北欧ホルムガード社の花器は、花が生けやすい形状と美しく見せられるデザインを兼ね備えている。その中で、クロスベースとフローラベースはサイズもデザインも大きく異なるタイプ。しかしこの2つをうまく使い分けることで切り花の魅せ方が広がり、より長く楽しむことができる。今回は、機能性と美しさを兼備するホルムガードの2つの花器をピックアップして、花を楽しむ暮らしを提案していく。
機能性とデザイン性を兼ね備える北欧の2つの花器
デンマークのガラスウェアブランドである「HOLMEGAARD(ホルムガード)」には、花器の名品も多くある。中でも今回ご紹介したい「クロスベース」と「フローラベース」は北欧デザインらしい機能美が際立つプロダクト。
そもそも、北欧デザインの特徴とは「シンプルながら美しいデザイン」と「実用的な機能性の高さ」といえる。見た目で楽しませてくれながら、日常生活での使いやすさも考えられたデザインだ。
ホルムガードのクロスベースとフローラベースは、どちらもスタイリッシュなデザインでありつつ、花が簡単にバランスよく生けられる形状という共通点がある。まさにデザイン性と機能性を併せ持つ北欧らしいプロダクトといえるだろう。特にガラスウェアメーカーならではの、ガラスが魅せる素材感が印象的。光が当たったときの透けた雰囲気や、花器と花が作り出す影を楽しむこともできる。
この2つの花器はサイズも形状も大きく異なっているため、同じ花を飾ってもそれぞれ違った雰囲気になる。これらをうまく使い分けることで花の魅力が広がり、暮らしのいろいろなシーンに彩りを添えることができるだろう。
花を飾っていないときも存在感を出す「クロスベース」
クロスベースは断面が十字型になっためずらしい形状の花器。まるで氷の柱のような独特の表面加工はガラスならではの美しさが際立ち、光が当たったときに映し出す影もゆらぎがあって魅力的だ。光の角度によって影の印象も変化するため、毎日見ていても飽きないデザイン。花や水を入れずに置いておくだけでもインテリアアイテムとして存在感を放っている。
そして花を生けるときは、このガラスの素材感によって中の水をきらきらと見せてくれる。清潔感が感じられて花はより生き生きとした印象に。生花ならではのフレッシュな雰囲気を空間に取り入れやすくなって、普段の暮らしを明るい気分にさせてくれる。
このクロスベースはずっしりと重量があって安定しやすく、高さもあるので枝ものや茎の長い切り花などボリュームがあるものを生けたいときにも便利だ。そして十字の形状は角が多いため、花が1本1本自立しやすい。
花の部分が大きかったり、茎が長かったりするとバランスよく生けるのが難しいが、クロスベースなら自然な形に生けられる。例えば花が開くと頭にボリュームが出てバランスを取りにくいユリも、クロスベースならしっかり支えられる。
ブーケを貰ったときなど、花の種類が多いときはセンスよく飾るのが難しいと感じることも少なくない。しかしクロスベースなら、フラワーアレンジメントの知識がなくとも簡単にこなれた雰囲気に仕上げることができる。頭が重いもの、茎が細いものなどいろいろな種類があっても、十字デザインの角部分を使えば楽にバランスが取れて、花を挿す作業も楽しくなってくる。
窓際のちょっとしたスペースにも置きやすい「フローラベース」
フローラベースは、下部にボリュームがある安定しやすい形。クロスベースとは違って1輪挿しのように使えるコンパクトなタイプで、口が細くて1本だけの花でも支えやすいため、大きな花を飾るのにも役立つ。このコンパクトなサイズ感は置き場所を選ばないため、いろいろな空間に花を飾ることができる。
窓際や玄関など、ちょっとしたスペースにも季節の花を取り入れて楽しめるのが魅力だ。また、窓際に置くことでガラスが光に透けるため、ダークブルーの色を際立たせてくれる。主張しすぎないカラーのためどんな花の色ともあわせやすく、花の鮮やかさを引き立たせてくれる。
そして片手でも持てる小ぶりのサイズ感は、花を飾りたい場所へ移動させるのに便利だ。シンクで水の入れ替えをし、テーブルへ持っていく流れもスムーズに。花器を洗う作業も小さいサイズならサッとできるため、清潔な状態を保って花を長持ちさせることにつながる。
また、フローラベースを光が入る場所に置くと、花と花器が織りなす影を楽しむことができる。ダークブルーの色がうっすら透ける様子も美しい。そして、このブルー色は生花だけでなくドライフラワーとも相性がよく、ドライならではくすんだ色合いと好相性だ。生花がないときもドライフラワーを入れて飾れるため、常にフローラベースがインテリアを彩ってくれている。
クロスベースとフローラベースの2つを使って花を長く
今回、クロスベースとフローラベースの2つを取り上げたのには理由がある。それは、この2つの花器を使い分けることで、切り花をより長く楽しむことができるからだ。そもそも切り花が傷む主な原因には、茎の切り口に雑菌が付着して水を吸い上げられなくなることが挙げられる。切り花を長落ちさせるためには、茎の先端をこまめに切り戻して清潔な状態にすることが欠かせない。
しかしそうやって切り戻しを繰り返していると、どんどんと茎が短くなっていってしまい、花器のサイズやバランスがあわなくなってくる。そのため、花を飾って楽しむためにはいくつかの花器を用意して、使い分けることが大切だ。
クロスベースはボリュームのある花を支えやすく、茎の長い切り花でも自然な形で生けられる。買ってきたり貰ったりした花をすぐに生けるときに向いているため、まずはクロスベースの出番だ。
そして、切り戻しをして茎が短くなってきた場合や、花の本数が減って寂しくなった場合は、フローラベースにチェンジ。そうするとまたバランスよく生けることができる。花と花器の組み合わせが変わることで、同じ花でも新たな見た目で楽しめる。
クロスベースに飾っていたときはテーブル上などスペースのある場所に置くことが多いが、コンパクトなフローラベースに変えると窓際や書棚の上などちょっとしたスペースに置けるようにもなる。そうやってまた違った景色を楽しめるのも嬉しいポイントだ。
このようにクロスベースとフローラベースの2つが異なる役割を担うことで、切り花を長く生けられる上に魅せ方の幅が広がっていく。せっかくのきれいな切り花をより楽しむために、この2つの花器が多いに活躍してくれている。
ホルムガードの花器を使い分ければ花のある暮らしがもっと楽しくなる
ホルムガードのクロスベースとフローラベースは機能性とデザイン性を融合させた北欧デザインらしい花器。それぞれの異なる見た目や機能は、花を違った魅せ方で楽しませてくれる。
また、花の茎が長いときはクロスベースに、手入れして短くなったらフローラベースにといったように、それぞれを使い分けることで花を長く楽しむことができる。この北欧らしい機能美が詰まった2つの花器を使い、花をもっと気軽に楽しめる暮らしにしていきたい。
HOLMEGAARD|ホルムガード
CURATION BY
インテリア・ライフスタイル専門ライター。「普段の生活がほんの少しラクになる・テンションがあがる」ような暮らし方を提案。北欧デザインと猫が好き。