Vol.306

KOTO

21 JAN 2022

ジャーナリングでマインドはどう変わる? コクヨ×SENNのワークショップを体験

最近よく聞く「ジャーナリング」。これは「書く瞑想」とも言われ、近年人気が広がっている瞑想の手法だ。ジャーナリングとは、その名の通りノートとペンを用いて日記を書くことだが、具体的にはどのように行うものなのだろうか? そこで、2021年12月に開催された、ノートとペンの組み合わせを楽しめるコクヨの新ブランド「PERPANEP(ペルパネプ)」と、五感を研ぎ澄ます体験を提供するライフスタイルブランド「SENN」がコラボレーションした、ジャーナリングワークショップに参加してみることに。「SENN」のお香が漂う空間で、「PERPANEP」の筆記具を楽しみながら実践した結果、得られた気づきとは?

モヤモヤとしていた気持ちがスッキリ。書く瞑想「ジャーナリング」

始めてみたくても、いまいちやり方がピンとこない。ジャーナリングはどのように行うのだろうか?
近年、マインドフルネス瞑想や歩行瞑想など、心を整えるためのさまざまな瞑想方法が提唱されている。その中でもジャーナリングは、任意のノートとペンを使い、頭に浮かんでいるものをそのまま紙に書き出すという、非常にシンプルな瞑想法だ。やり方も、時間やテーマを決めたり決めなかったりさまざま。自分に合った方法で取り組むことができる。

経験者によると、ジャーナリングをすると「ごちゃごちゃとしていた思考が整理された」「胸のつかえがおりた」など、マインドへの好影響を実感したと聞く。特にストレスを抱え込んでいる時、不安やモヤモヤを感じる時、集中力を高めたい時、自己分析や目標を明確にしたい時などに取り入れるといいそうだ。

ジャーナル(journal)には日記という意味があるが、ジャーナリングは必ずしも日記のようにその日の出来事を書くものではない。「仕事のこと」「悩みのこと」「やりたいこと」「好きなこと」などの好きなテーマで、余計なことは考えずに思いつく限り書き出していく。そして書き終わったら振り返るのだ。

このように、ジャーナリングは基本的には非常に簡単ではある。しかし実際にやってみようとするとあまりにもマインドフルな状態ではないのか、なかなか集中できず瞑想につながらない。そこで、ジャーナリングのワークショップに参加し、プロにガイドしてもらいながら実践してみることにした。

コクヨ「PERPANEP」×SENNのジャーナリングワークショップへ

向かったのは、コクヨ株式会社の品川オフィス「働き方の実験場 THE CAMPUS」
今回参加したプログラムは、「コクヨ Presents PERPANEPジャーナリングワークショップ Supported by SENN」という、コクヨのPERPANEPと、Less is beauty をテーマにしたライフスタイルブランドSENNによる、コラボレーション企画だ。(※2021年12月の限定企画)

ワークショップで使われたのは、PERPANEPのノート類「ツルツル 4mm方眼罫」、「さらさら 6mmステノ罫」、「ザラザラ 4mm方眼ドット罫」、ペン類は「ファインライター」「サラサクリップ」「プレピー」、そしてSENNの「incense 燈/煌」
2021年に登場したPERPANEPは、感覚に集中でき、クリエイティビティを刺激してくれる新感覚のブランドだ。これまで100年以上、「書くこと」に真摯に向き合ってきたコクヨの技術を応用し、新たに3種類の紙を開発した。その紙を使ったノートと、3種類のペンとのペアリングを楽しむことができる。

一方のSENNは、お香やスキンケアアイテムなどのプロダクトのほか、エッセイや音、メディテーションプログラムなど、「余白を生ける」ための多様なコンテンツを提供。忙しない日常を生きる私たちに、立ち止まり、向き合い、余計なものを手放すためのきっかけを与えてくれるブランドだ。

今回のワークショップでは、PERPANEPのノートとペンが参加者に配られた
会場にSENNのお香「incense 燈/煌」の香りが広がる中、60分間のジャーナリングワークショップがスタート。インストラクターは、SENNのPodcastやInstagramで瞑想ガイドを配信しているAOさん。心地よい語り口でジャーナリングの基本について教えてくれた

その後、「一本の線を引いてみましょう」というAOさんの言葉に誘導され、ノートとペンの組み合わせを変えながら、書き心地を確かめる

今回選んだノートは、「ザラザラ 4mm方眼ドット罫」
ペンは右側の万年筆「プレピー」が生み出す音も心地よかったが、サクサクと書きたい気分だったので、左の「ファインライター」を組み合わせた。この時点で、意識はペン先やノートの触感、音に集中する。マインドフルになるための準備を自然と整えてくれた

今回のジャーナリングのテーマは、頭の中を整理し、自分の大切にしたい価値観を知ること。ノートとペンを選んだ後は、下記のような流れで進められていった。

①配布された80個のキーワードを書き写す
②終わったら、キーワードを振り返り、ピンとくるワードを選ぶ
③なぜ選んだか、理由を書く
④キーワードを繋げて、ひとつの文章にする
⑤振り返る

まずはさまざまな価値観にまつわる80個のキーワードの書き写しから。今回使用したキーワードの詳細はお伝えできないが、ウェブで「価値観リスト」などと検索すると、キーワードを拾うことができる
ワークショップ中、AOさんが呼吸の誘導もしてくれた。集中し、無心で書いていると止まりがちになる呼吸も、ゆったりと呼吸しながら書くことで、ペン先を走らせる微かな音を楽しみながら心地よく書き進めていくことができる。キーワードをひとつひとつ書き写していくことで、速くなり過ぎてしまった思考の速度を抑えることができ、無性に焦る気持ちが自然と落ち着いていく。

その後、キーワードを5つ選び、それぞれ選んだ理由を書く。そしてそのキーワードをひとつに繋げて文章にしていった
あっという間に終了し、書き足りない部分もあったが、重要なのは時間いっぱいに書き、その後振り返りの時間をとること。実際に書いたことを振り返ると、「自分は今、こんな価値観を大切にしているんだ」と、気づきを得ることができた。もし数週間前、数日前に同じテーマでジャーナリングをしていても、同じことは書かれなかっただろう。「いま、ここ」にある自分に出会えた60分間だった。

毎日にジャーナリングの時間を取り入れる

2種類のお香が入ったSENNの「incense 燈/煌/香立て」。長野の八ヶ岳を拠点に活動する作陶家・鴨瑞久による、オリジナル香立てとのセットアイテムだ
ジャーナリングは、習慣化することも重要だ。継続することで、心の健康維持にもつながるという。せっかくその方法を体得したのだから、ぜひとも続けていきたいもの。そこで、会場でも焚かれていたお香を使いながら、別の日に自宅でも実践することにした。

お香自体は、日本と西洋の伝統技術を融合させたインテリア・アロマ・インセンスブランド「東京香堂」とのコラボレーションアイテム。燈(ともしび)はすっきりとしなやかな香り。熄(うずみび)は深い森に入った時のような重厚感のある香り
火を灯し、ふわりと香りが広がり始めると、時間の流れ方も変わり、すんなりとマインドが切り替わる。

落ち着ける空間で、ジャーナリングをはじめる
3種類ずつあるPERPANEPのノートとペン。そのペアリングから楽しむことで、その日、その時の自分の「しっくりくる」感覚に出会うことができる。香りと筆記具を選ぶことは、よりよいジャーナリングを行うための準備運動のようなものだ。時間を決めて行う場合、「お香が燃え終わるまでの15分間」といった測り方で取り組むのもいいだろう。ワークショップと同じテーマだが、じっくり書きたかったため、時間の制限を設けずに取り組んだ。

心地いいアイテム選びが、ジャーナリングの入り口に

改めてジャーナリングをしたことで、より集中でき、思考もスッキリ。振り返りにより、自分の価値観に対する新たな価値観を発見することもできた
香りによる時間と空間の演出や、書き心地のいい文具選びと、ジャーナリングに至るまでの道のりまで楽しめた、今回のジャーナリングワークショップ。PERPANEPやSENNのアイテムも、このようにジャーナリングのために使ってみることで、書くことがより特別な時間になる。変化のスピードが早い昨今、とめどなく湧き起こる焦りや不安の気持ちを解消するために、自分が現在地を確認するために、未来への希望を育てるために、ジャーナリングは有効な手段になるはずだ。

使用したアイテム

PERPANEP
ノート
「ツルツル 4mm方眼罫」990円(税込)
「さらさら 6mmステノ罫」990円(税込)
「ザラザラ 4mm方眼ドット罫」990円(税込)
ペン
「ファインライター」 220円(税込)
「サラサクリップ」 143円(税込)
「プレピー」 440円(税込)
https://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/perpanep/?_ga=2.7564978.1461901102.1641344025-526517252.1637743016

SENN「incense 燈 tomoshibi / 煌 uzumibi / 香立て」 3,960円(税込)
https://shop.sen-n.com/products/incense-tomoshibi-uzumibi/