Vol.547

14 MAY 2024

〔ZOOM in 江坂公園〕おそうじを学びつつ、あのドーナツもつくれる「ダスキンミュージアム」

毎日過ごす部屋は、いつもきれいに気持ちよくしておきたい。でも忙しくてついサボってしまいがちなのが「掃除」。どうにか簡単にキレイな暮らしはできないものだろうか。 そんな時はプロに聞くのが一番!おそうじのプロ「ダスキン」のミュージアムが大阪・吹田市にあると聞いて、さっそく訪ねてみることにした。

ダスキン創業の地に建つミュージアム

ダスキンミュージアムのエントランス
モップやマット商品でおなじみのダスキンは「ミスタードーナツ」を展開していることでも有名。だからダスキンミュージアムは、「きれい」と「おいしい」がいっぺんに体験できる。ダスキン唯一のミュージアムがなぜ吹田市に?と思ったが、理由を聞いて納得。ここがダスキン創業の地なのだ。

「江坂駅」は大阪中心部へもアクセス抜群

最寄り駅は大阪メトロ江坂駅。万博記念公園のある吹田は郊外のニュータウンのイメージだが、ここ江坂駅は御堂筋線で新大阪まで2駅、梅田駅まで5駅11分、なんば駅は乗り換えなしで20分と、都心へのアクセスが抜群にいい。関西大学にもほど近く、若者や働き盛りのアクティブなライフステージ層に人気の町なのだ。

雨上がりの緑が映える江坂公園

緑豊かな江坂公園で散策。買い物も食事もコンパクトに満たせる街

周辺に公園が多いのも特徴。駅からすぐの江坂公園は、緑豊かな市民の憩いの場。巨大な遊具や小洒落たカフェもあって、ビジネスマンからベビーカーの夫婦まで、いろいろな利用者の姿がある。

江坂ウエストサイドストリート
江坂は買い物にも便利。ハンズやドラッグストア、飲食店が集まった「江坂ウエストサイドストリート」。通りには食品スーパーもあって、買い物には不便しない。地元の人によると、落ち着いた雰囲気があって、特に大阪で初めて暮らす人に人気なんだそう。

江坂駅から10分ほど歩いたら、お待ちかねの「ダスキンミュージアム」に到着。

「きれい」+「おいしい」=ダスキンミュージアム

ポン・デ・ライオンとダス犬(けん)が熱烈お出迎え
エントランスをくぐると「こんにちは」「いらっしゃいませ」…スタッフの皆さんが笑顔で迎えてくれる。ダスキンミュージアムは、1Fの「ミスドミュージアム」、おそうじが学べる2Fの「おそうじ館」の二つで構成されている。

「おいしい」想い出を呼び起こすミスドミュージアム

ミスタードーナツ創始者のウィノカー夫妻
どうして清掃衛生用品のレンタルと販売を手掛けるダスキンがドーナツを?創業者の鈴木清一氏がフランチャイズシステム視察のために渡米した折、ドーナツのおいしさに大感激。日本のみなさまにもぜひ食べてもらいたい!という強い思いから契約に至ったのがはじまり。1971年4月に1号店を大阪・箕面にオープンしたのは、マクドナルドの日本1号店より3か月早いそう。

懐かしさいっぱいの「ミスタードーナツヒストリー」

歴代のグッズが並ぶ展示に心も弾む
「ミスタードーナツヒストリー」では、年代ごとのドーナツやオリジナルグッズ、ユニフォームがいっぱい。懐かしいグッズには、「これ持ってた」「あったあった」と大人もはしゃいでしまう。

過去に発売されたドーナツの商品説明やエピソードが二次元バーコードやタッチパネルから閲覧できる「ドーナツの森」は、販売終了のドーナツにも会えて懐かしさでいっぱい。私の好きな「エンゼルフレンチ」は1983年発売。なんと40年以上のベテラン選手!

行きつけだったお店は?思い出のショップを探せ!

1号店から最新のショップまでズラリ並んだ店舗たち
「あなたの街のミスタードーナツショップを探してみよう」。1号店から順に天井までびっしり貼られた写真の中から、学生時代通っていたお店は見つけられるだろうか?2000店舗以上もあるのでちょっと無理かも...でも大丈夫。市町村名からタッチパネルで検索…あった!おしゃべりに夢中だった懐かしいあのお店。ちょっぴりタイムスリップした気分になれる。

考えてみたこともなかった、掃除の歴史

明るくPOPな「ミスドミュージアム」をあとにして、2Fの「おそうじ館」へ。「おそうじ」という実用的なテーマ、どんな展示に仕立てられているのだろうか。

おそうじの歴史が学べるパネル
最初は「おそうじの歴史」。ちょっと意外だったのが、古代日本では掃除は宮中や貴族邸でしかしてなかったそう。庶民は土間の生活だったので、掃除といえばゴミを捨て場に片付けるくらい。中世になって、仏教寺院で修行として掃除が行われるようになった。

江戸時代、都市が発達し地域も整備されると、掃除は庶民の暮らしの中にも浸透。「毎日、油断なく塵芥の掃除をせよ」「下水や溝のごみを浚え」「風が吹くときは道路に水を撒け」など「町触」(今でいう条例)が公布され、江戸は世界でも有数の清潔な都市になった。「日本の町は清潔」といわれるルーツは、この頃からもう始まっていたのだ!

清掃用具の変遷 究極のリサイクル「ぞうきん」

「ほうき」や「ぞうきん」の解説も
時代ごとの生活様式にあわせ、変化を遂げたのが掃除用具。

中世までは居宅が板の間だったので、長い柄に拭き布を巻いたモップのようなものが使われたそう。やがて畳敷きが主流になると「ぞうきん」が登場。当時、布は大変な貴重品。庶民は着物→布団→綿入れ→座布団→袋物→おむつ→ぞうきんと、縫い直してとことん使い倒したという。ぞうきんを100円ショップで買ってくる現在とは、隔世の感がある。

「ダスキン」あらわる

「ぞうきん」から時を経て、今回の主役「魔法のぞうきん」が登場。

昭和39年当時の最初のホームダスキン
創業者の鈴木氏が、水を使わずにホコリや塵を吸着する清掃用具がアメリカにあるのを知って日本に導入。当時は「クスリのついたぞうきん」と謳われた。ちなみに「ダスキン」の社名の由来は、「ほこり」の英語「ダスト(dust)」と、ぞうきんの「キン(kin)」をくっつけたのだそう。

ダスキン商品も時代に合わせて変遷してきた。例えばフロアモップの色。以前は黄色だったけど、いつの間にか「赤」や「グレー」が主流に。実はちゃんと理由があった。昔は道路が整備されておらず、土や砂が気密性の低い住宅に入ってくるので、モップは黄色の方が汚れが見やすかった。近年は道路も整備され、住宅の気密性も向上して砂埃は入ってこなくなり、綿埃のような白いほこりが多くなったので、モップの汚れが見やすい濃い色に変えられたそうだ。

清掃用具をお試しできる「おそうじスタジオ」

自信を持っておすすめするおそうじセット
掃除にまつわるクイズが場内ところどころに掲示されていて、これが意外とためになる。例えば「掃除するとき掃除機とモップがけ、どちらが先がいいか」。答えはモップがけ。掃除機を先に使うとほこりが舞ってしまうので、先にモップでほこりをとったほうが効果的!これまで逆の順で掃除していた私はちょっとショック...。

ダスキン製品を試すこともできる。スイスイ掃除・すっきり収納できるフロアモップと、モップの埃を吸い込むクリーナーのセット。手軽で確実に掃除できるだけでなく、スタイリッシュなお部屋にも置いておきやすい。4週間で交換してもらえるから、いつまでも清潔なのも安心。

空気清浄機の効果を、この眼でリアルタイムに実感

空気清浄機の効果を視覚化!
目で見えないだけに効果が実感しにくいのが空気清浄機。

では、ご自分の目でご覧あれ。左側のモニターの上あたり、レーザー光にあたって緑色に光っているのが空間に漂うたくさんのホコリ。右側のモニターでは、空気清浄機にホコリが吸い込まれていく光景が一目瞭然。でもフィルターをちゃんとお手入れしないと効果半減。やはりおそうじは大切なのだ。

シューティングゲームでハウスダストを撃退

ダスキンダストバスターズのシアター内部
展示場は楽しみながら知識が得られる工夫が盛りだくさんだが、なんと体感型シアターアトラクションまである。戦闘機に乗ってハウスダストを撃退するシューティングゲーム「ダスキンダストバスターズ」。かなり本格的で大人も楽しめそう。

自分の手でドーナツをつくってみる

今度は「ミスドキッチン」に移ってドーナツづくりを体験。「ミスドキッチン」は人気沸騰のため、事前申し込みによる抽選制。ペアでの申し込みで、料金は1組(ペア)1,200円。申し込み方法はHPで確認してほしい。幸運な当選者の皆さんといっしょに、いざキッチンの中へ!

わくわくして体験スタートを待つ
キッチン内はやっぱりピカピカ!ポン・デ・ライオンのイラスト入りの可愛いエプロンをつけて帽子をかぶり、手洗い・手袋をつけたら準備完了。さあ、ちゃんとドーナツがつくれるかな?

あまり力を入れず、薄くなりすぎないよう生地を伸ばす

ぐっと力を入れてドーナツを型抜き。まん中の部分を取り除けばドーナツの形になる

型抜きしたドーナツをスタッフさんに揚げてもらう。返しまでカウントダウン3秒前!

揚げたてのドーナツに、グレーズ(シュガーシロップ)を塗ってトッピング。魅惑の光沢がそそる!

ポン・デ・リングには、もちろんチョコをディップする!

魅惑のドーナツ、大満足の出来上がり!

無事ドーナツが完成すると「ドーナツシェフ」に認定!めでたく修了証がいただける
お店で食べるドーナツもおいしいが、揚げたてのドーナツはまた格別!大人気なのも納得だ。
残念ながら抽選に漏れてしまっても、予約なしで参加できる「ドーナツボールトッピング体験」(1回200円)で自分だけのトッピングが楽しめるので、こちらもぜひどうぞ。

子供たちに人気の「ダスキンミュージアム」。実は大人こそ体験してためになるミュージアムだ。時代とともに変わりゆく掃除の方法、清掃用具の歴史。掃除の大切さを再認識し、掃除するポイントを学んだら自分の部屋でさっそく実践。お部屋を「きれい」にしたあとは、おみやげのドーナツをお部屋で「おいしく」召し上がれ!
※価格は取材当時のものです

ダスキンミュージアム

大阪府 吹田市 芳野町5-32
開館時間 10:00~16:00(入館は15:30まで)
休館日 月曜日、年末年始(月曜日が祝日の場合は翌平日休館)

https://www.duskin-museum.jp/