Vol.160

FOOD

28 AUG 2020

オリジナルグラノーラづくりで、朝ごはんをデザインする

1日の活力の源となる朝ごはん。お米派の方もいれば、パン派だという方もいるだろう。筆者の場合、「朝ごはんはしっかり摂りたい」と思いつつも、これまでお米の日もあればパンの日もあり、面倒だと食べない日もある不規則な食生活だった。しかし身体のリズムを整えるためには、毎朝規則正しく食事を摂ることが大切だ。そこで注目したのがグラノーラ。栄養価が高く、おいしく、手軽に食べられるため、毎朝続けやすい食品である。そんなグラノーラは、実は購入しなくても簡単に自作することができる。グラノーラを作る事で、暮らしはどのように変わるのか。チャレンジしてみることにした。

グラノーラを、朝ごはんの定番に

日々の朝ごはんは、休日でもない限り手短に済ませたいものだ。晩ご飯のように一々献立を考える暇もない。その日の気分でマイナーチェンジを加えることはあっても、基本的にはワンパターンでいい。いつもの朝食がルーティンになり、日中に自分らしいパフォーマンスを発揮するための土台となるからだ。

「朝ごはんはいつも通りで」といっても、1日のはじめの食事は気分良くありたいもの。おいしくない食事は論外である。グラノーラはそういった意味でも優秀な食品だ。そのままでもおいしいし、牛乳にかけて食べても良い。ヨーグルトにも合うので、毎朝ヨーグルトを食べる身としては、手軽に取り入れられる点も魅力的である。

最初はスーパーでグラノーラを買っていた筆者だったが、その味では飽き足らず、次第に有名菓子店や専門店のグラノーラなどを購入するようになっていった。しかしそうすると、朝ごはんにしては少々値が張る気がする。なくなるたびに店へ行って購入するのも面倒で、継続には少し不向きだ。そう考えていた矢先、グラノーラを自作できることを知った。

「自分で作ればグラノーラを自分好みの味に調整できるし、日常食にすることができるのではないか?」さっそく製菓材料店へ向かった。

グラノーラの歴史と基本構成

グラノーラに欠かせない、燕麦(オーツ麦)を使ったオートミール
グラノーラが誕生したのは、1863年のこと。ニューヨーク州北部の菜食主義を提唱する医師、ジェームス・ケイレブ・ジャクソンによって、サナトリウムの患者のための健康食品として発明された。そして「グラニューラ」という名前で、世界初の朝食用シリアルとして製造されることとなった。誕生から約20年後、シリアル食品で有名なケロッグ社の共同創始者であるジョン・ケロッグ博士が、そのアイデアを用いて「グラノーラ」として販売を開始。アメリカで一般的に広く知れ渡る食品となった。

「グラニューラ」の時代は、表皮、胚芽、胚乳全てを粉にしたグラハム粉(Graham flour)が使われていたが、「グラノーラ」が作られるようになってからは、燕麦(オーツ麦)を食べやすく加工したオートミールが使われるようになった。その後アメリカでは、トウモロコシを原料としたコーンフレークや、チョコレート味のシリアルなど、より食べやすいシリアルがシェアを拡大。しかし1960年代、ヒッピー文化が盛り上がるにつれ健康食や自然食への意識が高まり、グラノーラが再注目されるようになったのである。

グラノーラのレシピは数多くのバリエーションがあり、食にこだわる人はグラノーラに対する自分なりの考えやこだわりを持っているそうだ。

そんなグラノーラを構成するのは、主に「オートミール」と「粉類」と「油」と「甘味料」。そこにナッツ類やドライフルーツなど、好みの食材を合わせてアレンジするのが一般的だ。どの粉を選び、どの油や甘味料を選ぶも、どの食材を合わせるも、全ては個人の食に対する考え方に託されている。

自分なりの食の哲学を詰め込み、理想のグラノーラを作る

基本のグラノーラの作り方は、シンプルで簡単。そのぶんアレンジも無限に広げることができる。オートミールはオーガニックがいいか、それともこだわらないのか。粉類は小麦かグルテンフリーの米粉か。オイルは菜種油かオリーブオイルか、それとも他のオイルを選ぶのか。甘味料は砂糖を使うか、メープルシロップで風味をつけるか、はちみつで代用するか・・・。それぞれの食材をどう選ぶかで、自分自身の食の哲学を詰め込める。

筆者は1週間分のグラノーラ作りのために、下記の食材を用意した。
オートミール:オーガニックのもの(100g)
粉類:米粉(15g)
オイル:ココナッツオイル(30ml)
甘味料:はちみつ(20ml)
ナッツ類:アーモンド、カシューナッツ、くるみ、ピーカンナッツ、ピスタチオ、マカダミア、ヘーゼルナッツ、ひまわりの種、かぼちゃの種(まとめて2〜3つかみ)

オートミールについては、安全性を考えてオーガニックのものを。さらに普段からあまり小麦粉を使った食品を食べないため、粉類は米粉。オイルは脂肪燃焼効果が高いとされるココナッツオイルを選ぶことにした。甘味料は普段から愛用している大三島産の天然はちみつ一択だ。甘いものが得意ではないので、量は少なめに。甘い方が好きな方は、10mlほど増やしても良いだろう。以前旅先で食べたナッツたっぷりのグラノーラのおいしさに感動したため、ナッツはふんだんに入れることにした。

材料を混ぜて、オーブンで焼くだけ
作り方も簡単だ。オートミールと粉、ローストされていないナッツ類をボウルに入れ、そこにオイルとはちみつを混ぜ合わせてタネを作る。タネは全体に熱が行き渡るよう天板に平たく乗せ、160度に加熱したオーブンで30分弱焼く。焼き上がったらロースト済みのナッツ類を混ぜて完成である。

オーブンから取り出すと、こんがりとした焼き色がついている


オリジナルのナッツグラノーラは、噛むたびにナッツの香ばしい風味を感じる。ザクザクとした食感が心地よく、甘さもほどよい。少量でも午前中を乗り切れるほどの満腹感を得られた。まさに理想のグラノーラだ。

ドライフルーツやフレッシュフルーツと合わせて食べてもおいしい
今回はダイエット効果や美肌効果が高いとされるナッツのグラノーラを作ったが、食物繊維やビタミン類などを積極的に摂りたい場合や甘みをプラスしたい場合は、ドライフルーツを多めに入れたフルーツグラノーラもおすすめである。

抹茶パウダーと混ぜて食べれば、朝の目覚めも良くなるだろう
さらに抗酸化作用の高いカテキンやカフェインが含まれる抹茶の粉を入れてアレンジしてみる。抹茶特有のほろ苦い味わいは牛乳にも合うはずだ。朝からシャキッとした気分で1日をスタートしたい時に良いだろう。

今週はどんな自分でいたい? 朝ごはんをデザインしよう

忙しい平日の朝こそ、グラノーラのある食卓を
グラノーラは、自作した場合も冷蔵庫で1〜2週間ほど持つ。「今の自分が必要とする栄養素はなにか」と考えて、毎週末にグラノーラを作るサイクルにしても良いだろう。こだわりたければ、ドライフルーツやドライ野菜を自作するなど、とことんこだわることができる。こうしてできた自分らしいグラノーラを、平日の朝ごはんとしてサクッとおいしく食べるのだ。グラノーラなら、朝のルーティンをより豊かにしてくれるだろう。

つぎに来たる1週間は、どんな自分でありたいか。そんな少しずつ変化していく理想の自分を想像して、グラノーラのレシピを組み立てる。毎朝食べるグラノーラを自作することは、その日・その週の自分の暮らしをデザインすることに繋がるはずだ。