Vol.355

KOTO

12 JUL 2022

深い眠りにつく方法とは。眠りをサポートするモノや不眠につながるNG行動も紹介

睡眠には、「脳やカラダの休養」「疲労回復」「感情の整理」などさまざまな役割がある。睡眠の質が悪く、眠りが浅いと、病気のリスクを高めたり、日中のパフォーマンスの質が下がったりしてしまう。睡眠の質を上げるには、深い眠り(ノンレム睡眠)に入ることが重要だ。この記事では、日常生活のなかでできる深い眠りにつく方法や眠りをサポートするためのモノ、不眠につながる NG行動について紹介する。眠りが浅いと悩んでいるなら、ぜひ参考にしてほしい。

深い眠りにつくための方法5選

お風呂のタイミングも眠りに関係する
日常生活のなかで少しの工夫をするだけで、深い眠りにつけるようになる。

お風呂は就寝の2時間前までに済ませる

お風呂でカラダを温めて血行をよくすることは、質のよい睡眠を得るために効果的だ。しかし、深く眠るためにはカラダの中心の温度「深部体温」を下げる必要がある。そのため、寝る直前にお風呂に入るのではなく、寝る1~2時間ほど前に入るのがよい。時間をかけて徐々に深部体温を下げていくことで、眠りやすい状態になる。

深部体温が下がるまでの時間は、お風呂の温度で調整可能だ。38~40℃ほどのぬるめのお湯であれば、1時間ほどで深部体温は下がるだろう。それよりも熱いお湯につかりたいのなら、深部体温が下がるまでに2時間ほど必要だ。

就寝前に軽くストレッチをする

深く眠るには、就寝前の軽いストレッチも有効だ。固くなった筋肉をほぐして血行を促進すれば、カラダから熱が放出されて深部体温が下がる。特に、足裏や指を揉むように刺激するとよい。

ストレッチのほか、ツボ押しもおすすめ。頭頂部にある百会というツボを押すと、リラックス効果が期待できる。心地よいと感じるくらいの力で、ゆっくりと押すのがポイントだ。

ただし、血行をよくしようと激しい運動をするのはおすすめできない。激しい運動をすると心拍数が上昇し、脳を活性化させる交感神経が働いてしまうため、眠るどころか目が冴えてしまう。あくまで、リラックスできる程度の簡単な運動に留めよう。

寝室を眠りやすい環境にする

寝室を眠りに適した環境に整えることも重要だ。特に、気温と明るさは意識しよう。

暑すぎたり、寒すぎたりする寝室では、快眠を得ることは難しい。快適な室温になるよう、季節ごとに調整する必要がある。エアコンや窓の開閉、パジャマ、寝具を組み合わせて、自分に合った環境にしよう。

寝室の電気は完全に消すか間接照明のみにして、できるだけ暗い環境にするのが大切。目を閉じていても脳は明るさを感じ取る。つまり、寝室が明るいと体内時計が乱れ、脳が「今は起きる時間である」と勘違いしてしまうのだ。

カラダに合った寝具を選ぶ

睡眠の質を上げるためには、寝具にこだわることも1つの手だ。なかでも、マットレスや枕はカラダへ与える影響が大きいため、カラダに合っていないと睡眠の質を損なう要因となる。

例えば、柔らかいマットレスはカラダが沈み、腰への負担が大きくなりやすい。固いマットレスの場合は、カラダが当たる部分に必要以上の重さがかかって圧迫され、血行が悪くなる可能性がある。

枕も同様に、固さや高さが自分のカラダに合っていないと、首を痛めたり、深呼吸がしにくくなったりしてしまう。心地よい眠りに入るためには、寝具を自分用にカスタマイズする必要があるのだ。

規則正しい生活を心がける

眠りが浅くなる原因の1つに、体内時計の乱れが挙げられる。睡眠のタイミングやホルモンの分泌などをコントロールしている体内時計が狂うと、日中に眠くなったり、夜に目が冴えてしまったりしてしまう。

体内時計を正常に働かせるために、規則正しい生活を送ることを心がけよう。加えて、朝起きたら太陽の光を浴びることも忘れずに。太陽の光には体内時計を調整する働きがあるため、朝に浴びることで夜には自然と眠くなる。

快適な眠りにするための工夫

カモミールティーは優れた鎮静作用で心とカラダをリラックスさせてくれる
快適な眠りに入るための、ちょっとした工夫を3つ紹介する。

お気に入りの飲み物でリラックス

人は、寝ている間にコップ1~2杯の汗をかくとされている。カラダが水分不足の状態になると、足がつったり、寝汗がベタついたりして眠りが浅くなりやすい。そのため、眠る前に水分補給をすることが大切だ。

ドリンクは、ノンカフェインの「ハーブティー」「白湯」「ホットミルク」などがおすすめ。寝るタイミングでカラダの深部体温がちょうどよい温度になるように、就寝1時間前なら温かいものを、寝る直前なら常温か冷たいものを飲むとよい。

音楽は選曲が大切

眠る前に音楽を聞いてリラックスするのは効果的な方法ではあるが、その際には選曲に注意したい。

深い眠りにつくのに役立つ音楽は、「歌声や歌詞がない音楽」「自然の音」「周波数の低い音楽」だ。歌声や歌詞があると集中して聞いてしまうため、かえって脳が活性化してしまう。また、周波数が高くなるほど音も高くなるため、脳に刺激を与えることになる。

クラシック音楽や雨が降る音など、ゆったりと聞ける音楽を選ぶようにしよう。眠る30分~1時間ほど前から音楽をかけ、リラックス状態をつくっていく。眠れそうになったら、自分で音楽を止める、もしくはスリープ機能を使って自動で止まるように設定しておこう。

アロマの香りは自律神経のバランスを整える

眠りやすい状態にするために、アロマの力を借りるのもおすすめだ。リラックス効果のあるアロマの香りをかぐことで、自律神経のバランスが整い、心身を眠りやすい状態にできる。

眠りの質を上げるのに役立つアロマとして挙げられるのは、「ラベンダー」「オレンジスイート」「ベルガモット」「ネロリ」「サンダルウッド」「ゼラニウム」だ。これらのなかから自分が好きな香りを選び、スプレーにして寝具に吹きかけたり、ディフューザーで寝室に拡散させたりするとよい。
ニュータイプの香りのアイテムとして、こちらのアロマコードを取り入れてみてはいかがだろうか。

寝る前にしてはいけないNG行動もチェック

ベッドに入る前のNG行為は避けて
普段何気なくしている行動のなかに、眠りの質を下げる原因があるかもしれない。ここで解説している行動をしていないか確認しよう。

カフェインやアルコールを摂取する

寝る前の水分補給は必要だが、その際にカフェインが入っているドリンクやアルコールは飲んではいけない。

カフェインが含まれる飲み物として、「コーヒー」「紅茶」「緑茶」「ウーロン茶」「エナジードリンク」などが挙げられる。カフェインの覚醒作用は数時間ほど続くため、寝る前に飲むと睡眠時間が削られる可能性がある。

また、アルコールは鎮静作用があるため寝付きこそよくなるが、効果が切れるとたちまち目が覚めてしまう。加えて利尿作用もあるため、寝ていてもトイレのために起きてしまうことが多い。

タバコを吸う

タバコに含まれているニコチンには覚醒作用があるため、寝る前にタバコを吸うと眠りにくくなる。ニコチンの覚醒作用は2時間ほど続く。

ある調査によると、「喫煙者は非喫煙者と比べ、寝付くまでの時間が平均5分長く、総睡眠時間が14分短い」という結果が出ている。それだけ、タバコは睡眠の質を下げているのだ。

液晶画面を見る

寝る前に、スマホやパソコン、テレビなどの液晶画面を見るのは避けたい。液晶画面から出ている明るいブルーライトを夜に浴びると、脳が「今は昼だ」と勘違いし、目が覚めてしまうのだ。

そうして体内時計が乱れた結果、眠るのに必要なメラトニンというホルモンの分泌が抑制され、入眠できなくなる。深い眠りにつくためには、就寝前の1時間はブルーライトを浴びないようにしよう。

コンビニなど明るい場所に行く

ちょっとした買い物のために、夜にコンビニへ出かける人もいるだろう。しかし、寝る直前にコンビニなどの明るく強い光を浴びると、睡眠の質が下がる原因になるのだ。

液晶画面から出るブルーライトでなくても、明るい光を夜に浴びただけで体内時計は狂ってしまう。寝室の室内照明が明るすぎる場合も同じだ。

少なくとも、就寝前の1時間は外出を避け、明るさを抑えた室内でリラックスしているようにしよう。

ストレスや悩み事を溜め込む

寝る前についつい、今日あった嫌なことや悩み事などを思い浮かべてはいないだろうか。誰しもストレスは抱えているものだが、あまりにも溜め込みすぎると、眠ろうとしても交感神経が優位になって目が覚めてしまうのだ。

誰かに話を聞いてもらったり、趣味に没頭したりして、適度にストレスを発散させる工夫をしよう。

深い眠りにつく方法を把握して、睡眠の質を高めよう

寝室をお気に入りの空間にしたり、寝る前のルーティーンを見直したりして、深い眠りにつきたい
深い眠りにつく方法としては、まずは心身ともにリラックスしていることが大切だ。そのためには、自分自身と周辺環境を整えておきたい。

ストレッチをしたり、寝具にこだわったり、音楽やアロマを活用したりと、深い眠りにつくために役立つ方法を試してみよう。