Vol.170

KOTO

02 OCT 2020

自分の肌のように、衣類をケアするSTEAMERY「Cirrus 2」

どんなに気に入っている洋服も、傷んでしまったら着る喜びが失われてしまう。肌の手入れが毎日必要なように、大切な衣類を長持ちさせるためにも、日々のメンテナンスが大切だ。そこで今回、継続的な服との付き合いを促すプロダクトを提案している、ストックホルムの衣類ケアブランドSTEAMERY(スチーマリー)を紹介する。「心地よく過ごすための衣類」の本質とは何か、考えてみよう。

衣類は日々ダメージを受けている

起きて、食べて、働き、寝る。私たちの日々の営みに、衣服は欠かせないものだ。そんな衣服は、紫外線や摩擦、汚れなどから一日中私たちの肌を守り、代わりにさまざまな刺激を受けている。そうして着用を重ねるうちに、服は古びていく。

ダメージを受けた服は、シワになり、色あせていく
ファストファッション全盛期が過ぎ去り、人々はスローファッションに目を向けるようになった。

質と着心地が良く、飽きないデザイン。選び抜いた自分好みの服は、長く使いたい。そんな大切な服を長持ちさせるためにどうすれば良いのだろうか。よくよく考えると、その知識があまりにも乏しいことに気づく。そこで注目したのが、衣類用スチーマー「Cirrus 2(サイラス ツー)」である。

ミニマルなデザインが日常になじむ。ストックホルム発「Cirrus 2」

シンプルでありながら柔らかなラインが特徴的な「Cirrus 2」
「Cirrus 2」を提案するのは、スウェーデンの首都・ストックホルム発のプロダクトブランドSTEAMERY(スチーマリー)。起業家、デザイナー、テキスタイルエンジニアが集まるこのブランドは、「消費者が正しい方法で服をケアする方法を知らない」という気づきから、都会に住む人びとに向けた「衣服を長持ちさせるための革新的なケア製品」を提案することを考えたそうだ。

そんな試みから生まれたプロダクトは、「スローファッション・ムーブメント」としてヨーロッパ中で話題を呼んだ。

日頃から使いたくなる、どんなライフシーンにも馴染むデザイン
「Cirrus 2」のしなやかで美しい曲線と、北欧らしいミニマルなフォルムは、インテリアの一部として日常に溶け込む。マットなラバー加工が施されているため手になじみやすく、持ち手の部分を長くすることで、腕の負担を軽減。女性が片腕で持っても簡単に使えるように、使用感にも細心の注意が払われている。

サステナブルな衣類ケアを可能にする、充実の機能

「衣服を長持ちさせる正しいケア」をするために、日常のケアとしては何が必要なのか。特に頻繁に洗濯やクリーニングができない衣服については、シワがつかないようにしたり、花粉やホコリを取り除いたり、匂いがつかないようにすることが大切なようだ。
そして、それらに効率よく対処できるものがスチーマーである。スチーマーの優れている点は、スチームが繊維まで入り込むことで、シワの原因となる繊維の変形を優しく元に戻してくれるところだ。さらに花粉やホコリなどの汚れも取り除き、除菌や消臭効果もある。なかなか洗濯できないおしゃれ着や、ニット、スーツなどのメンテナンスにもってこいだ。
「Cirrus 2」は、ミニマルな見た目の中に、スチーマーとしての機能が十分に詰め込まれている。まず特筆すべきは、すばやいセッティングである。着脱式のタンクにサッと水を入れ、電源に繋いでたった25秒。LEDランプが赤から緑色に変わったら、スタンバイ完了だ。すぐに使い始めることができる。
本体中央にあるボタンを押せば、シュウッと音を立てて高温のスチームが出る。スチームの持続時間は1度で約6分間。セットアップの服に当てても十分に保つ。その日に着た服をクローゼットに戻す前や、出かける前にサッと使用できる。

アタッチメントブラシも付いている
臭いやほこり、花粉が気になる時は、アタッチメントのブラシを取り付けて使用するのがおすすめだ。また、毛足の長い衣服やシルクなどのデリケートなアイテムのメンテナンスにも適している。脱臭の効果もあり、次回も快適に着ることができるだろう。

「Cirrus 2」には、使いたい時にアクセスしやすい手軽さがある。衣類を長く使うためには、日々の手入れが必要だと理解していても、道具が使いにくければ叶わない。そのために、生活動線上に置きたくなる工夫をすることで、サステナブルな衣服ケアを可能にしているのだ。

衣服は第二の皮膚である

衣服の手入れを毎日してみると、自分の肌の手入れをしているのと同じ感覚になる。毎日少しの時間でも、丁寧に手入れをすることで肌のきめが整うように、衣類もこまめなケアが生地にハリを持たせる。

独特な風合いのインドコットンも、スチームを当てることでその特徴が活かされる
改めて衣服と人間との関係性を考え直してみよう。ここで思い出すのは、マーシャル・マクルーハンが1964年に出版した『メディア論』で、「衣服は人間の皮膚に次ぐ第二の皮膚である」と記述していたことだ。これはマクルーハンが身体を取り巻く様々な環境が、身体の拡張物であるという主張の一環として語られたものである。実際に、皮膚は私たち人間の体の内側を守る組織だ。しかし人間は弱い。皮膚や体毛だけでは外界の環境に適応できないため、衣服というさらに強い皮膚を纏い、身体を守り生き抜いてきた。

衣服は第二の皮膚であるという考え方は、マクルーハンのメディア論以降、モードファッションの世界でも展開されていった。しかし2000年代に入ってからは、ファストファッションの時代が始まる。流行にすばやく追いつき終わったら捨てるという衣服の寿命は、あまりにも短い。

しかしスローファッションが見直されると、衣服は第二の皮膚であるという考えが改めてしっくりくる。その日の気分や着る人のキャラクターを発信するものという、近年の衣服の価値を超えた、心地よく日々を過ごすためのプロテクターとしての価値が立ち上がってくる。

毎日のケアで、衣服をより特別なものへ
長く付き合うことができる衣類は、自分の皮膚と同じくらい自身と一体化し、特別なものとなる。自分自身を大切にするように、自分を守る衣類を大切にする。私たちがサステナブルなスローファッションへ向かうとき、服に対する価値観や距離感の意識も変容するだろう。

STEAMERY「Cirrus 2」

Color Type / ブラック
Size / 280(W)×150(D)×100(H)mm
Weight / 約730g
Material / スチール、プラスチック、ラバー

¥14,800(+tax)

https://www.tht-japan.shop/items/26989200