、ビュッフェ付きの贅沢ランチを楽しもう!
今回ランチに選んだのは、「goodspoon江坂公園店」だ。江坂駅周辺には公園が多く、駅から徒歩圏内にも複数ある。岡本太郎さんのモニュメントがある豊津公園のようにユニークな公園もあるが、最も広く、施設が充実しているのは江坂公園で、「goodspoon江坂公園店」も公園内にある。
飲食店経営や店舗デザインを手がける株式会社カームデザインが運営するスタイリッシュなレストランで、公園側がガラス張りになっており、緑を眺めながら食事を楽しめる。
運営本部レストラン事業部マネージャーの北橋野乃子さんに、店舗や食事のこだわりを伺った。「春や秋には、公園に面したビニールカーテンを開けて、自然を感じながら食事を楽しんでいただけます」と北橋さん。テラス席もあり、暖かくなる3月頃には外での食事を楽しむ人も増える。また、店舗設計にも工夫があり、天井を奥に向かって少し下がるように傾斜させることで、広々とした印象を演出しているそうだ。
ランチはビュッフェ付きメニューが人気で、ピッツァとサラダのビュッフェ、選べるメインディッシュ、ドリンクバーがセットになっている。メインディッシュは、ハンバーグやカツレツなどの惣菜系もあるが、一番のおすすめは「王様のボロネーゼ」とのこと。ボロネーゼパスタに、自家製ブラッターチーズが丸ごと一つ乗った贅沢な一皿だ。
ブラッターチーズとは、イタリア南部のプーリア州で生まれたフレッシュチーズで、袋状にしたモッツァレラチーズの中にストラッチャテッラと言われる、モッツァレラチーズと生クリームを混ぜ合わせたチーズを詰め込んだもの。goodspoonでは店舗内のチーズ工房で自社製造している。
実際に「王様のボロネーゼ」を注文してみた。ナイフで切り込みを入れると、チーズがとろけ出し、パスタ全体を包み込んだ。軽やかな味わいで、ほどよい歯ごたえのパスタと絶妙に絡み合う。
ビュッフェには3種類の窯焼きピッツァやサラダ用に彩り豊かな野菜が並ぶ。
また、ドリンクバーにはコーヒーやジュースに加え、デトックスウォーターやワインも含まれているのが嬉しいポイント。たまには、ワイングラスを片手にゆったりとしたランチを楽しむのも良さそうだ。
平日はママ会の利用が多く、休日にはファミリー層が中心だそうだが、友人同士やカップルにも自信を持っておすすめできる一軒だ。
図書館併設の広々とした公園で、のんびりとした散歩もおすすめ
さて、ランチでお腹が満たされたところで、公園を散策してみよう。
江坂公園は図書館を併設した公園で、2023年4月にリニューアルオープンし、その際に図書館やトイレも再整備され、快適に過ごせる環境が整っている。ランチで訪れた「good spoon 江坂公園店」のほか、ブランコをモチーフにしたカフェ「PARK CAFE BRANCO」も同時期にオープンした。
図書館はコンパクトながら、書棚にはさまざまなジャンルの書籍が並ぶ。中2階には閲覧スペースがあり、学生から年配の方まで、幅広い世代が利用している様子だった。公式サイトによると、江坂公園は東西210メートル、南北180メートルと広々としており、のんびり歩くだけでも良い運動になりそうだ。
心地よい空間とこだわりのクレープで、至福のひとときを
散策の後、小腹が空いたらスイーツを楽しむのもいい。江坂には、おしゃれなカフェから素材にこだわったオーガニックカフェ、昭和レトロな喫茶店まで、さまざまなコンセプトのお店が点在している。その日の気分やテーマに合わせて選べるのも魅力の一つだ。
今回訪れたのは、江坂公園の北西に店舗を構える「ラ クレープリー ドゥ ポパン 江坂店」。こちらは、大阪府箕面市に本店を持ち、全国に17店舗(2025年3月現在)を展開するノイカフェ系列店の一つ。とはいえ、系列店ごとに個性を大切にしており、提供するメニューや内装、店名も異なるため、系列店と気づかずに訪れる人も多いそうだ。関西だけでなく東京にも店舗があるので、機会があればぜひ足を運んでみてほしい。
閑静な住宅街でゆったりと過ごすことをコンセプトにつくられた店内は、白を基調とした明るい空間に、木のテーブルや椅子が並び、洗練された空間であると同時に温かみも感じられる。足下にはさりげなくコンセントが配備されており、平日は仕事の合間に立ち寄るスーツ姿の男性も多いという。休日になるとファミリー層が増え、江坂公園で食べるためにテイクアウトを利用する人も多くなる。
店長の谷内友美さんにおすすめを聞くと、季節のフルーツをたっぷり使った華やかなクレープが挙がるかと思いきや、意外にも「シュガーバタークレープです」とのこと。グランマルニエを効かせた国産小麦のクレープ生地に、砂糖とバターのみで味付けするシンプルな一品だが、焼き加減や配合で食感が大きく変わるため、作り手の技量が求められるという。「『より少ないことは、より豊かなこと』というコンセプトのもと、素材の味を存分に味わえるこのクレープを大切にしています。上はサクサク、中はモチモチです」
シュガーバタークレープにも惹かれたが、下調べの段階から気になっていた「ストロベリークリーム」を注文させてもらった。クレープスタンドから手に取ると、何層にも重なった生地と、隙間を埋めるようにぎっしり詰まったクリームの重みを感じる。だが、ひと口食べると驚くほど軽い口当たりで、最後まで美味しくいただけた。もちもちとしたクレープ生地の中には、フランボワーズソースがたっぷりと入っており、満足感が高かった。
クレープは店内でのイートインやテイクアウトして公園で食べる以外に、自宅への持ち帰りを選ぶこともできる。上のクリームが崩れないようにカップに入れてもらえるため安心だ。さらに、江坂店はギフトに力を入れており、焼き菓子は店内で焼いた店舗オリジナルのもの。ショーケースにはケーキも並んでおり、クレープを楽しんだ帰りに、家族へのお土産に焼き菓子やケーキを購入していく人も多いそうだ。
自分だけのお気に入りの過ごし方を見つけてみて
江坂には、今回紹介しきれなかった魅力的なお店がまだまだたくさんある。賑やかな中心地へ出かけるのも楽しいが、個性豊かなお店を巡りながら、江坂でのんびりと過ごす休日もまた格別だ。自分だけのお気に入りの過ごし方を見つけてみてはいかがだろうか。
goodspoon江坂公園店
住所:大阪府吹田市江坂町1-19-38
営業時間 :月~日、祝日、祝前日: 11:00~23:00 (料理L.O. 21:30 ドリンクL.O. 21:30)
https://goodspoonesaka.owst.jp/
ラ クレープリー ドゥ ポパン 江坂店
住所:吹田市江坂町1-17-14
営業時間:10:00 - 19:00(年末年始以外は原則無休)
https://neu-cafe.com/
CURATION BY
料理とお菓子作り、キャンプが趣味。都会に住みながらも、時々自然の中で過ごす時間を持ち、できるだけ手作りで身体に優しい食事を取り入れている。日々の暮らしを大切に、丁寧に過ごすことがモットー。